2024年4月 8日 (月)

HOKUETSU Spirits 2024 ~成長 そして課題~

全日本高校選抜大会 1回戦突破!

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3月28日。愛知県名古屋市、日本ガイシホール。

7年振りに出場した全国選抜。選手みんなが初めて降り立った青色のサーフェイス。何とも言えない緊張感と高揚感のなか開会式が行われ、その後の第一試合に出場しました。

対戦相手は山口県の南陽工業高校。中国ブロックを3位で通過し、昨年のこの大会にも出場している強豪校です。

前日の夜に小坂井、野﨑、高橋、高澤と話をしました。4人と私の総意で、1番に高橋・高澤、2番に野﨑・小坂井でいくことを決めました。高橋は「自分たちが勝って2本目に回します」と強く答えてくれ、野﨑は「自分たちで決めます」と決意してくれました。

この大会は事前に会場で練習することもできず、まさに「ぶっつけ本番」。いつも通りにやることなど、到底できません。

第1ゲームからダブルフォルト2本。嫌な空気が流れます。しかし、高橋・高澤は一歩も引くことなく、2人にできる最大限の攻撃をし続けます。いつもなら絶対にしないようなミスもありましたが、それでも受けず、守らずに戦い続けました。1番に出る選手としての務めを見事に果たし、2番に回しました。

野﨑と小坂井は、今までに何度も悔しい思いをしてきました。

2人には技術はあるのですが、圧倒的に心が脆い。試合中盤になると、相手と戦えなくなってしまう。そのせいで、今までに多くの敗戦をしてきました。2人の悩み、葛藤は私にとっても絶対に解決しなければならない課題でしたが、なかなかその糸口を見つけることができませんでした。

大会直前の研修大会でも、初日の試合ではその弱さを露呈し、敗戦を重ねます。どんどん表情が曇っていくのがわかりました。

しかし、この日のノートで野﨑、小坂井ともに大きな変化がありました。直前まで私が読んでいた本の一部を抜粋し、彼らに与えて読ませたのですが、気づきがあったのだと思います。自分の未熟さを認め、弱さと向き合うことがついにできたのかもしれません。その本とは、『姫野ノート「弱さ」と闘う53の言葉』です。ラグビー日本代表の姫野選手が書いた本です。

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研修大会2日目は、悪天候でしたが、初日にまったく戦えなかった相手に快勝し、変化を結果で表してくれました。この瞬間、私にはかすかに希望の光が指しました。

選抜では、野﨑が相手後衛を徹底的に揺さぶります。そして小坂井が相手の攻撃をことごとくシャットアウトします。中盤から相手前衛がどんどん勝負に来ますが、慌てることなく、冷静に配球していきます。終盤は膠着状態になりましたが、最後まで勝負に徹した野﨑・小坂井が相手のエースに勝ちきりました。素晴らしい戦いでした。

私たちは、誰しも奥底に本質的な弱さを抱えています。それを普段は見えないように生活しています。戦いの中においては、どうしてもその弱さが見え隠れするのですが、それを見て見ぬふりをしたり、虚勢を張ってしまうと、大事な場面では冷静さを保てないのかもしれません。

野﨑・小坂井は自分の弱さを認めました。認めたからこそ強くなったのだと思います。素晴らしい戦いでした。

2回戦は第1シードの尽誠学園(香川)。昨年は選抜、インターハイ、国体の3冠を達成し、今年もダントツの優勝候補です。組合せが発表されたとき、「尽誠学園とやろう!」とみんなと誓いました。何が通用するのか、何が違うのか。ここからの目標を明確するための戦いでした。

結果は惨敗。本当に強かった。こちらの攻撃はことごとく止められました。どんどん追い詰められ、ミスも増えていきました。最後まで果敢にチャレンジしましたが、まったく歯が立ちませんでした。

対戦後はショックを受けましたが、『日本一』を体感できたことは素晴らしい経験になったと思っています。ここからが本当の勝負。なんとしても、夏の全国にたどり着き、またチャレンジしたいと思います。

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今日は尽誠学園と試合をした。結果は0−3でボコボコにされた。

まず試合をしてみて、レシーブをするときに良いイメージが全然浮かばなかった。いつもなら一瞬レシーブをするときにコートが見えるはずなんだけど、どこに打っても取られる感覚だった。

だから1ゲーム目は割り切ってラケットを振ることを意識した。レシーブゲームはこれを続けすぎて焦ってストレートに持っていったり、いちかばちかのゲームになった。サービスゲームではファーストの確率が悪くセカンドから始まることが8割。セカンドの3球目もギリギリまで迷いながらうとうとしてたから、無駄なミスが増えた。

試合中は多分、憧れながらやっていたのだと思う。

自分の中のイメージは2−2くらいまではいって少しは競ることができるかなと思ってたけど、現実はそんなに甘くなかった。着々と決められて行く中でミスも出て、さすがだな、とか上手いな、とか思ってしまった。尽誠学園はすごくスピードのあるテニスをしてきてて、それに勝とうとして相手にペースを持っていかれたし、相手の土俵で戦っている感覚がすごくあった。やっぱり負けるのはすごく悔しい。この悔しさをバネにインハイまで必死に努力する。(小坂井天詩)

選抜後は、そのまま奈良へ遠征に行きました。全国上位を狙う多くのチームと対戦しました。対戦を重ねていくうちに、徐々にそれぞれの課題も見えてきました。

選抜、奈良遠征を通して、明確にプレーが変化していきました。「まだまだ強くなれる」と実感したはずです。

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これからも北越は頑張ります。皆さんに楽しんでもらえるような、観ている人がワクワクするようなテニスを目指します。そして応援したいと思っていただけるようなチームを目指します。

チーム北越サポーターの皆様。これからも応援よろしくお願いいたします。

2024年2月18日 (日)

HOKUETSU Spirits 2024 ~ 感 謝 ~

北信越選抜大会3位入賞

7年振りに春の全国へ

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2024年1月1日。

 未曾有の大震災が石川県の能登半島沖を襲いました。新潟県内でも多くの被害が報道されました。被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。私は以前の赴任先で、中越沖地震により被災した経験があります。規模や被害は異なると思いますが、被災地の状況や避難されている方々の心情など、少しは理解できるのではないかと思っています。今はまだ、苦しいときかと思いますが明けない夜はありません。やまない雨はありません。どうか、一日も早い復興を。心から願っています。

 この地震の影響で、1月13日に行われる予定だった北信越選抜大会が2月12日に延期されました。しかし、1か月の延期によりチームを強化できるかと言われれば疑問符がつきます。この時期の新潟は外で練習することが非常に難しく、急遽決まった延期だったので屋内練習場を確保することも、ほとんどできません。1か月間の平日で、球を打つ練習ができたのは5~6回でした。

 平日はほぼ練習ができなかったのですが、週末は福島県の学法石川高校や群馬県の高崎商業高校、前橋商業高校にお世話になりました。とくに前橋商業の監督は我々のために練習相手をしてくれる他チームにまで声をかけて集めてくれました。そのおかげでとても充実した練習を行うことができました。感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。

 今、当たり前にテニスができていることを当たり前だと思わないようにしたいと改めて感じた。これからもひとつひとつのことに感謝の気持ちを持っていきたいと思ったし、もっともっと上を目指して良い成績をとって恩返しをしたい。(高澤)

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 多くの方々から支えられ、迎えた北信越選抜。

 各県の1位が集まるAリーグと2位が集まるBリーグ。Bリーグから全国選抜への権利を得るにはリーグで1位になり、Aリーグの3位校との決定戦に勝利しなければなりません。ひとつも負けられない厳しい戦いです。

 Bリーグには砺波高校(富山)、飯田風越高校(長野)、金沢学院大学附属高校(石川)、敦賀高校(福井)と我々北越の5チームが集まりました。

 最初の相手は金沢学院大附。相手の初戦を観ることができ、対策をしてオーダーを組みました。選手たちは見事に期待に応えてくれて3-0で勝利します。

 2対戦目は砺波。この試合は1番に出した高橋・小坂井にミスが重なり劣勢を強いられます。相手前衛が非常に力のある選手でしたので、やりにくかったように見えました。しかし、苦しみながらファイナルで勝利すると残り2ペアもその勢いで勝ちきってくれました。

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 3対戦目は飯田風越。この試合でも1番の高橋・小坂井が大苦戦。序盤はまったくペースをつかめず、メンタル的にも追い込まれてG1-3。さらに隣のコートで始まった2番の水野・岩目地は相手の大将ペアに押し込まれてG0-4負け。絶対絶命でした。しかし、2人は耐えました。高橋は調子が上がらないことを受け入れ、徹底してつなぐテニスに切り替えました。小坂井も自分にできることを割り切り、我慢のテニスを貫きました。徐々に点差が埋まっていきます。そして耐え抜いた2人が、またもやファイナルの戦いを制しました。そして3番の野崎・高澤は終始落ち着いたプレーでG4-0。なんとか2-1で勝利を収めます。

