Dream Factory 2023 初夏
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成長を積み上げての12連覇
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北越畑で成長したヒマワリたち
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令和5年県総体
🔶団体戦 優勝(県12連覇)
決勝 ②ー0 中越高校
🔶個人戦
2位 高橋寧々・須貝若菜
3位 下里鼓・渡邉七瀬
5位 安藤愛莉・冨樫凛、 吉澤茉子・土橋日加里
以上4ペア、北海道インターハイ出場
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秋の惨敗から半年、冬の間に張ってきた根を土台に花を開かせる初夏となりました。
県総体、ヒマワリ満開!
この半年の成長を花に変えました。
12連覇達成。
そして、これまで最高の4ペアIH出場です。
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遡ること春まだ浅き3月、何とか策を講じて全国センバツには出場できましたが、やはり地力のないチーム、初戦で何もできず敗退しました。
ただ、すべては成長の大切な一場面ですから、己を知る、という意味でとてもいい経験だったと思います。
それから2カ月。
北越畑は向き合い畑。
一人ひとりが自分と向き合いながら、地道に己を成長させていったと思います。
秋からのDream Factoryに名前の挙がっているすべての選手たちが、自分の弱さと格闘しながら成長してきました。
特に、前回の最後にあえて期待を込めて書いた新3年生の須貝若菜が明確にリーダーの自覚を持ったこと、それがこのチームの成長の核になったと思います。
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その須貝の選抜直後のノートから。
全国センバツ、初戦敗退。
最後のミーティングを終えて。
私のチームが団体で勝つために必要なことは、このチームで誰かが突出しなければならない。特に新3年生の誰かが突出してリードしなければならない、先生はそうおっしゃった。
突出するって、何をすればいい。
少なくとも、今の自分では突出できない。
いつもこういうミーティングの後には、「何をプラスすればいいか」と考える。
でも、うまくいったこともなければ、結果として現れたこともない。
今回は「何かを加えよう」ではなくて、「何かを変えよう」という風にしてみたい。
何でもいい。
私はリーダーとして話す時、「〇〇だったよね」とか「〇〇だったのね」とか、そういう言葉を使っている。それを「〇〇だった」「〇〇しよう」とか、言い切りの形にしてみる。
愛香先輩が今日でコーチを降りる。(1年間、コーチをしてもらった鈴木愛香。春から新しく生まれる「新潟ヨネックス」のメンバーとして新たに旅立つことになった)
最後に私たちにくれた言葉は心に刺さった。
誰よりも誠実に生きること。日々の練習、自主練の時間(やってもやらなくてもいい時間)、家に帰ってから、どんな時でも自分はテニスで夢を叶えたいのだから、誰よりも誠実に自分を向上させようと生きること。愛香先輩は日体大でそうやって日々を送った。自分より上手い選手、高校時代実績のある選手はたくさんいたけど、1年生からレギュラーを任された。必ず見てくれている人はいるし、何より自信を持って戦える。
今の私たちに、こうやって胸を張って言える選手はいるのか。
そう考えたら、先生が「突出」って言ったことと重なった。
「今日で解散する旧チームは、頑張るチームだけど、誰よりも誠実に自分と向き合っているわけではない。「突出」して誠実に日々を生きていて、その選手がチームの中心になる、という者がいない。だから、負ける時には、ズルズルと0-③で負ける。誰かが踏ん張って1-1の3番勝負に持ち込めない。競っている試合に勝ち切れない。」
ならば、私がこのチームの「誠実」を創っていくしかないんだ。
日々の努力を努力のままにしないで、「誠実」に変える。
明日から新チームスタート。
(3月29日)
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それから約1カ月。新チームになって初めて迎える県レベルの大会=ハイスクールジャパンカップ県予選を迎えます。この大会は県総体のシードポイントがかかる大切な大会でもあります。
しかし、チーム須貝は準決勝2ペアとも敗退。
県内高校のエースに勝ち切れないもどかしさが募りました。
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今日のハイジャパ予選、準決勝で北越が2ペアとも負けて、決勝は巻vs中越。他の団体メンバーもベスト8に入れない。
総合的に言えば、新チーム初の県大会は北越の負けだ。
決勝を見ていて、こんなに悔しい思いをしたのは初めてだ。
相変わらずエース対決に勝てない、競り合いに勝てない。
