HOKUETSU Spirits 2021 ~雨ニモ負ケズ~
決勝は同校対決!
髙松・新部が本戦への出場権を奪取!!
【第50回ゴーセン杯争奪ハイスクールジャパンカップ2021新潟県予選会】 4月17日 新潟市庭球場
第1位 髙松・新部ペア
第2位 渡辺・長谷川ペア
第3位 越前・地濃ペア
ベスト8 松井・吉澤ペア
雨が降りしきる悪コンディションのなか、今シーズンの初戦であるハイスクールジャパンカップの県予選が行われました。
この大会は、今シーズンの各校の戦力をはかる最初の大会であり、新1年生たちのお披露目でもあります。上位に入賞した選手のなかにも、多くのルーキーがおり、とてもフレッシュな顔ぶれとなりました。
チーム北越からは、6ペアが出場しました。
1年生ペアである松沢・石川ペアはデビュー戦の緊張からかプレーは硬かったのですが、なんとか初戦を突破。続く2回戦は中越高校のシード選手と対戦し、ファイナルゲームの接戦の末に敗退しました。十分に勝てる内容でしたが、ポイントを獲りに行くプレーの精度がまだ低かったように思います。この悔しさを胸に、これからの練習に励んでもらいたいと思います。
次は2年生ペアの岡畑・伊藤ペア。岡畑は昨年、ミスを恐れて勝負を避け、逃げるテニスしかできませんでした。しかし今大会は徹底して勝負しました。1打1打に気持ちを込めて打ち切りました。伊藤は冬に後衛から前衛にコンバートした選手で、前衛として初の公式戦でした。まだまだ技術的に劣る部分がありますが、気持ちの強さはチームナンバーワンかもしれません。チーム内でオンコートリーダーを務める彼は、どんなときでも声を出し、自分と仲間を鼓舞し続けます。残念ながら3回戦で格上相手に敗退しましたが、今後の成長が期待できる内容でした。
上位シードが順当に勝ち進むなか、もうひとつの2年生ペアである越前・地濃ペアが大躍進しました。初戦こそ緊張と悪天候により越前のミスが多く、競った試合となりましたが、2回戦の巻高校とのダブル後衛との対戦で、越前が丁寧な配球で相手に無理をさせ、地濃が積極的にスマッシュを追いかけて決めきるという2人のプラン通りの試合運びで圧勝すると波に乗って3回戦もG4-0で撃破。いよいよ大一番である新潟工業のエースペアとの対戦となります。相手は昨年の県新人と県インドアでベスト8に入賞、北信越インドアでも1回戦を突破した実力者です。そんな相手に対しても2人のプレーには迷いがありません。越前のサウスポー特有の打球で常に主導権を握り、地濃も終始冷静にプレーを続けました。1ゲームずつを取り合いG3-2。ここで越前が積極的なプレーをみせ、地濃も応えるようにネットプレーを成功させました。第4シードを相手に堂々の勝利。準決勝に駒を進めました。
3年生の松井と2年生の吉澤は初めてのペアリングで大会に臨みました。松井の攻撃的なプレーと吉澤の堅実なネットプレーで順当に勝ち進みました。新潟工業のシードペアとの対戦でも、終始こちらのペースで戦いを進めてG4-0で勝利し、いよいよ第2シードの巻高校のエースペアとの対戦です。ここでは松井が相手を意識しすぎたのか、強引なプレーが目立ちミスを多発。吉澤も冷静さを欠き選択ミスを重ねてあっという間にG0-3となります。今までの彼らであれば、このまま負けていたでしょう。しかし、この日の2人はこの劣勢のなかで冷静になり、流れを変えます。丁寧にラリーを続けて相手のミスを誘い、勝負どころを見極めて吉澤がポイントを獲りに行く。彼らの成長を感じました。残念ながらファイナルゲームの接戦の末に敗れましたが、彼らの精神的な成長を感じることのできる試合でした。結果論ではありますが、あと1ゲームはやく、2人が冷静さを取り戻していれば。丁寧なテニスをすることができていたら。この悔しさを忘れず、リベンジしてほしいと思います。
3年生の渡辺と1年生の長谷川。長谷川のデビュー戦でしたが、とてもアグレッシブな戦いをみせてくれました。準々決勝の産大附属のエースとの対戦では、打球力のある相手に対して混乱するような場面もありましたが、徐々に冷静さを取り戻していきました。これは前キャプテンである渡辺の存在が大きかったように思います。仲間を思いやり、常に笑顔で長谷川に声をかけます。プレーでも大事な1点、という場面で長谷川を助けるかのように攻撃し、終わってみればG4-0。松井・吉澤を撃破した巻高校のエースが待つ準決勝へ駒を進めます。この試合は非常に競った試合となりました。非常に配球のうまい後衛で的が絞れず、前衛も非常に堅実で2人は苦しみます。しかし最後まで気持ちが切れることなく、自分たちのプレーを貫いてG4-2。長谷川にとってはデビュー戦で決勝までたどり着きました。
そして3年生ペアの髙松・新部ペア。昨年度の県新人優勝、県インドア3位、北信越インドアベスト8と結果を残してきた2人。第1シードとして、重圧を背負っての出場でした。しかし多くの修羅場をくぐってきた2人は、どんな相手でも、どんなコンディションでも自分たちのプレーが崩れることはありませんでした。順当に勝ち上がり、準決勝では同校の越前・地濃。何度も校内で対戦していましたが、相手を寄せ付けずG4-0で圧倒。3年生としての意地もみせました。
決勝戦は同校対決となりました。チーム北越が掲げる目標のひとつとして、『県内大会で、北越以外に負けてはならない』というものがあります。チームメイトと対戦するまでは、何が何でも勝つ。チーム北越としてのプライドとして、彼らには話しています。決勝を同校対決にもっていくことができたのは、まさに彼らの『プライド』だと思っています。
決勝は序盤、髙松の配球が上手くはまり渡辺・長谷川のミスを誘ってG3-0。このまま圧勝かと思われましたが、渡辺・長谷川が粘りをみせて2ゲームを挽回。G3-2となって迎えた第6ゲームは長いゲームとなりましたが、最後まで冷静に試合を進め、勝負どころを見定めていた新部がネットプレーを決めきりG4-2。髙松・新部にとって初めての全国出場を手にしました。
コロナ禍のなか、できることには限りがあります。練習の成果を試す場も少なく、選手たちにも迷いがあります。しかし、できないことを嘆いていても始まりません。できることに全力を尽くす。自分たちを信じる。それしかないのだと思います。
ここからがいよいよインターハイに向けての勝負です。皆様に笑顔で報告できるよう、これからも頑張ります。応援よろしくお願いいたします。