 最後は敦賀。ここは1番の高橋・高澤、2番の相澤・小坂井がペースを崩さず、ともにG4-0で勝負を決めてくれました。3番の野崎・岩目地は流れをつかめずG1-4で敗退しますが、Bリーグ全勝で、最後の決定戦進出を決めました。

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 Aリーグの3位は福井県代表の金津高校。毎年練習試合をお願いしている相手で、お互いをよく知るチームです。こちらのオーダーは1番に野崎・小坂井、2番に高橋・高澤、3番に水野・牛膓です。1番がG2-4。2番がG4-1で3番勝負へ。本当に最後の勝負です。

 水野・牛膓はダブル後衛。耐えました。何本でも繋ぐ、我慢する戦いを徹底しました。G1-0、G2-0、G2-1、G2-2…。徐々に相手に対応されていきましたが、それでも耐えるテニスを貫きました。相手にも焦りが見えて、ついにG3-2。チェンジサイズ。

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「攻めよう」ベンチで彼らに言いました。勇気を出してラケットを振り切ってこいと伝え、送り出しました。

 6ゲーム目、最初の水野のレシーブで前衛アタックが決まりP1-0。次の牛膓の攻めのストロークはわずかにラインを逸れてP1-1。次の水野の振り切ったフォアハンドで相手後衛のミスを誘い、P2-1。牛膓が打った相手前衛の膝下への強打が決まってP3-1。次の水野は力入りすぎてP3-2。そして最後は牛膓の中ロブで相手を走らせ、返球された球はわずかにラインを越えました。ゲームセット。ついに全国選抜への壁を超えてくれました。

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 今の2年生5人は中学時代、全国はおろか北信越大会に遠く及ばない選手たちでした。最後の大会を地区大会で敗退した選手もいます。そんな彼らでしたが、ひたむきにテニスに取り組む姿勢や情熱は本当に強く、普段の練習ではまさにコツコツと努力してきました。決して器用ではなく、技術の習得には人一倍時間を要します。何度も何度も失敗してきました。まだまだ技術もメンタルも未熟で、弱い自分と葛藤していますが、ようやく掴みました。全員で『全国』を掴み取りました。

 大会2週間前、1年生エースの一人、高澤が体育の授業で怪我をしました。足首関節の怪我で、大会までに治るかは微妙なところ。チームにとっては大打撃です。選手たちには「高澤なしで戦う準備をしよう」と伝えました。

 このアクシデントが、2年生の心に火をつけたように感じます。自覚と責任が生まれ、目の色が変わりました。このアクシデントにより水野・牛膓というダブル後衛も生まれました。

 2月2日。はやと(高澤)が怪我。大会までに治るかわからない。

 はやと、れい(高橋)に頼ってばっかじゃダメ。今こそ2年は自分たちだけでも勝てるんだって証明しないと。

 明日は一日模試で、日曜日が前商遠征。

 北信越まで、あと10日。県総体まではあと119日しかない。

 まず明日の遠征で、絶対に先週より動きができてないと×。この1週間はダブル後衛練習して、動画も見てきた。何百本でもつなぐを忘れない。何したら相手にミスが出るのか考え続ける。

 2月4日。前商、高崎と試合した。

 自分たちに課せられた役割は、楽しくワイワイやって可能性を見つけることじゃない。3番手は、1番手とあたって、颯爽と負けることではなく、粘って粘って、粘りまくる。ダブル後衛ならなおさら耐えることが必要。

 自分たちから点を取りにいかない。相手がラリーを嫌がるまでラリーする。50本でも100本でも。(牛膓)

 結果的に高澤が間に合ったことにより、様々な戦略をつくることもできるようになりました。何通りものオーダーを考えることができました。実際この日はすべての対戦でオーダーを変えて戦いました。登録メンバー8人全員を起用することができたので、体力的にも余裕をつくることができました。様々な要素が、我々にとって追い風となってくれたように思います。

 北越男子にとって7年ぶり2回目の全国選抜です。何度もこの壁に跳ね返されてきました。ついに超えてくれました。選手9人、マネージャー、保護者の皆さん、OBの皆さん、私たちに力を貸してくれた多くの仲間たち。本当にありがとうございました。今大会ほど、皆さんの支えを実感した大会はありません。

 2月14日。

 ここ2か月間のテニスは苦しかった。

 7月29日の新チームミーティングで「副キャプテン」という大事な役割を任せられた。そのときの自分は、「チームについて」という項目を作り、自分たちなりに拙いながらも“副キャプテンを全うしよう”“自分に出来ることを精一杯やり切ろう”と行動していた。それが半年経ったいま、使命感も責任感も忘れ、何のためにテニスをしているのか分からなくなっていた。

 自分たちの代はとても弱くて、いつも上にも下にも助けられてばかりだった。今回の大会でも、1年がいてくれなきゃ勝てなかった。代表決定戦での3番勝負、一週間前から練習したダブル後衛で挑んだ。オーダー発表で選ばれたときの嬉しさとは一転して、ベンチではアクエリを飲む手の震えが止まらなかった。

 中盤、自分に球が集まってきて、投げ出したいほど怖かった。泥臭く、ダサいくらいにロブで粘った。「勝ったときの嬉しさ」この一瞬のために、テニスをしていることを思い出した。2年で全国を決められて嬉しかった。

 勝ったからといって、副キャプテンの役割を全うできたわけでは到底ない。チームは小坂井に任せっぱなし、決定戦でも水野に助けられっぱなし。ダメダメな副キャプテンであることは変わらない。先生、親、OB、たくさんの方の支えがあって、今テニスができている。

 中井先生(外部コーチ)が気づかせてくれた。自分たちは中学時代、県1,2回戦止まり。それが、今では全国出場。確実に成長している。目標は全国ベスト8。まだまだやることはたくさんある。

 北越から誘いをもらったとき、寺尾先生に「全国でも勝てる選手になりたいです。」と言った。あと166日間で、技術はもちろん、人としても成長しなければならない。悔いのない高校生活にする。(牛膓)

 チームに感謝でしかなかった。

 自分は試合に出て、ボレーミスをしまくって、代表決定戦では水野・牛膓が自分の代わりに出てくれて、3番勝負を勝ってくれた。

 自信満々に出て、どんな相手にも勝ってくれるれいとはやと、2年としてプレー面でも引っ張ってくれる野﨑、小坂井、いきなり出されても勝ってくれた相澤、全然練習できてない陣形だけど勝ってくれた水野、牛膓。みんな良いところがいっぱいだが、自分だけは2年なのに良いところが1つもなかった。まだまだ下手なんだと痛感した。こんな自分でもチームが全国選抜へ連れて行ってくれるので、この恩は自分がもっと上手くなって団体戦に出させてもらって、勝って貢献したい。

 自分でもこんなにボレーがうまくいかないのは初めてで、メンタル的にもとても辛かったし、罪悪感がすごかった。もうこんな思いはしたくないから、この苦しさを乗り越えて、次は全国で楽しかったと言えるような舞台にしていきたい。(岩目地)

 北信越が1か月延期になり、たくさんのことに挑戦する時間が増えた。岩目地さんとダブル前衛をしたり、カットサーブをしたり、いろいろなパターンで試合をして経験を積んだ。最高の調子で大会を迎えることができると思っていたけど、体調を崩して1週間も身体を動かせなかった。上位大会の動画を見て後衛の知識を取り入れたり、攻めのパターンを学んだ。大会前になってネットプレーが納得いかなかったり、ストロークの距離感が合わなく、足も動かなくて不安の中迎えた大会だった。

 3年生が県インドアの応援に来てくれたおかげで北信越も切符を手にして、大会に出場できるチャンスをもらえた。他の高校にはない応援団の数で、北信越に連れて行ってくれた。

 北信越でも、保護者がみんな駆けつけてくれて、全日本選抜と全日本私学への出場権をとれた。夏の北信越で団体初戦負けを経験してからチームは変わってインターハイの団体1回戦を勝つことができた。3年生がチームを変えてくれなかったらインターハイ団体初戦敗退だったと思うし、冬の北信越で選抜の権利ももらえなかったと思う。

 自分たちはスポーツメイトやFree Style、中井先生、他県の高校、保護者、3年生、中学生などたくさんの人たちから応援があり、支えてくれたから、最後の最後まで戦えたと思う。

 最後の決定戦で、寺尾先生が自分たちでペアを決めさせたのは、信じてくれたからだと思うから、高橋・高澤で1本を守ることができた。選手みんなで最後の勝ちを握った。水野・牛膓を信じてチーム一丸で応援できて楽しかった。私学と選抜を勝って恩を返したい。ただの思い出試合にならないように、残り1か月間を大事に過ごしていきたい。「みんな、ありがとう!!」(高橋)

 まず、全国大会へ出場する権利が得られて、とても嬉しかった。この大会の1か月前くらいから、高崎商業や前橋商業の人たちに協力してもらって自分たちの強化をしてくれたし、保護者の方々が送迎などもしてくれた。大会数日前から大会中まで、中井先生は相手の分析やアドバイスをしてくれた。