先生が12連覇は危ないと警告してくれた現実が目の前にあった。
今日、みんながどれくらい危機感を感じてくれたかはわからない。でも一つはっきり言えることは、私ははっきりわかったということ。
本当に勝ちたい。このチームで、私のチームで勝ちたい。
この思いがあふれるくらい、こみあげてきた。
団体の3番に出て私が勝てないのは、期待されている場面で力を発揮できないこと。
実際、私は今まで一度も団体で期待に応えたことがない。
一度もない。
それをスキルだったり戦術だったりで反省していたけど、私に足りないのは「団体マインド」なんだと思う。
3番勝負。
「さあ、つないだぞ」
「あとは任せた」
「私たちの分、勝ってください」
色々な思いや声がある中で、私は弱い。
試合後のミーティングは自分たちだけでやった。
チーム一人ひとり、1カ月後の県総体に向けて、自分が思うこと本音でぶつけて、と言った。
みんな本音で話をしてくれた。2年生も思いをぶつけてくれた。前みたいな発表会にならず、みんなで隠さずストレートに言い合えたと思う。
同じ3年の宮川には強く伝えた。
もう3年で、残りの月日があと1カ月かもしれないのに、まだ「連続ミスが…」とか「ペア力がなくて…」とか言ってるけど、それ去年と同じじゃないか。
「本気で考える」って言ったけど、そうじゃない。
「本気で何か取り組んでみろよ!」
考えたって、本気でやんなかったら何も変わらないし、今までそう言って変われてないのに、まだそんなことを言うのか。
私も変わる。
宮川も本気で変わろうよ。
私のお母さんは「私は毎日仏壇を拝んで、感謝を伝えてるよ」って言ってた。
そうすると、謙虚な気持ちで一日をスタートできるって。
私もやってみようと思う。
みんなの声を背負って戦える人になりたい。
(4月23日)
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その1カ月後が県総体です。
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須貝は明るく元気のいい子で、前向きなムードをつくることができる人です。
いつも健全な方向を向いて、一緒にいると前向きになれる、そういう素敵な資質を持っています。
2年前の1年生の時から団体メンバーに入れていました。
とっても良い子なのですが、テニスコートに立つと崩れます。
期待されると逆に小さくなってしまう。
周囲も見えなくなり、持ち前の責任感がさらに自分をネガティブな暗闇に落としていきます。
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須貝の1年時の県総体後のノートです。
今日の団体戦で、私のメンタルがどれだけ弱いのか、先生もわかったと思います。私もここまで弱いとは思っていませんでした。
せっかく使ってもらった団体戦。
2試合目で、最初からメンタルがつぶれていたことが、自分自身の元気のなさでわかりました。終盤にかけて応援の声につられて、声だけは出せるようになりましたが、それは本当にただ声を張り上げているだけでした。
先生に「戦おうとしていない」と伝えてもらいましたが、その時は「そんなことはない。戦おうとしているんだけどうまくいかない。どうしたらいいかわからない。」と思っていました。
「戦おうとしている」=「まだ戦っていない」、そう気づいたのは落ち着いて先輩たちの試合を見ている時でした。
3年生の試合をずっと見ていました。
もちろんミスもあります。ミスが続いて雰囲気が下がりそうな時もあります。でも先輩たちはそういう時こそ、心の底から気魄を出してラケットを振っていた。ミスは修正力で修正してまた戦える。そしてチームの方を見て「よしっ」ってなる。
先輩たちはチームと一緒に戦っていた。だから、応援する方も全エネルギーを送って乗り越えた姿に大きくガッツポーズをとる。
私が目指したいのはこの姿だ。
3年生の一体感がすごかった。
1点1点、チームの10連覇に向けて、3年生全員が力を合わせて進んでいくようだった。
すごい絆と信頼。
私も3年生になった時、今の1年生と一体になって全員で団体優勝を勝ち取りたい。
2年後、私はこの場にこんな風に立てるのだろうか。
(2021年6月6日)
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1年後、2年生の県総体では北信越ブロック大会出場が決まる試合(個人戦2日目)で、またしてもビビリーが出ます。ペアの後輩は何とか持ち直したけれど、須貝は終盤になるにつれてラケットが振れなくなっていきました。
その日の2年時のノートです。
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私はずっと長く何かを続けていれば変われるって思っていました。やっていることはまだちょっとかもしれないけど、去年よりは変わっている自分がいるはずだと期待していた自分がありました。
でも何も変わってなかった。
1年の時のビビって戦えなかった弱い自分のまんまで、もう情けなくて…
本当は逃げ出したいです。
もちろん実際に逃げ出すなんてできません。でも苦しいです。
