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2023年11月 8日 (水)

DREAM FACTORY 2023 秋

2023秋

チーム北越の秋 紅葉見頃!!

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越後の山も色づいてきました。

人の立場から見れば紅葉ですが、木の立場からすれば、冬を前にして自分をそぎ落とす作業です。

夏に光合成で蓄えた力は幹の中で貯蔵されているだけなのでしょうか。そうではなく、一冬かけて春や夏に美しく花を咲かせ、新たな命を育む力として変換されているのではないでしょうか。

チーム北越も、紅葉が真っ盛りです。

北越の秋は、今年も「もがきの秋」。

自分と向き合い、自分をそぎ落とす「落葉」の時期です。

毎年、秋に自分の弱さが露わになるのはうちだけですか?

不思議です。偶然とは思えないです。

そこにある必然とは何でしょう。

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やっぱり、成長期の命たちにも、高みを目指せば目指すほど、「秋」が必要なのだと思います。

幼い自分と向き合い、弱さと向き合い、半端な自分をそぎ落とし、心は成長していくのでしょう。

それを見守り、前を向かせていくのは、今年も3年生です。

1年前、2年前、2度の秋を過ごした3年生にはこの時期の大切さが痛いほどわかります。そして、自分と向き合うことの難しさとその価値も身をもって理解しています。

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凛は、まだバック側の動きが硬くなっていました。

「2日間よかったから」って、それ自分が努力しなくていいっていう「言い訳」だよ。

まだ自動化なんてしていない。

凛は私と似た思考があって、多分、少しできると「できた」って油断する。

そのスキル練習をやっている時には油断なんてしていない。

そのことって、最近、私が気づいたことなんだ。

私も現役の時、よく「油断」って言われてて、「油断なんてしてないし、むしろ意識してるのに、それでもスキルが不安定になるんだ」って心の中で反論してた。

でも、これを別な場面に置き換えると

授業で教わった時には集中して聞いていてわかった。けどそのあと復習をいい加減にしかしてなくて、テスト当日「授業でわかったはずなのに、いま精一杯頑張ってるけど解けなくて困ってる」って言ってるのに等しい。

私の反論は反論じゃない。日頃の努力がないか、努力の的が外れているか、そこに目を向けないで、当日うまくいかないことに対して「言い訳」しているにすぎない。

身につくまでの努力が大切、それはわかってると思うけど、自分が思っているよりも「新たなスキルができた」→「自分に身についた」までの継続は難しいってこと。

毎日って、実は面倒くさいし、疲れて眠くてやりたくないなぁと思うこともある。うまくいかなくてモチベーションが下がってるときもある。

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でも、そこなんだよ。そういう時に「継続」できるかが「身につく」かどうかの分かれ道なんだよ。努力ってモチベーションが上がってる時とかうまくいってるときに必要なものじゃない。逆にしんどいなぁって時に必要なものなんだよ。

凛は努力できる子だ。

でもそういう時に「継続」できているだろうか。

できていたら言い訳なんてしない。自分が未熟なこと知ってるから。

その力をつけてほしい。

最後のインターハイ、やっぱり、私たちみたいに終わってほしくないんだ。

(3年 須貝若菜)

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後輩たちが「自分では自分の質(たち=自然と現れてしまう弱さ)と向き合ってるつもりだけど…」という気持ちはわからないわけじゃない。

北越の畑では自分の質を直視することが成長へのスタート。そこから長い「戦い」が始まる。たくさん失敗して、学んで、でもまた失敗して、また学んで、の繰り返しだ。

かつて、自分も何度も失敗した。

私の質=「お嬢様」を脱却できたのは間違いなく菜月先輩(斎藤菜月)のおかげだ。

菜月先輩は厳しかった。そして優しかった。どこまでも私の質につきあってくれて、向き合うことの難しさと大切さを根気強く教えてくれた。

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昔のノートを見返してみた。

いつも受け身で、自分で気づけず、先輩や同輩が先に動いてやってくれる。

自分ではやっているつもりだけど、基本的にその「つもり」が自己満足。

自分に問題意識を持つことがないから、何かを変えていこうと思えない。

これを先生は「お嬢様体質」と名付けてくれた。

自分の超えるべき壁に名前をもらってから、自分で「これか!こういうことか!」って自覚するまで約3ヶ月もかかった。

そこから「お嬢様」を抱えながら2年生になって、秋から新チームの部長も任せられながら、最終的に後輩を指導するようになって完全脱却した。

最近、ずっと田口に言っていること。それは、かつて自分がそうだったことだ。

ノートを振り返ってみればよくわかる。私だって…

 相手の気持ちを考える→×

 周りを見て判断、行動する→×

 コミュニケーションをとって自分に気づかないところを学ぶ→×

 すぐ動画に頼ってわかった気になる→×

 お嬢様行動を振り返る→×

ひどかった。何にもわかっていなかった。

コート上での自分、家での自分、帰り道 毎日のように振り返った。

先輩から伝えてもらったことをテニスノートに書かなかったり、私の場合は持久力が「赤点」だったから自主練したり、無責任さと戦って自分の日々を振り返ったり…

たくさんたくさん私も失敗して、それでも先輩たちは見捨てないで本気でつきあってくれた。

だから、私も最後までつきあっていく。根気強く。粘り強く。

(3年 宮川葵)