 3決のときは、はやと、れい、牛膓、水野が頑張ってくれたおかげで全国へ出場することができた。いろいろな人の協力があったおかげで勝つことができたから、感謝してこれから全国に向け頑張っていこうと思う。

 勝てたのはよかったけど、自分はまた大事な場面で負けてしまった。普通にやったら勝てる相手に、変に考えすぎてしまって、硬くなってしまった。いつまでも誰かに頼るのはやめる。自分一人で決められる強さを身に付ける。3番勝負を決められる冷静さと、メンタルを身に付けたい。(野崎)

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 次の日は個人戦。水野・小坂井、牛膓・岩目地はそれぞれ能登高校、高岡商業高校に敗退しました。全国常連校との力の差を明確に感じました。ここから全国選抜に挑戦する上で、「満足してるんじゃないぞ」と言われている気がしました。

 高橋・高澤は春の北信越を優勝し、今大会も注目を集めましたが、勝敗だけでなく課題を持って戦うことを目標にしていました。練習試合ではほとんど組むこともなかったですし、ペアの連係をとる時間もほとんどありませんでした。

 しかし、大会ではそれぞれが個々の役割を全うし着実に勝利を積み上げていきました。各県の上位しか出場することができない大会ですので、劣勢になる場面は何度もありましたが、なんとか乗り越えていきました。

 残念ながら決勝戦では富山県のチャンピオンペアに惜しくもファイナルで敗れて準優勝でしたが、課題がはっきりし、将来の見通しがはっきり見えてきた敗戦でしたので、この負けを次に生かせるように、また一つ一つ積み上げていきたいと思います。

 今大会は、全国選抜という壁に挑戦し、それを達成しながらも課題がたくさん見えてきた大会となりました。私たちにとっては、大変充実した大会でした。この結果におごることなく、慢心せず、全国でも北越らしさを発揮できるように、これからも取り組んでいきたいと思います。

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 最後に、急遽延期となった大会で大会運営を担っていただいた長野県高体連、県連の皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

2023年12月19日 (火)

HOKUETSU Spirits 2023 〜冬の闘い〜

新潟県高校選抜 準優勝!

個人は高澤・高橋に栄冠!

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12月16日。五泉市総合会館にて全国選抜へと続く県予選会が行われました。

昨年、我々はベスト4決めで巻高校に敗戦し、決勝リーグに進むことができなかったのですが、今年の4決めもまさかの巻高校。嫌でも昨年の苦い思い出が蘇ります。

徹底して準備を行いました。自分たちの弱さと向き合い、挑戦者なんだという気持ちを植えつけていきました。10月の県新人戦で越えられなかった壁を越えるために。

団体メンバーはギリギリまで悩んでいました。

高澤・高橋と野崎・小坂井はチームの柱となっていましたが、あと1つをどうするか、当日の朝まで決めることができませんでした。

悩み抜いた末、1年生の相澤を起用することに決め、相澤・岩目地というペアで戦うことにしました。

この相澤・岩目地が巻高校戦で相手のエースペアにファイナルゲームまで競る素晴らしい試合を見せてくれました。最後は一歩届かなかったのですが、チームに勇気を与える試合内容で、残り2ペアが自信をもって戦い切ってくれました。

決勝リーグの初戦は第1シードの中越高校。選手層も厚く、分は悪いと見ていました。しかし、ここでも相澤・岩目地が奮闘を見せてくれました。エースを相手にG0−2から巻き返し、またもやファイナルゲームへ。巻戦での反省を生かし、最後の最後まで攻める姿勢を持ち続けて大金星をあげてくれました。

次の対戦は関根学園。この対戦は相手の方が圧倒的に挑戦者でした。北越にとっては気の緩みがあり、勝利を奪い取るんだという、姿勢が足りなかったように思います。相澤・岩目地、野﨑・小坂井とも競った試合ではありましたが、最後にミスを重ねてしまい、弱さを露呈してしまいました。

そして最後は新潟産大附属。4校すべてが1勝1敗で最終戦に挑むことになり、この最終戦で勝った2校が北信越へ駒を進めることとなる大一番となりました。1番に出た高澤・高橋が相手のエースとの接戦を制し1−0。続く2番の相澤・岩目地は序盤リードしますが粘られ、最後は相澤のガス欠で逆転負け。勝負は3番にもつれました。

序盤はG1−1と五分で進みますが,中盤に相手の攻撃を止められず劣勢に。こちらのミスも重なりG1−3。万事休すかと思われましたが、中越戦と関根戦で接戦をものに出来ず悔しい思いをしてきた野崎・小坂井が意地を見せて勝負に行ってくれました。G3−3に追いつくと流れは一気に北越へ。この流れを離さず、最後まで攻め続けての逆転勝利となりました。

2勝1敗で準優勝。もちろん優勝を目指してきただけに悔いが残りますが、このチームに足りないものは見えてきた気がします。2位までに権利がある北信越選抜。ここで戦えるチャンスを全員で獲得してくれましたので、もっと強くなって北信越選抜を迎えたいと思います。

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翌日は個人戦。北越からは高澤・高橋、水野・小坂井、牛膓・岩目地の3ペアが出場しました。

まずは水野・小坂井。初戦から、なかなかファーストサービスが入らず波に乗れない戦いとなりましたが、長いラリーを水野がしのぎ、要所を小坂井が決めるテニスで苦しみながらもベスト4へ進出しました。準決勝は巻高校のエースを相手に序盤は競った試合となりましたが、G2-2から攻めきることができませんでした。勝負所でのミスが響き、最後は水野のダブルフォルト。まだまだ技術も体力もメンタルも未熟でした。

次は牛膓・岩目地。県新人で惨敗した相手との初戦を制すと続く2回戦も新発田中央のエースを相手に勝利します。そして4決めは新潟産大附属のエースとの対戦。新人戦で優勝した第1シードとの対戦は我慢の長いラリーから勝負所で攻めた牛膓と、要所で相手後衛の攻撃をシャットアウトした岩目地がG4-2で大金星をあげました。

そして高澤・高橋。1回戦こそ調子が上がらず1ゲームを落としますが、その後は安定した戦いぶりで失ゲーム0で準決勝へ。牛膓・岩目地との同校対決も終始主導権を握りG4-0で決勝戦に進出します。巻高校との決勝戦でも落ち着いた試合展開でG4-0で圧倒しました。

県新人の惨敗から自分たちの弱さを認め、本物の強さを手に入れるために日々を懸命に生きています。団体メンバーから外れた水野と牛膓がベスト4に残ったことは2人の意地を感じます。この2日間は「よく頑張った」と言えますが、まだまだ本物ではない、とも感じます。どんな相手にも向かっていく姿勢を、いつでも、どんなときでも持ち続けてほしいと思いますし、劣勢のときこそ強気になれるような精神力を培ってほしいと思います。

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全国の舞台で戦うために、彼らは必死に頑張っています。長崎で最高の戦いをすることが、このチームの唯一の目標であり、今はまだ、その道のりの途中でしかありません。このような結果に慢心せず、驕ることなく、謙虚に取り組んでいきたいと思います。

次なる戦いは1月13日からの北信越選抜大会。我々がこの大会への権利を獲得したということは、そこを目指してたどり着かなかった選手、チームがあるということです。私たちは、彼らの分までこの北信越に向けて本気で勝つために取り組んでいく責任があります。時間は僅かしかありませんが、出来ることに全力で取り組んでいきたいと思います。

今大会も保護者の皆様、OBの皆さんなど、多くの方の支援があって戦うことができました。皆様の支え、大きな声援のおかげで私たちは北越らしく、楽しくテニスができました。本当にありがとうございます。

まだまだ未熟なチームですが、これからも皆様に笑顔を届けられるよう努力を重ねていきたいと思います。これからもどうぞご支援をよろしくお願いいたします。

2023年10月23日 (月)

HOKUETSU Spirits 2023 ~勝負の怖さと難しさ~

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10月22日。新潟県新人選抜ソフトテニス大会。

この日は、勝負の怖さと難しさを、痛いほどに感じる1日となりました。

北越のエース、高澤・高橋ペア。

春の県総体、北信越大会を優勝し、国体でも新潟県のエースとして活躍した2人は、まさかのベスト8という結果で終わりました。

誰もが、この2人が優勝するだろうと思っていたはずです。

しかし、周囲からの期待や、自分自身で「負けてはいけない」と重圧をかけてしまったことで、この日のプレーは本調子とはかけ離れたものでした。

サーブ・レシーブの精度の低さやウイニングショットがことごとくミスになることなど、今までに見たことがないような絶不調でした。

さらに、そこからくる焦り、気負いにより強引なプレーばかりになり、さらに精度を下げてしまいました。産大附属のエースを相手にG1-4で敗戦。

高校入学後、初めて感じたプレッシャーだったかもしれません。ここから先は、このようなプレッシャーとの戦いになります。追われる者の宿命です。それと向き合い、苦しい場面を乗り越えられるような強い心を持てるように、これからの成長に期待したいと思います。