こんなこと言っても無駄だってわかっています。
弱音吐いて、それで変われるくらいなら皆が日本一です。
寧々は後輩と組んで個人でもインターハイ。
寧々、小学校から一緒にやってきたけど、ここまで差が開くなんて思ってもいなかったよ。
寧々がチームの鍵になってる。
入澤・本間で1勝。
もう一つ、それは寧々なんだ。
冬、負けた時、私たち二人が変わらないと11連覇はないって誓い合ったことを思い出した。二人で変われる、二人で変わろう、そう思ってた。
でも違った。寧々は一人で変わった。
私は何をしているんだろう…
明日、団体戦。
みんなでドリームファクトリー(ムービー)を見た。
ずっと前の星先輩の代のものだった。
星先輩は中学時代無名の後衛で、北越に来てから前衛になったという。
それが2年の冬から3年の夏まで半月板の手術で試合に出られなかったという。何という悲劇だろう。
7月にようやくドクターから許可が下りてコートに立って、インターハイ団体で優勝した文大杉並に勝つ。
信じられないことだが、北越では実際に起こる。
そう、北越って変われる場所なんだよ。
なんで私は変われないのかな。
変わるって、どうしたらいいんだろう。
明日の団体戦、私がコートに立つことはない。
今年もチームの力になれない…
県総体終わったら、もう一回前衛やってみないか、先生はそう言ってくれた。
それを聞いて、実は少しネガティブになったけど、私が生まれ変わるきっかけとなる1歩を用意してくださったんだと思います。
真剣に考えようと思います。
(2022年5月28日)
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こういう歴史があっての最後の県総体です。
前日の3年生須貝のノートから。
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私は、今まで県総体で良い思い出が一つもありません。
1年生の時は、同じ1年生の三条高校の相手に負け、団体戦ではラケットを振ることが怖くなりビビッて負け。
2年生の時は、またしても三条高校の1年生相手に競り負けました。競り負けたと言っても、終盤になりファイナルを戦う中で、やっぱり私はプレッシャーに怯え、ビビッて負けたのでした。今、こうして書きながら、あの時の自分の小ささをはっきり思い出しました。
私は、極度のビビリーだった。
でも、私は ビビリーを克服した。ビビリーにならない方法を知ったから。
ビビリーって、もともとあるものじゃなくて、ビビリーの道へ自分が進んでいくからビビるんです。私はやっとわかりました。そして、ようやくそっちの道でなく、別な道へ自分を導くことができるようになりました。
今まで、県総体で1度も良い思い出はないけれど、そのことがあって今の自分がいる。
2度の失敗を3度目に成功に変えてみせます!
先生がおっしゃっていた「神様からの試練」
絶対に私にも来る。
今まで調子がいい時に、調子がいいままで終わったことなどないから、いつも一番大事な試合でやらかす。私に与えられた試練だと思えないで負けていく。だから超えられた試しがない。
「3度目の正直」ってよく言うけど、それなんだと思う。
今日の初戦、2年目の下里がビビリーですごく苦しんでる。去年の私のようだ。
それ、試練なんだよ、下里。
でも、さっきのミーティングで下里の決意を聞いたら、自分の弱さを逃げずに認めてるって感じた。認めて前へ進もうとしている意志を感じた。
そんな仲間たちと一緒に戦うんだ。
私だけが試練に向き合うんじゃない。
北越は「向き合うことから逃げないチーム」なんだ。
全員が向き合いながら戦っていることを忘れずに、明日は全力で闘います。
おやすみなさい。
(6月2日)
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すごい成長だと思います。
行間からあふれ出る自分への自信とプライド。それがあるからこその、弱さと向き合う後輩への強く温かい思いやり…。
超えてきた、とはまさにこのこと。
これだけで、須貝の北越での2年間は一生を照らす価値があるものだと思います。
迷える思春期に、こうして悩みもがき、悔しさに何度も涙しながら、自分と向き合い、自分を超えていく。もう翌日の勝ち負けなど取るに足りません。
こういう子供たちの挫折と成長と共に生きていけること、そして感動させてもらえること。そこに少しでもかかわれること、感謝しかありません。
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次の日、個人戦2日目。
第1シードだった須貝と高橋寧々、向かってくる相手に受けてしまった場面もありましたが、振り払うようにして決勝進出。
さらに、北越畑で2年目を迎えた苗たちが成長の証を見せてくれました。
特に、須貝がノートで呼びかけていた2年生の下里も、前日とは別人のように強気でラケットを振り切り、3位入賞。
インターハイのかかったベスト8決めは、昨年の県総体で自滅して敗れた中越高校の選手が相手でした。秋の県新人戦でもおびえてラケットが振れなくなった相手です。
3度目の正直!
