HOKUETSU Spirits ~2015 加速~
阿部・星野ペア快挙!16年ぶりに個人戦制す!!
阿部将大・星野雄慈ペアが北信越選手権大会個人戦でチャンピオンに輝きました。
迎えた決勝戦。1G目は相手のミスが重なり取ることができましたが、その後は相手の打球力、スピードに押されG1-3。万事休すかと思われました。しかし、ここから2人に流れが訪れます。4Gの間に相手の動き、ボールスピードを掴むと阿部が次々とオープンスペースにボールを配球し、相手の攻撃を止めていきます。そして星野は積極的にポジションを取り、ボレー、スマッシュを叩き込みます。相手のミスも呼び込み、ファイナルゲームに突入します。ファイナルゲームは一進一退の攻防が続きますが、カウント5-5から星野のストレートポーチボレーで勝負あり。最後は相手のボールがネットし、ゲームセット。初の栄冠を手にしました。決勝戦の相手は石川県能登高校のエースペア。彼らはU-17日本代表に選出されている選手で1月に行われた北信越インドア大会では圧倒的な強さで優勝したペアです。それに対して阿部・星野ペアは北信越インドア大会2回戦負け。この時点では間違ってもこの舞台に上がれる選手ではないと誰もが感じていたと思います。そこから這い上がってきたこの2人の努力は並々ならぬものがありました。苦しいトレーニングにも耐え、自らのプレーを一から見直しました。4月に奈良県で行われた研修大会では結果が出ず、さらに2人はもがきます。県内大会でも満足いく結果を得られたわけではありませんでした。それでも2人は前を向き続け、間違いなくチームで1番努力をしてきました。だからこそ得られた栄冠であり、今回の優勝は決して偶然ではなかったのかもしれません。
決勝戦にたどり着くまでも苦しい戦いが続きました。準々決勝は第4シードで福井県のチャンピオンでした。G3-1のリードから疲労からか阿部のフットワークが悪くなります。そこからミスが多くなり、G3-3に追いつかれます。最後は阿部の気力と、苦しい阿部を助け続けた星野のチームワークで勝利しました。続く準決勝は冬の北信越インドアで負けた金沢学院東高校のエースペア。練習試合でも何度も対戦しており、競った試合になることは間違いありませんでした。お互いにやりづらさを感じながらのゲームとなりましたが、相手の攻撃から逃げることなく攻撃をし続けG4-2で冬の雪辱を果たしました。
さて、今大会は実は私は阿部・星野ペアのベンチには入っていません。すべて小柳コーチに任せました。ベンチ入り指導者というのは、チェンジサイズ時に選手たちに次のゲームの戦術を指示したり、プレーの改善点をアドバイスするのが主な役割です。しかし、阿部と星野は2人で会話をし、自分達で『次』を具体的に決めることができます。あとはベンチ入り指導者に必要なことは相手の心理を話したり、広い視野でコートを観察することです。現在も現役選手としてプレーしている小柳コーチが適任だと思いました。毎晩遅くまで阿部、星野の練習相手もしてくれており、信頼関係も盤石です。3人でこの北信越大会を戦い抜いてくれました。
この大会を通して、阿部・星野ペアの成長を実感しました。苦しい場面が多かったのですが、2人はうつむくことがありませんでした。どんなときでも『次の1点』を考え続けたのだと思います。本当におめでとう!2人が目標としてきたインターハイまで、あと1ヶ月あまりです。さらに大きな挑戦をしてほしいと願っています。
この北信越大会には他に3ペアが出場しましたが、相手や環境からのプレッシャーもあり、ベストパフォーマンスとは言いがたいプレーが多かったように感じます。県外大会となると、始めて見る選手がほとんどです。対戦のたびに相手のプレースタイルや戦術などを考えて戦わなければなりません。さらに今大会は雷雨に見舞われ、何度も中断を挟みました。そんな環境の中、観察する力、状況を把握する力、戦術を考える力などが求められます。技術の向上はもちろんですが、その他にも戦いには必要な力があり、その力の向上が必須なのだと感じています。まだまだ大きな山が目の前にはそびえ立っています。この北信越大会を機に加速していけるかが、この山を登り切る鍵になるでしょう。