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そして水野・小坂井も同じくベスト8。

キャプテン小坂井はチームのために、夏から本当に頑張ってきました。チームの雰囲気づくりや練習計画、選手たちとのコミュニケーション。強いチームをつくるために、自分の強化を後回しにしてでも「自分がやらなければならないこと」に徹底して取り組んできました。チームのために率先して悪役になってきました。試合前から戦いに懸ける気持ちは誰よりも強いものがあったと思いますが、当日はそれが完全に空回りしていたようでした。初戦から気持ちが入りすぎて、力任せなプレーでミスを連発。しかも劣勢になるとポジションを後ろに下げて、受けに回ってしまうという悪循環を起こしてしまいました。

また、水野は自分から勝負することを避け、小坂井に頼るだけのテニスになってしまいました。格下であればそれで勝てるでしょうが、それでは頂上を目指すことはできません。最後は力のない打球を相手前衛の前におくってしまい、ゲームセット。弱さが全面にでたような敗戦でした。

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午膓・岩目地ペア、相澤・齋藤ペアはいいところなく敗退。

北越に赴任して以来、記憶にないような惨敗で、この県新人を終えることになってしまいました。

9月から、多くの遠征を行ってきました。

群馬・富山・福井・東京。多くの練習試合を経験しました。勝負とはどういうものか、どうすれば勝てるのか。気づきと学びがありました。

さらに、テニスに対する目標地点も大きく変えました。技術や戦術はもちろん、テニスにどう向き合うのか、彼らと対話してきました。

私たちの目指す道のりは険しいのかもしれません。高い壁が立ちはだかっているのかもしれません。しかし、私たちは必ず達成します。壁を越えてみせます。

この敗戦があったからこそ強くなれたんだとのちに言えるように、これからの日々を誠実に、真剣に過ごしていきます。

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結果はベスト8。越えなきゃいけない壁を越えられなかった。

攻めたいのに前のプレーが悪かったから安パイなテニスになっていた。

楽しむ気持ちが全然持てなかった。

県総体のときはピンチでも挑戦していけたし相手後衛と戦っていた。

県インドアは壁を越える。(小坂井天詩)

ペアの調子が悪く、狙われているなかで自分から取りにいくプレーができなかった。

これからも1人が集中的に狙われることが多いかもしれない。

どんな状況でも戦えるように準備していかなければならないと感じた。

仲間の試合を観て感じたことは、

後衛がシュートしか打たないから、前衛が絡みにいきやすそうだった。

だけど、後衛前ロブや前衛アタックが少なく、相手前衛にプレッシャーがかかっているような感じがしなかった。

これらの技術を磨いてほしいと思う。(高橋憐依)

自分が全然取りに行けなかった。

勝ちたいと思うとどうしても安パイなプレーになってしまい、強気な動きができない。

自分は1回戦で、ここで負けられないと思って試合をしたから、取りにも行けずただ負けた。

技術もまだまだだが、それ以上に気持ちが弱すぎた。

自分のミスを気にしすぎてしまい、相手後衛と戦うことに集中できていなかった。

自信を持てず、負けられないと思い、気持ちが弱すぎたことが敗因だ。

この結果と向き合って、自分はまだまだだから常にチャレンジャーの気持ちをもつ。

自分は展開練習でも、リスクを負った難しいプレーをミスして周りの人に何か言われるかなと思って全くしない。そういうのも、自信が持てないこと、気持ちが強くないことにつながる。

もっと自分が思っている以上にチャレンジする。

この負けが後になって良い負けだったと言えるようにこれからの自分をつくる。

自分が団体戦に出ても勝てるような強い自分になる。(岩目地基)

今日の結果は高澤・高橋、水野・小坂井がベスト8、相澤・齋藤が2回戦敗退、午膓・岩目地は初戦敗退だった。

自分は目標通り、随時進行状況を確認して選手に伝えることができた。そして大きな声でたくさん応援できた。

だけど最後のミーティングで、小坂井くんがサポートメンバーが座っていて、そこが3年生がいた頃を違うという話をしていて、反省しなければならないと思った。もっといろいろ考えて行動すべきだった。

これからのチームとしては、私たちマネージャーも部員なので、優勝目指して一緒に頑張りたい。また、自分は先のことを考えて行動したい。選手に聞かれたのに答えられないということがないようにする。自分も選手と一緒に成長していきたい。(亀井美良)

応援に来てくださった多くの皆様。北越らしいテニスをお見せすることができず申し訳ありませんでした。私たちは、ここから強くなります。皆様をワクワクさせられるようなテニスをお見せできるよう、もっともっと頑張ります。これからも私たちを、よろしくお願いいたします。

2023年9月13日 (水)

HOKUWTSU Spirits 2023 ~成長と課題~

成長の夏 課題の夏

 9月11,12日。秋季地区大会が行われました。

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 11日のダブルスでは高澤・高橋ペアが優勝、水野・小坂井ペアが準優勝、牛膓・岩目地ペアが第3位に入賞、相澤・齋藤ペアも予選リーグを抜け、4ペアが県新人への出場権を決めました。また、次の日のシングルスでも高橋憐依が優勝、高澤颯が準優勝、野崎蒼生が第3位、牛膓友志、水野太陽がベスト8に入り、5人が県新人への切符を手にしました。

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 インターハイが終わり、新チームが発足。来年のインターハイに向けて目標を立て、その達成のために、このチームがどんな姿に成長していけばよいのか。今年を『挑越』するためには、何が必要なのか。インターハイ団体戦を経験した選手が多く残ったこの新チームは、目標を見据えやすく、前向きになりやすかったかもしれません。夏の遠征でも内容のよい試合が多く、例年に比べてポジティブに夏を過ごしました。

 8月19日から行われた北信越国体においては、北越から高澤、高橋と3年の長谷川が選出され北信越5県の総当たり戦を戦いました。残念ながら2勝2敗の3位で本国体への出場を逃しましたが、多くの皆様の応援に支えられ、全力で戦いきることができました。また、その次の週に行われた競技者育成プログラムStep-3においても、この3人が推薦されて参加し、高澤と高橋は見事にStep-4へ推薦されました。

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 非常に技術の高い1年生がいる中で、2年生たちの行動にも変化が見えてきました。自覚が芽生え、行動にメリハリをつけようと1年生たちに積極的に声をかける様子が見られました。技術がどうこうではなく、たった2年半の高校での部活動においては、上級生の自覚と責任がチームの行く末を決めます。新キャプテンの小坂井は誰よりも声を出し、個々に声をかけ、ダメなものはダメと強く指導しています。その強い姿勢がチームに少しずつ浸透してきました。

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 地区大会に向けて、チームにはスケールの大きいテニスを目指そうと話してきました。今ある技術で戦うのではなく、「できるようになりたいこと」を貫いて戦おうと伝えてきました。内容を一つ一つ見れば、まだまだ荒々しいテニスでインターハイを戦い抜くにはほど遠いのが現状です。実際の大会で戦ってみて、課題もたくさんみつかりました。しかし、多くの選手が上位入賞を果たし、県新人へ進めることでチームとして次のステップに進むことができたことは、とても明るい材料だと思います。

 次なる戦いは10月21,22日。もっともっと強くなって、この日を迎えたいと思います。これからも、チーム北越をよろしくお願いいたします。

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2023年9月 5日 (火)

HOKUETSU Spirits 2023 ~挑 越~ 

夢は来年へ

高澤・高橋ペア 3回戦進出!

団体 1回戦突破!

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7月23日。

 「全員主役で勝ちに行く」のスローガンのもと、1年間全力で戦ってきたチームの最後の戦いが始まりました。

 この日の個人戦に出場した高澤颯・高橋憐依ペアは初戦となる2回戦で青森代表の八戸工大一高のペアを持ち前の攻撃力で圧倒。G4-0で次戦を待ちます。続く3回戦の相手は奈良県代表の高田商業高校のペアでした。高田商業といえば、言わずと知れた超強豪校。全力でチャレンジしました。

 鍵となったのは第3ゲーム。長いゲームになりましたが雨の中、相手の強引な攻撃が不規則な軌道を描き、ボレーミスを犯してしまいました。このゲームを取りきれなかったことで相手に流れがいってしまったように感じます。G2-4。とても悔しい敗戦でした。とは言え、この戦いは北越にとって未来に向けた「光」が差したように感じます。強豪校とだって戦える。俺たちは弱くない。十分にそう思える戦いでした。

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 翌日はチームで最後の練習を行いました。最後の戦いに向けて気持ちを込めた練習を行いました。