圧倒しました。④ー0勝利。
2年生の下里・渡邉ペア、素晴らしいチャレンジと1年越しのリベンジを見せてくれました。
それから同じ2年生の安藤・冨樫、1、2年生ペアの吉澤・土橋も、インターハイ決定戦で上位シードをうち破ってのインターハイ出場!
2年生は「おまえたちが鍵になるんだ」という僕の言葉を心で受け取って、毎日2年生ミーティングを開いていました。そして去年の本間・入澤が掲げた「超えるべきは今、この瞬間」という横断幕を張って、その前で「3年生と一緒にインターハイ!」と誓い合って練習に入っていました。その日々が、一番大切な試合で花に結晶したように思います。
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さて、一方、決勝に進出した高橋・須貝でしたが、決勝では抜群のセンスを持つ中越高校のエースに全く立ち向かえずに0-④で敗退します。何もできずに終わってしまいました。
中越のエースは優勝まで失ゲームがたったの「1」。絶好調です。
3年生主体のライバル校は全力で団体優勝を狙って向かってくることが予想されました。厳しい戦いを覚悟しました。
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その夜のミーティング。
リーダーの提案で、それぞれの選手が誓いを紙に書いてみんなの前で発表しあいました。
須貝は「1試合1試合、やるべきことを全力でやりきって、勝利へ導く。」
高橋は「北越らしく、泥臭く、全力の気魄で戦う。絶対12連覇!」
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ここ1週間は特に苦しかった。
日に日に県総体が近づいてくるのに、はがれおちるように毎日何かがぶっ壊れる。
悩んでる2年生のサポートもしてあげられなかった。
「今年の県総体は赤信号」
今までの県総体を思い出し、また私で負けるのかと不安があった。
けど、絶対に最後の県総体はやりきりたい。
私が磨いてきた武器を全部使って挑もう。
そう誓って臨んだ昨日の個人戦。
1週間前の練習試合で絶好調だった寧々(高橋)の調子が悪い。
私は寧々をサポートするためにできることをすべてやった。
向かってこられて厳しい試合もあったが、何とか決勝進出。
中越のエースとの戦いだ。
今度こそ。
だけど、先生が伝えてくれた戦略を実行せずに、0-④で何もできず敗れた。
やれることをやらずに負けてきた自分に腹が立って腹が立って仕方なかった。
夜、「このままじゃ、私のチームがこの県総体で終了してしまう」
私の青春がこんなんで終わり。
絶対ありえない。
もう、シンプルに雑念を全て捨てて、向かっていこう、そう誓った。
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団体戦当日。
キャプテン七瀬が決めたチームスローガン。
「ベストで向かって来い! それをベストで跳ね返す!」
その気持ちで臨んだ。
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3回戦、前日の個人戦でIH出場を2ペア決めた三条高校。
厳しい戦いになる、そういう予感がした。
2面同時展開。
風が強い中、相手はラケットを振って向かってきた。
少し私たちは受けてしまって、ゲームカウント1-2。
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競り合っている最中、隣のコートで、安藤・冨樫が敵のエースに敗退した。
後がない。
正直、怖かった。
先生が落ち着かせてくれた。
「リードされたと言っても、すべて風が強い中で風下のゲームを取り合っている状況。
落ち着いて、これからの風下の2ゲームをしっかり攻めて取っておいで。」
これで落ち着けた。
寧々と目を見合わせながら、1本1本。
丁寧にしっかり攻め続けた。
敵のミスが増えてきた。
そのまま④ー2で勝利。
キャプテンペアに3番勝負を託した。
もう夢中だった。
あんなに声を出して、心のすべてのエネルギーを捧げて、一つになって応援したことが今までにあっただろうか。
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全員、気持ちは一つだった。
ベストで来い! それをベストで跳ね返す!
向かってきた三条高校を、チームで跳ね返した。
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決勝戦。
予想通り、中越高校。
オーダーは第2対戦で、昨日1ゲームも取れずに負けた中越のエース。
絶対にこうなると思っていた。
二度と昨日のような思いはするもんか。
やるべきことをやってチームを優勝させるんだ。
まっすぐに、それだけ。
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今日は先生からアドバイスされた戦略を最初からやりつづけた。
ミスもあったが、ポイントした方が圧倒的に多かった。
G2-0リード。
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私たちは試された。
リードしてチャラいことをする。
リードして安心する。
それが今までの私たち。
絶対、そっちの方へ行くもんか!
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デュースアゲインが繰り返される。
どちらにもゲームポイントがあった。
向こうも必死だ。
私達は何回アドバンテージを逃したんだろう。
それでも前へ出続けた。気持ちが退くことはなかった。
そして、前へ出た私の後ろに中ロブが上がった。
苦しい体勢だったが、後ろに大きくジャンプしながらラケットを振った。
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アウトかと思ったが、線審は真っ直ぐに右手を伸ばした。
⑩ー8で第3ゲームゲット!!