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夏に県外からいくつかのチームが合同合宿に来てくれます。若い指導者の方が一様に驚くのが北越の3年生の姿です。

宮川葵は中学からテニスを始めて、中学時代の実績ゼロで北越に入ってきた子です。懐かしいですね「お嬢様」。

「超えていくべき壁が自分の中にある」、頭じゃわからなくはないけど、実際にそれを自覚して超えて行こうとする意志を固めるのが至難の業です。

心理学で有名なアドラーは「変わることの第一歩は知ることにある」と言っています。

超えて行くべきものが何なのかわからなければ、人は超えて行きません。ラクな方が楽ちんですから。でも、それでは心の成長はありません。

最近は、自分で「超えていくべきもの」に気づける子は稀ですね。示してあげるしかありません。

宮川の辿った道は、まさにアドラー心理学の王道です。

アドラー心理学では人の性格や気質のことを「ライフスタイル」と呼んでいます。

この捉え方は自分の気質や弱さを考える上で革命的な転換をもたらしてくれます。

自分の弱さや悩みは「スタイル」として自分で選び続けているがゆえに、あなたのライフスタイルとして定着しているだけで、あなたが自分を「勇気づけ」て別の考え方や見方に基づいてこれまでのスタイルと違うスタイルを選択し続ければ、新しいライフスタイルが徐々に自分のスタイルになっていく。

つまり、人は生まれつきの性格やトラウマなどによって心の在り方を決定づけられているわけではなく、「人は変われる!」のだ、という希望の心理学なのです。

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宮川が「お嬢様」を超えていった過程は、まさに新しい「ライフスタイル」を手に入れたということです。

前々回「2023初夏」で載せた話、「極度のビビリー」と自覚していた須貝が3年になって「私はビビリーを克服した。ビビリーにならない方法を知ったから」と力強く言えるようになったのも同じことです。

僕は高校3年生が最後の大会で部活を完全引退するのは、とてももったいないと思っています。人は人を育てて自分も成長する生き物です。これは毎年見ていて強く確信します。受験で一時期離れたとしても、週に1回は後輩の指導をする、それだけでも大きな精神的成長が得られると思います。

北越の「恩送り」は先輩からもらった「恩」を後輩に送るだけではありません。先輩がどんな心で自分に愛情を注いでくれたのか、愛情に裏打ちされた厳しさに思い至る時間でもあります。

今、3年生が一番気にかけているのが、部長の冨樫凛です。

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凛はこのチームの部長。

部長が自分に甘くてどうするの。

やっぱ北越の部長として、誰よりも誠実に誰よりも自分に厳しく生きてほしい。

このチームのリーダーなんだから、その責任の中で強くなってほしい。

自分と向き合うのはきつい。

私もわからなかった。

何かうまくいかなくなったり、壁にぶつかったりするとすぐ体調を崩していた。

体調の問題にして、自分と向き合うことを避けていた。

3年になって、エースとしての自覚が芽生え、少々体調が悪くたってコートに立つ責任を自覚できたら、体調に負けなくなった。すべて自分の心の弱さから来ていたんだ、だから厳しい場面で逃げていたんだってわかったのが3年になってから。

幼かった…私も。

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帰りのバスの中で凛とちゃんと話した。

中心選手としての自立。

部長という存在の自覚と責任。

頑張れ、凛。

私みたいに「3年になってから…」って言わせたくない。

卒業まで私たちも全力でサポートするよ!

超えていけ、超えていけ、凛!

(3年 高橋寧々)

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寧々と二人で凛と話していて驚いたのは、簡単に妥協案を口にする姿だ。

私には「甘え」だとしか思えなかった。

今日の朝と同じだと思う。

「私はそれが精一杯でやれませんでした。」

いやいや、でも、みんなやってるじゃん! 1年生もやってるじゃん!

部長がそれ言う?

凛はまだ自分中心で世界を回してる。

それから、今日、私が見つけたこと、それは凛はヨッシーに甘えているんじゃないか、ということ。

後輩と組んでいる以上、自分の弱さをダダ漏れで後輩にさらしていいわけじゃない。

それを「ペア力」だとか、コミュニケーションだとか言ってるように見える。

そうじゃないよ。

弱さはいい。人は誰もが弱い。

ただ、自分で乗り越えろ!

「ヨッシーごめん!」ってキリッと言って、ダッシュするでも、開き直って声だしするでも、一人で苦しんで帰って来い!

強くなる近道はない。

コツもない。

孤独から逃げずに、一人で戦って強くなれ!

私たちはただ、信じて見守っている。

(3年 須貝若菜)

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県新人戦 R05.10.22 in柏崎市

 1位 下里鼓・渡邉七瀬

 2位 冨樫凛・吉澤茉子

  ※シングルスは荒天により今年は中止になりました。

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チーム北越、今年も自分と向き合い、自分を超えて成長していきます!

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