そして25日。いよいよインターハイ団体戦です。

 小雨の中始まった一回戦。相手は山梨県代表甲府南高校。個人戦で2ペアがインターハイに出場し、エースはベスト64に進出したチームです。

 第一対戦は高澤・長谷川ペア。序盤は高澤のプレーの精度が高く、長谷川のネットプレーで着実にポイントを重ねていきリードを広げていきます。しかしG3-1からの第4ゲームで守りに入ってしまい、相手の勢いに少しずつ飲まれていってしまいました。凡ミスと無茶なプレーが続き、失点を重ねてしまいました。G3-3、ファイナルゲームに入ります。ここでも流れに乗りきれず苦しいゲームになりましたが、2人は耐えました。勝負所で積極的かつ安定したプレーで流れを引き寄せると、最後は相手が耐えきれずにゲームセット。チームを引っ張ってきた3年長谷川の気迫で1勝をもぎ取ります。

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 第2対戦は松沢・中濱ペア。2人にとって最初で最後のインターハイ。相手はエースで、序盤から劣勢を強いられます。松沢・中濱は徹底して攻撃していき得点はとれるのですが、相手の攻撃も止められず、失点が増えてしまいます。G1-3。ベンチは3番勝負を覚悟しましたが、ここからが2人の本当の戦いでした。どんなに苦しい展開でも松沢は相手から逃げずにラケットを振り切り、中濱は攻めの姿勢を崩しません。ミスが出ても、一層攻める気持ちを高めていきました。ついにファイナルゲーム。ここでも最後まで2人は素晴らしい戦いをしてくれました。インターハイベスト64を相手に堂々の勝利!2回戦進出をここで決めました。

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 第3対戦は高橋・小坂井ペア。この試合は未来を勝ち取った北越の2人が相手を圧倒して勝利しました。

 二回戦は宮崎県代表都城商業高校。春の全国選抜でベスト8入賞を果たした強豪校です。実力には差がありました。北越は本当にみんなが全力で戦ってくれましたが、まだその差を埋めるには至りませんでした。「インターハイベスト8」を目指して1年間歩んできたチームでしたが、残念ながら届きませんでした。

 昨年の愛媛インターハイから1年。キャプテン谷澤がチームを支え、エース長谷川が引っ張り、石川、大杉、中濱、松沢がまとめてきました。マネージャー倉田もチームにとって大きな戦力でした。入学直後の県総体では準決勝で敗退、冬のインドアでは県優勝を果たすも、次の県総体ではまたもや準決勝で涙をのみます。さらに冬は県ベスト8で敗退という屈辱も味わいました。何度も何度も悔し涙を流しました。何度もぶつかってきました。

 最後の最後にたどり着いたインターハイ。ここでも3年生たちがチームを引っ張りました。チームを支えました。チームをまとめてくれました。ときに厳しく、ときに優しく、そしてテニスを楽しんでくれました。素晴らしいチームでした。ありがとう。

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 夏はひとつの区切りがつく季節ですが、すぐに次のスタートがやってきます。来年のインターハイは長崎県長崎市。新たなシーズンのスローガンは『挑越』になりました。来年のインターハイへの挑戦、今年越えられなかった壁を越えるために、このスローガンになりました。今年の悔しさは来年必ず晴らします。

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 日頃、私たちの活動に対して本当に多くの応援をいただき、まことにありがとうございます。観てくれる、応援してくれる方々に、楽しんでいただけるようなテニスを目指して頑張って参ります。ぜひ、これからも北越高校男子ソフトテニス部にアツい応援をお願いいたします!大会などの際にはぜひ会場まで足をお運びください。お待ちしております。

2023年6月21日 (水)

HOKUETSU Spirits 2023 ~強さと弱さ~

第65回 北信越高等学校ソフトテニス選手権大会

高澤・高橋ペア優勝!松沢・長谷川ペア準優勝!

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 6月17日、福井県越前市武生中央公園。北越の歴史に新たな1ページが加わりました。

 北信越大会には、県総体1位の高澤・高橋ペア、8位の松沢・長谷川ペア、17位の水野・中濱ペアが出場しました。

 県総体で残り1枠を勝ち取った水野・中濱ペアは第一試合、福井県代表のペアを相手になんとか勝ちを拾いました。攻めていく姿勢はありましたが、単調な攻撃で「相手と戦う」ことが徹底できていなかったように感じますが相手のミスにも助けられG4-2でなんとか2回戦に進出しました。

 2回戦の相手は第1シード、石川県のチャンピオンとの対戦でした。序盤は相手に硬さもみられ競りながら進みましたが、中盤以降は一方的な試合となりG1-4で敗戦。このペアはリードしているとき、競っているときは相手に向かっていけるのですが、少し差が生まれるとあっという間に自滅します。ダブルフォルトやレシーブミスなど凡ミスを繰り返し、自分自身の首を締めてしまいます。強い相手にこそ無駄な失点は減らさなければならないのは当たり前ですが、それができなければ壁を超えることはできません。水野は2年生ですが、今のままでは来年はこの舞台に立つことはできないでしょう。ここから成長できるか、苦しいときに踏ん張れるか。この1年の大きな課題になるでしょう。

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 次は松沢・長谷川ペア。県総体では悔しい8位。インターハイ出場を逃し、この北信越大会が最後の個人戦です。初戦となった2回戦は序盤G2-0とリードしますが、そこから浮き足立ち3ゲームをあっという間に取られてしまいます。しかし、そこで崩れなかったのがこの2人の強さでした。ファーストサーブをしっかりと成功させて6ゲーム目を奪取するとファイナルゲームは最後まで攻撃の手を緩めませんでした。

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 続いて3回戦は危なげなくG4-1で勝利して4回戦。富山工業との対戦。なかなかペースをつかめない難しい戦いになりました。しかしG1-2からプレーの精度を上げていき、長谷川のネットプレーで締めるという2人らしい戦いで逆転しました。

 次は5回戦。相手は4回戦で石川県の能登高校を大接戦の末に破って上がってきた上伊那農業(長野)のペアでした。後衛の打力が素晴らしいペアでしたが、松沢の打力が相手のそれを上回り、主導権を握ります。G3-0から2ゲーム挽回されてしまいましたが、6ゲーム目を落ち着いて戦いG4-2で勝利。


 そして準決勝。北陸高校(福井)との試合は、一進一退の攻防が続きます。互いの攻撃力が守備力の上をいくような展開でした。ファイナルゲームにもつれ込んだ激闘は、最後に松沢のカウンターが突き刺さりゲームセット。県総体の悔しさを乗り越え、笑顔の決勝進出となりました。

 高澤・高橋ペアは県総体のチャンピオンとして、この大会に臨みました。なかなかこちらのサーブで崩れてくれず、ペースをつかみきれない試合ばかりでしたが、常に落ち着いてプレーを続けていきました。サービスゲームが取れないのならレシーブゲームをしっかり取り切れば負けることはありません。当たり前のことを当たり前にやる、言うのは簡単なことですが戦いの中で、それを実行するのは簡単ではありません。しかし2人は、「当たり前」を積み重ね続けました。

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 順当に勝ち進み、準決勝。水野・中濱ペアを圧倒した石川県のチャンピオンとの戦いになりました。やはりサーブは対応されて主導権がとれません。さらにレシーブゲームでも先に崩されてしまい、G0-2。ここまでくれば簡単な相手などいないのは当たり前ですが、ここまで勝てるビジョンがイメージしにくいのは初めてです。3ゲーム目も相手に崩されながら進んでいきましたが、攻めることはできなくても失点はしない、2人の気迫のこもった戦いでなんとか1ゲームを挽回します。少しずつ相手の攻撃に対応していき、ゲームを取り合ってなんとかファイナルゲームに持ち込みます。ファイナルでも相手にリードされる展開でしたが、何度も耐えてデュース。マッチポイントも何度か凌がれましたが、最後は高澤が腹をくくって前に出てハイボレーを叩き込み決勝に進出。このとき北越として初めて、北信越という場での同校決勝を実現しました。

 夕暮れの中始まった決勝戦。序盤は高澤・高橋ペアの攻撃が上手く決まり、松沢・長谷川ペアはポイントを取れません。あっという間にG2-0となります。しかし、ここから松沢のリスクを負った攻撃が成功、長谷川も積極的に攻めていきます。高澤・高橋ペアのミスも多くなり、流れが変わります。G2-3、逆転。しかしここで高澤・高橋ペアはギアをあげて攻めに転じます。ファイナルに追いつき、流れがまた変わります。松沢、長谷川に焦りがみられ、差が開きます。P6-3、高澤・高橋ペアがマッチポイントを迎えます。しかし、3年生の意地が簡単に戦いを終わらせません。なんと、ここから4ポイント連続でとって逆マッチ。

 さすがに勝負あったかと思いましたが、高澤・高橋ペアの心は折れません。このマッチを凌ぎます。さらに次のポイントを松沢たちがとりますが、それでも気持ちを切らさず、ついに逆転。ファイナル10-8という大接戦をものにしたのは北越の新エース、高澤・高橋ペアでした。