G3-0。
私たちは試練を超えた。
昨日の個人戦決勝で0-④で負けた敵のエースに、団体の決勝で④ー0のリベンジ。
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隣では、ここまで勝ってなかった安藤・冨樫(2年生ペア)が必死で戦っていた。
G2-2のP0-3の劣勢から、1本1本追いついてデュース。
今までの安藤・冨樫には絶対なかった姿だ。
そのままゲームを取ってG3-2。
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さあ、第6ゲーム。
ずっと、この二人が課題にしてきた第6ゲーム。
強かった。
練習通りやりきった!
最後は嬉しすぎて、必死すぎて、よくわからない。
私たちは涙の中、12連覇を果たした。
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先生、ありがとうございました。
先生方の支えがあって、12連覇を果たすことができました。
本当にギリギリまで、色々ぶっ壊れがあり、ペア間の意思疎通とか、いろいろあったけど、一つひとつ乗り越えていったのは、諦めないで励まし続けてくれた先生方のおかげです。
そして、みんな、本当にありがとう。
選手だけじゃなく、ベンチの全力応援。
たくさん応援に来てくれた先輩たち、コーチ、そして親たち。
みんなみんな黄色いTシャツを着て、一緒に戦ってくれた。
私たちは青春のど真ん中にいた。
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そして、この青春は夏の北海道に続く。
1日1日、貴重な日々を精一杯生き続けます。
(6月4日)
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2023 県総体のドラマ
最後にペアの高橋寧々のノートと、僕の返事で終えます。
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最後の県総体。
最後の最後でベストを出せた。
今日1日、本当に苦しかった。
昨日の決勝戦の不甲斐ない試合から立ち直れず、朝の会場練習でも全くダメだった。
昨日の夕方、わざわざコート借りて調整してもらったのに、得意なはずのストロークが不安定すぎた。でも落ち込んでいても何も始まらない。とにかくいいイメージを取り戻したかった。一人でノート見てイメージトレーニングを繰り返して試合に臨んだ。
一番苦しかったのはベスト4決めの三条高校戦。
向かってきた相手にG1-2でリードされた場面。
でも昨日と違って、今日は須貝の目をしっかり見て須貝の言葉を心で受け止めながら戦えた。須貝の目はまっすぐで、私に勇気をくれた。何度も何度も助けてもらいました。
準決勝の村上戦からやっと自分の身体が戻ってきた感じで、狙ったコースに打ち切ることができてきた。
決勝戦は、ほぼ思い描いた通りの戦いで昨日のリベンジを果たせた。
私に力を与えてくれたのは北越の団体戦。
苦しい中で私が復活できたのは、絶対にチームのおかげだ。
チームとして、どんなに相手が向かってこようとも、それをもっと超えて跳ね返すエネルギーがあった。
私は今まで、苦しくなると人の目を見れなくなって、ひとりで閉じこもってすべてが崩れて負けていった。でも、今日はその自分と戦いつづけて打ち克った気がする。
先生、私が苦しすぎた時、駐車場で声をかけてくれてありがとうございました。
イメトレを修正してくれて、勇気をもらって、戦いつづけられました。
今まで私が厳しいことを伝えてきた2年生が大事な場面で勝利をもたらしてくれた。
チームの応援、先生方のアドバイス、私は団体戦で復活できました。
本当にありがとうございました。
私、もっと強くなります。
絶対に去年みたいなIHにしたくない。
自分を超えて、自己ベストで戦えるよう頑張ります!
(高橋寧々 6月4日)
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寧々、おめでとう。
僕が強く感じたのは、本当にダメダメな状態でも、自分を投げ出さない、自分を諦めない寧々の姿です。
1年生の時から、君は苦しい場面ではすぐに逃げた。
強引に点をほしがったり、無意味に前に出て失点したり、カッティングに逃げたり…
日常生活でもそうだったね。超えるべき時なのに、甘い方向に自分を逃がす。
でも、今日は違ったね。
成長したな、寧々。
おまえとしても、チームとしても一番苦しかった三条戦。
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おまえはあのベンチワークの1分間、決して下をむかず目が泳ぐこともなく、まっすぐにこっちを見て、俺のアドバイスを受け止めた。
そして、自分でではなく、ペアでチームの願いを力にして、苦境を超えていったね。
だから、決勝戦の圧勝につながったんだと思うよ。
君を誇りに思います。
全勝したからではありません。
苦境から逃げなかった君にです。