 すばらしい戦いでした。4人の意地がぶつかり合う、まさに鬼気迫る戦いでした。中学時代から実績を積み上げ、北越で新たな歴史を作るという決心とともに入学してきた高澤と高橋。また、どんなに苦しいときもチームの柱として北越を支えてきた松沢と長谷川。この4人の戦いが、まさか北信越の決勝で観られるとは夢にも思いませんでした。

 おめでとう、高澤・高橋。ありがとう、松沢・長谷川。

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 翌18日。この日は団体戦が行われました。

 個人戦の1位と2位を擁し、第2シードとして挑んだ北信越団体はまさかの1回戦敗退となりました。

 相手の羽咋工業(石川)にどんどん攻められ、ペースをつかめません。なんとか第1対戦は勝利しましたが、第2対戦、第3対戦は相手の勢いに完全に萎縮してしまいました。とくに前衛陣が狙われて失点を重ね、焦った後衛にもミスが出るという悪循環で、まったく戦えずに終戦となりました。

北信越初戦敗退。自分のせいで負けた。

3番勝負にまわってきて責任をもって戦えなかった。

正直、北信越をなめてた。たかが県総体優勝したからって調子にのってしまってた。

やっぱり覚悟が足りない。

県総体のときは常に焦りがあったし、負けたら次がないことを知っていたから本気になれた。

このチームでできるのも1ヶ月ちょっとしかない。

このチームの終わりは勝って終わりたい。

残りの自主練などを自分のために、そしてチームで勝つために取り組む。

同じ過ちをしない。(2年 小坂井天詩)

 インターハイまで、残された時間はあとわずか。このチームがどんなゴールを迎えるのか。この北信越大会では、それぞれの選手の強さと、チームとしての弱さを露呈しました。この壁を乗り越えることができるか。苫小牧で最高の戦いができるか。

 ここからはチームが『魂』をもった集団になれるかの勝負です。

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2023年5月29日 (月)

HOKUETSU Spirits 2023 〜苫小牧への道〜

全員主役で勝ちに行く

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令和5年度 新潟県総合体育大会(5/26〜28 新潟市庭球場)

【個人戦結果】

 1位 高澤 颯・高橋 憐依(インターハイ・北信越大会出場)

 8位 松沢 将樹・長谷川 大輝(北信越大会出場)

 17位 水野 太陽・中濱 光(北信越大会出場)

【団体戦結果】

 優勝 北越高校(インターハイ・北信越大会出場)

春になり、新入生が加入しました。

この加入はチームに大きな変化をもたらしました。

まずは技術。中学時代に素晴らしい実績をあげた即戦力の選手が加入し、チーム内に競争意識が生まれました。

次に笑顔。とても明るく、前向きな選手が入ってくれたおかげで、常に元気で声の出るチームに成長していきました。

そしてメンタル。今シーズン、私は選手たちにずっと言い続けていることがあります。それはスポーツは「楽しい」ものだということ。部活動とは、時に苦しい場面や厳しい規則などもありますが、スポーツを「苦しい」と感じることには違和感があります。楽しいからこそ、もっと上達したいと思うでしょうし、上達することで更に楽しいと思えるようになるのではないかと思うのです。もちろんチームの中には上下関係もありますし、それぞれがもつ役割もあります。何でもかんでも「自由」なのではありませんが、チーム、仲間が楽しさ、喜びを共有できるような集団であってほしいと思っています。

今大会、個人戦では思うような結果を残せなかった選手が多かったのですが、皆が苦しい場面でも下を向かずに笑顔で戦っていましたし、ベンチの後ろからも大きな声援で仲間を支えていました。

団体戦は、当日まで起用する選手を決めていませんでした。個人戦の結果や内容から最終決定することにしていました。

今年はハイスクールジャパンカップと北信越大会の日程が重なっているため、ハイスクールジャパンカップに出場する1ペア分だけ枠が空きます。その17位決定トーナメントに野崎・小坂井ペアと水野・中濱ペアが出ることになりました。2ペアとも順当に勝ち上がっていき、巻高校や新潟産大附属高校の団体メンバーにも勝利しました。この2ペアで最終戦を戦うことになり、ファイナルゲームの末に水野・中濱ペアが権利を獲得しました。この時点で最後まで戦った中濱と小坂井を団体戦で起用することを決めました。

迎えた団体戦。個人戦で優勝した1年生ペアを崩し、高橋・長谷川、高澤・小坂井、松沢・中濱の3ペアで戦いました。

1つ目のヤマは関根学園との準々決勝。この試合は2面展開で行われましたが、全ての対戦で相手を圧倒する試合運びをしました。特に松沢・中濱ペアが個人戦準優勝のペアを相手に、終始主導権を握り続けた戦いはチームにとって大きな追い風となりました。

次は準決勝、中越高校戦。ここでは1番に出た高橋・長谷川ペアがなかなかペースを掴めず、相手におされる展開でした。しかし、3年生の長谷川が高橋を精神的に支えて、なんとか振り切り1勝。2番に出た松沢・中濱ペアは個人戦3位の大将ペアと一進一退の攻防でファイナルゲームに突入。先にリードを奪われますが、最後まで攻める姿勢を持ち続けた松沢と中濱が大金星をあげて決勝進出を決めました。

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そして決勝戦。相手は新潟産大附属高校。個人戦の結果を見ても明らかに格上の相手でしたので、『挑戦者』として向かっていこう、最後まで北越らしくテニスを楽しもう、と皆の気持ちだけ一つに合わせてコートに立ちました。

第一試合。こちらは高橋・長谷川ペア。この試合は準決勝と打って変わって先に攻めた高橋と、相手後衛との1対1を挑み続けた長谷川が相手を圧倒しG4-0で勝利。次に繋げます。

第二試合は高澤・小坂井ペア。相手はハイスクールジャパンカップに出場する新潟県を代表するペアです。第1ゲームはこちらのレシーブが上手く決まらず、不運な失点もあり落とします。第2ゲームをなんとか取り返しますが、第3、第4ゲームを立て続けに落としてG1−3。さらに続く第5ゲームもP0−2となり絶対絶命のピンチ。しかし、我々には何とも言えない期待感がありました。

県外遠征での戦い、地区大会の団体決勝、なぜか高澤は全く同じような試合展開から逆転勝ちをおさめていたので、おそらく本人にも「まだ大丈夫」という気持ちがあったと思いますし、ベンチにいる我々も全然諦めるような状況ではなかったのです。高澤、小坂井の積極的なレシーブで一気にこのゲームをひっくり返して、第6ゲーム。ここで高澤は賭けに出ます。悪天候のために使ってなかったカットサーブをここで解禁します。そのギャンブルが見事に成功、3球目攻撃を仕掛けて、相手のミスを誘いました。いよいよファイナルゲーム。お互いに攻め手を欠き、ミスも出ながら、それでもついにマッチポイント。ここで高澤がカットサーブを入れてチャンスボールが小坂井の後方に上がります。緊張するな、とは口が裂けても言えない場面。力が入りすぎてインパクトできずにスマッシュミスでデュース。次のポイントは高澤がレシーブで攻めて相手のミスを誘い、またしてもマッチポイント。そして小坂井のレシーブ。落ち着いてレシーブを深く入れると、またしても小坂井後方にスマッシュボールが上がりました。誰もが先ほどのスマッシュミスを思い出しました。

「ヤバい・・・」

しかし、小坂井は落ち着いていました。無理せず丁寧にスマッシュを深く返球し、次のボールを待ちます。そして、まさかのツイストで相手の意表をつくと、最後は全力でハイボレーを叩きこみ、この戦いに終止符を打ちました。

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今大会は、1年生2人の躍動が大きく取り上げられました。新聞にも大きく取り上げていただきました。実際に彼らはすごいプレーヤーですし、彼らがいなければ優勝はなかったでしょう。本当に素晴らしい戦いをしてくれましたが、やはりチームを支えたのは上級生たちでした。

苦しい準決勝でペアを支えた長谷川。最後の最後、不安を振り切って勝負した小坂井。そして、チームに勇気と勢いを与えた松沢と中濱。そして、出番はなかったけれど、チームを作ってきた石川、大杉、キャプテン谷澤。

このチームは何度もぶつかりました。葛藤もあったでしょう。心が折れてしまった選手もいたでしょう。だけど、そのたびに立ち上がりました。苦しいときもありましたが、前を向きました。笑顔を忘れませんでした。そして、テニスを楽しんでくれました。

たくさんの方々に支えていただきました。私の無理難題にも、最高の形で応えてくれた保護者の皆様!週末の練習のたびに相手をしてくれた Free Style のみんな!会場まで足を運んでくれて一緒に応援してくれた卒業生のみんな。大会前日にメッセージをくれた卒業生。そして卒業生の保護者の皆様。いつも応援してくれて、大会前に差し入れをしてくれる北越サポーターのみなさん。

本当にありがとうございました!!皆様と一緒に、この感動を分かち合えたことが何よりも嬉しいです。

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このチームのスローガンは『全員主役で勝ちに行く』。

苫小牧でも「主役」になるべく、これからも笑顔で、楽しく、北越は頑張ります。これからも応援よろしくお願いいたします。

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2022年12月22日 (木)

HOKUETSU Spirits 2022 ~真の『本気』~

 県選抜まで10日を切った頃、ソフトテニスマガジンに掲載された高田商業高校の記事を選手たちに読ませました。高田商業高校は言わずと知れた日本一の強豪校ですが、この1年は選抜、インターハイと決勝戦で尽誠学園に敗れており、「日本一」をあと一歩で逃していました。

 そして迎えた国体でも、決勝戦で尽誠学園を擁する香川県との対戦。この試合では見事に3番勝負を勝ち切り、「日本一」を奪還しました。その後に受けたインタビュー記事を選手に読ませ、「日本一」を目指す高校生とはどういうものなのか、競技に本気になるとはどういうことなのか、選手たちに少しでも感じ取ってもらいたいと思いました。

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 高田商業という全国のトップクラスの選手が集まっているチームでも、真の『本気』を目指していた。これは技術の問題ではなく、1位を目指す土俵に立つということだと思う。今の北越には『本気』になろうとしている人が1人もいない。チーム全体として変わっていかなくてはいけない。

 自分は正直、高校に入る前は、県1位なんて簡単だと思い込んでいた。入学してから、1年9か月目に入って、やっと1日1日の大切さに気づけている。勝負の県総体まであと6か月しかない中で、高田商業のインタビューを読むまでは、間に合うのかな?と思っていた。

 だが、人が変わるのには時間がかかるけど、真の『本気』になっていまえば、もう怖いものはないと思う。そこに至るまでの時間は個人差がある。

 でも自分は、今の状況をチャンスだと思っている。自分たちの代になってから、いろいろなことを試してきて、どうすれば強くなれるのかわかってきた気がする。例えば、今まで量をやって技術をつけようとしてきた1年間があって、うまくいかなかった経験の1年。

 その後、新シーズンになってコミュニケーションを増やして、質を高めようとしてから、少しだけ手応えがあった。だけど、うまくいっていないところもわかってきた。うまくいってなかったのは、一人ひとりの考え方が違うので、チームの方向性が合っていない。

 インドアシーズンに入ってからチームの方向性を揃えようと取り組んできて、まず自分が変わろうとしている。2年生が変わらなきゃ、チームは変わらない。

 自分たちの代はテニスを好きな人が少なくて、なんのために部活に入っているのかわかっていない人がほとんどだ。キャプテンである谷澤が、まずキャプテンとしての仕事ができていなくて、ただ皆の前に立って指示を出しているだけだった。その指示に本人の意図はなくて、人に言われたことに賛成や、先生に言われたことをやっているだけで、本人がこういうチームにしたいという形がない。

 チームの人に対してダメなことはダメと言わなきゃいけないし、何が必要なのか追求していかなくてはいけない。

 新チームになってから、何が必要なのか明確になってきているのに、それに向き合おうとしていない。技術どうこうの前に、チームの方向性を揃えるためにする行動をできてから練習に入る権利があると思う。

 チームの方向性を揃えるために、声をかけ続けて、キャプテン、副キャプテンがまず変わっていく。(長谷川大輝)

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 2年の松沢、大杉、中濱の3人が研修旅行で不在のころ、長谷川は葛藤していました。県選抜まで時間はわずか。なのに練習に“熱”がないのです。声は出ているけど、出しているだけで思いがない。だから伝わらない。練習終わりに長谷川が谷澤、石川に対して『本気』を問うていました。熱く、熱く。「お前の本気はいつになったらやってくるんだ」と。

 大会5日前。やっと全員が揃いました。群馬県の前橋商業高校と練習試合を行いました。最初はボロボロ、相手の攻撃に対して受ける、守るだけのテニスでまったく勝負になりません。試合の度に選手に話をし、自分たちの甘さ、弱さを伝えていきました。相手監督からは、北越は「発揮力」が足りないと伝えていただきました。後半から徐々に試合内容がよくなり、勝てる試合も増えていきました。ほんの少しですが、光が差したように感じました。

 大会までの残りの期間は徹底して自分たちの持つ技術を「発揮」することを目指しました。そして、全員の思いをひとつにするべく、選手それぞれがみんなにメッセージを送り続けました。

 大会の前々日には団体メンバーを発表しました。本当に悩みました。選べなかった選手たちには申し訳ない気持ちもありましたが、ここは非情になるしかありません。彼らの涙が、これからの成長の糧になると信じています。

 迎えた大会は、巻高校に3番勝負の末に敗れてベスト8。正直言ってとても悔しい。しかし、戦いの5日前に、やっとひとつになれたチームでは、勝利の女神が微笑まないのは当然だったのかもしれません。真の『本気』の片鱗は見せてくれましたが、まだまだ甘いということがよくわかりました。

 結局、地区大会、県新人と同じ負け方をした。格上とわかっている相手にビビッて名前負けして、勝手に自滅して負けていった感じ。2か月前とは違う結果にすると意気込んで試合に臨んだのに、試合になると自信をもってラケットを振れなくなって、ボールを擦ってアウトばっかり。このような結果になってしまったのは、ここまでの練習の仕方、とくに気持ちの面で準備不足だったと感じた。練習中は、自分の技術を鍛えよう、自信をつけられるものにしようと思って、具体的な想定がまったくできていなかった。さらに、練習試合でも、1試合1試合勝ちきるということができていなく、苦しくて負けても、練習試合だからと悪い意味で開き直っていた。この2か月間、弱い自分から逃げないようにするつもりでいたのに、結局逃げて、それが試合にも出た。

 大輝さん、将樹さんは練習試合や校内の試合のときも絶対負けない。そういうのが自分の自信につながる。あと苦しいことから逃げない。大輝さんも将樹さんもトレーニングは他の人の倍くらいやっているし、練習中もつねに練習に集中し、最後の一本まで全力でやりきっている。自分にはそれがない。

 今回の大会は、自分にもチームにも、自信や成長を感じられるものにしたいと思い、そのための結果を出すために練習に全力でやってきた。でも結果は、団体は巻に負けて、個人も自分たちはいいところなしで唯一大輝さんたちが結果を残していた。大会後に寺尾先生が言っていた、2年2人に負担をかけすぎと言われて、そのとおりだと思った。2人しか力がないから団体もペアをくずし、それぞれに自分たちの倍くらいやらないといけないことをやらせて、精神面でもそうとう負担をかけていた。その大輝さんたちでも巻に勝てなかったのが事実。今のままじゃ絶対インターハイにはいけない。自分がもっと強くならないといけない。そのためにも、これからの6か月弱を絶対に無駄にできない。自分は北越に入って何一つ結果を残せていない。結果を残せないから、ずっと後悔しかしていない。

 もうチームに迷惑はかけたくない。もうメンタルが崩れたみっともない負けはしたくない。豆腐メンタルでヘタレな自分をテニスコートにもっていかない。根本からなおす。

 あと160日くらいで、2年生にとっては最後の県総体がくる。それまでに今のヘタレをなおす。自分がチームのエースでチームの柱になれるような存在になる。個人も団体も県1位になって、インターハイにいく。本気でやる。一日も弱い自分から逃げない。(野﨑 蒼生)

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 1年生の野﨑は非常に能力が高い選手だと思っています。ストロークの技術から言えば、県のトップレベルにいると思います。しかし、勝負の世界に生きる者としては致命的に心が弱い。リスクを負うことを無意識のうちに避けるため、どうしても安パイな配球になります。相手にとっては「怖くない」選手だと言えます。秋地区、県新人、県インドアは格上相手に、G0-4、G1-4、G0-4とまったく勝負になっていません。

 本人に、やっと自覚が芽生えてきたのかもしれません。この弱さと真に向き合い、乗り換えていかなければ、同じことの繰り返しでしょう。ここからが野﨑にとって本当の正念場かもしれません。

 自分はこの大会で、また大きなことを学べたと思う。まず1つ目は、自分のテニスについてだ。個人戦は団体戦よりプレッシャーが少なくて「テニス」で勝負ができた。八木澤コーチに当日言われたり、高商のテニスを見ていたりしてて、相手がミスをしたあとに狙い続けることへの大切さを学んだ。これは「テニス」の学びだった。自分たちの戦えるレベルを上げるために必要な技術だった。今までわかっていたものの、1日通して取り組んできたことがなくて、きれいなテニスを求めすぎていた。それだと攻撃の手段が狭くなりやすいし、ほんとは競れる相手にも自分たちのテニスができなくてG0-4やG1-4負けになってしまう。この戦い方を覚えることで、攻撃の手段が何パターンも増えた。

 2つ目は、うまくいっていないときに立て直すことができないことに気づいた。「テニス」の形として、攻撃のことしか考えていなくて、自分たちがうまくいかなくなったときに、どうやって自分たちのテニスにもっていくか考えたこともなかった。それこそ、インターハイで2年連続負けている原因がそれだと思う。

 例えば自分が一番苦手な相手はロブを主体として戦ってくる人だ。ディフェンスの手段がまったくなかった。これについては、タクティクスや伊比コーチに聞いて、試して、自分に合うものを見つけていきたい。

 自分は、この県インドアに向けて、チームを育てるために一人ひとりと深くコミュニケーションをとり、自分なりに信用できる関係を築いてきたつもりだった。でも形として現れてきたのは約1週間前。大会前になったからというのもあるかもしれない。だけど自分の自信にもつながっていた。団体戦でG1-3、P1-1で相手が足をつってタイムをとったとき、自分は自分のやってきたことに自信がもてなくて不安になり、また自分のせいでチームが負けてしまうのではないかと思ってしまった。何本もスマッシュ、ボレーでミスをして、入れにいこうとしてしまっていて、サーブ、レシーブでしか攻めることができていなかった。

 だけど、今までの自分とは変わったのを試合を見に来てくれた方々に見せたくて、なんとかスマッシュを追い、ペアを組んでくれた野﨑が助けてくれて、ファイナルに追いつき、最後は自分のハイボレーでゲームセット。

 その後に3番勝負松沢・大杉は勝てなかった。それは自分の責任だと思っている。チームの1番手として、圧倒して1本取らないと他のメンバーは気軽にプレーできない。自分の努力不足であり、甘さだと思う。

 過去の北越のブログを見返すと、自分と似たような道を歩んでいる人を何人も見ることができた。これは、自分のしてきたことが間違いじゃないんだと思えた。だけど、石塚さん、田辺さん、星野さんと比べると努力が全然足りない。まだ自分にできることはあるし、しなきゃいけないことが山ほどある。残りの約160日を充実して過ごせると思った。

 今回の大会1週間前に、キャプテン谷澤が毎朝3キロ走ろうと言い出し、朝から身体が起きる習慣がついたことは確かだった。だけど、自分ができる最大限の努力ができていたかと問われると、ストレッチに全然時間がとれなくて、学校で少しすることしかできなかった。これは妥協だ。3キロ走は、自分の中でも追い込んでやれていたと思う。でも、それが限界かと問われたら、あと1秒でも縮められる気は全然する。これも妥協。

 自分は妥協の「塊」だ。

「塊」をどうやって「魂」に変えていくのか。

 これはこれから160日の過ごし方で、どうとでも変えれると思う。(長谷川 大輝)

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 個人戦では、松沢・長谷川が準優勝。野﨑・大杉が2回戦敗退。水野・中濱が1回戦敗退。野﨑のノートにあるように、今のチーム北越は松沢・長谷川だけのチームです。この状況をチームがどのように考えるのか。長谷川の言う「魂」とはなんなのか。

 あと160日。苫小牧への道を拓くために。真に『本気』のチームになるために。

 いつも応援してくださる皆様。本当にありがとうございます。皆様の支えがあって私たちは活動できています。大会のたびにドリンクの差し入れを頂いたり、練習用具などの支援を頂くなど、感謝の気持ちでいっぱいです。コロナ禍において、選手たちのがんばりを観ていただくことができないことが非常に心苦しい。しかし、必ずや恩返しができるように、これからも邁進していきます。

2022年10月17日 (月)

HOKUETSU Spirits 2022 ~大切なこと~

夏が終わり、あっという間に秋が深まってきました。日が落ちるのも早くなり、ナイター照明の中での練習が日常化してきました。夜の空気も冷たくなり、かすかに冬の足音が聞こえてくるようです。

さて、10月15日、16日。新潟県新人選抜ソフトテニス大会が上越総合運動公園テニスコートにて行われました。

15日にはダブルスが行われました。北越からは5ペアが出場しましたが、松沢・長谷川ペアの第3位と、野﨑・大杉ペアのベスト16にとどまり、他3ペアは2回戦敗退という結果に終わりました。

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まだまだメンタル的な敗因が大きすぎました。劣勢になると我慢ができず、凡ミスを連発し、さらに状況を悪くしてしまう。そこから更に視野を狭くしてしまい、試合を壊していきました。

北越はおそらく、どのチームよりも練習しています。しかし、それに見合った結果を残せていない。本当に悔しいことです。

そんな中、北越のエースペアである松沢・長谷川ペアは今の実力を出し切ったベスト4だったようにみています。まずは準々決勝で上越地区1位のペアを相手にG4-0で勝利できたことは、大きな成長を感じています。先月行われた地区大会では松沢がまったく戦えず、前衛に頼りきりの戦いで、大きな不安を残しました。その後に実施した練習試合でもなかなか成果が出ずにもがいていましたが、今大会は2人で最後まで『笑顔』を貫きました。続く準決勝では、春の県総体を優勝した選手との対戦で、技術・戦術ともに相手が上でした。競った内容にはなりましたがG1-4。要所を締めることができず、まさに「力の差」でした。

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16日にはシングルスが行われました。谷澤、石川、岩目地、長谷川の4名が出場しました。谷澤と石川は初戦でそれぞれ地区の1位選手との対戦で初戦敗退となりました。大事なところ、苦しいところで先にミスをしてしまうのは、まさに「弱さ」です。心の弱さがやはり見えました。岩目地はベスト8に進出。丁寧にラリーを続け、ひたすら我慢を重ねました。最後は力の差を見せつけられましたが、地区ベスト8からの県ベスト8は立派です。ここからの成長に期待したいと思います。

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そして長谷川。いくつもの壁を乗り越えて、堂々の第2位となりました。「壁」の一つ目は2回戦の産大附属。1時間にもおよぶ接戦で、何度もマッチポイントを凌いでの勝利でした。さらに二つ目の「壁」は準々決勝の中越。地区優勝の選手との対戦でG2-3。しかし、ここでも相手のマッチポイントを凌いでファイナルゲームに突入するとP4-4からの連続得点で勝利。しかし、長谷川のフィジカルは限界を迎えていました。準々決勝の終了後、両足の太ももを攣ってしまいました。準決勝を前にトレーナーによる処置を行い、出場することにしましたが、もう膝も曲げられない状態で、ここまでだと思いました。走れない、跳べない、声も出せないような状態での戦いでしたが、『今の自分にできること』に全集中し、取れないボールがあることは割り切って、戦い切ると決めました。後ろで見ていた仲間たちに勇気を与えるような戦いで、まさかの勝利。本当に素晴らしい戦いでした。

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決勝戦は巻高校のエースとの対戦で、圧倒的な実力差がありましたが、最後の最後まで戦いました。G1-3。P1-3。終わりを覚悟しましたが、ここを耐えてG2-3。6ゲーム目もデュースが続きましたが、最後に力尽きました。結果だけをみればあと一歩、残念だったと言えるかもしれませんが、戦いを見ていた私たちにとっては、勇気がもらえる感動的な戦いでした。

夏のインターハイが終わってから、夏の遠征、地区大会、また遠征と経験を積んでいき、少しずつですが前へと進んでいます。自分の弱さに気づき、反省し、また前を向く。これを何度も何度も繰り返して成長していく。まだまだ我々の挑戦は始まったばかりです。

それでは最後に、この大会を振り返り、ほんの少し成長した長谷川のノートをご覧ください。

今回の大会で自分は、大切なことに気づけた。

それは、周りの人への感謝だ。

自分はシングルスで色々な人のサポートを受けて決勝まで残れた。準決勝、決勝では正直声を出す元気はなくて、点を取っても喜べない場面があった。それでも流れを自分のものにできたのは、チーム北越の応援のおかげだった。

試合中に、自分のことで精一杯になっていて、応援の力を自分の活力にできなかった。

試合に負けてあいさつをするときに、北越の人たちにありがとうという一言が出なかった。

みんなが自分のことを勝たせてくれようとしてたのに気づいたのが、試合が終わって、みんなからの声がけ、保護者の方たちの声がけによって気づけた。

負けてからやっと気づけた。

応援を生かせることができなかった。

期待される、応援されることは、当たり前じゃない。

自分は他校の指導者の方たちに声をかけてもらえることが多い。それは、自分が今までしてきた行動によって声をかけてくれているのかもしれない。そういった期待に応えるために練習していきたい。

今までは、自分がうまくなりたい、技術のことしか考えていなかった。これからの約10ヶ月は、周りの人のために頑張っていきたい。

今まで好き勝手やってきた分、団体の大事な場面で絶対勝たなくてはいけないし、勝ちということにこだわっていきたい。

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この大会に向けて、私は『スーパーポジティブ』な選手になろうと、伝えてきました。「どんなときでも前向きに」「常に最悪な状況から打開することを考えて」「苦しいときこそ笑顔で戦おう」と言い続けてきました。まだまだ『本物』にはほど遠いですが、明らかに変化は感じられます。とくに2年生たちは大きく変わってきています。「ここからだ」と感じられる空気があります。

選抜予選まであと2か月。私たちは挑戦します。

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会場まで応援にきてくださった保護者の皆様。いつも応援してくださる関係者の皆様。本当にありがとうございます。皆様の応援を力に、これからも努力を重ねて参ります。これからもよろしくお願いいたします。