HOKUETSU Spirits 2020 ~つなぐ~
8月10日。チーム北越7人の3年生が最後を迎えました。
加藤 洸太郎、久保田 貢巧、小林 匠、佐藤 陽太、高田 玲音、八木澤 爽空、山崎 隼人。この7人は本当に面白いメンバーでした。テニスを心から愛し、テニスができることを誰よりも喜び、どんなに苦しいときでも笑顔でテニスと向き合いました。
昨年の宮崎インターハイ、加藤、佐藤、八木澤の3名はそれぞれ上級生と組んで出場しました。佐藤は個人戦の1回戦を突破しましたし、加藤、八木澤は団体メンバーとして新潟県勢8年ぶりの1回戦突破に貢献しました。
インドアのシーズンに入り、県選抜大会では久保田が全勝で優勝に大きく貢献、高田は誰よりも大きな声でチームを鼓舞しました。
最後の春、山崎と小林は新しい陣形にチャレンジすることを決め、誰よりもストイックに自主練習にも取り組みました。
何度も衝突はあったでしょう。テニスを辞めたくなった者もいたでしょう。しかし最後まで全員で戦いきりました。
私がチーム北越の監督として一番大切にしていることは、チームが目標を達成するために選手一人一人が考え、行動できる人材を育成するということです。チームの勝利はその先にあるものであり、「勝てればいい」とは考えません。
高校での3年間は、あっという間に過ぎていきます。しかし、とても濃密で、大きく成長することができます。大人への階段を登るために重要な3年間だと思っています。「他人のために」「仲間のために」という、自分よりも他者に目を向けることで成長を実感できる貴重な時間だと言えます。
入学当時、彼らは本当に幼かった。「自分のこと」が最初にきてしまう選手は、苦しい戦いを絶対に乗り越えられません。戦うことを恐れ、自滅し、後悔だけが残るような試合をしてしまいます。最初の地区大会、県総体はまさにそんな戦いでした。そこから自分自身の弱さと向き合い、理解し、他者のために行動できるようになると変化が訪れます。2年目の春、上級生と組んでインターハイを決めた3人はそういう成長が早かったように思います。その後、後輩と組むようになった久保田や高田はペアとのコミュニケーションを取っていく中で「仲間のために」という意識が芽生え、秋以降に大きく成長しました。また、チームの中で部員の学校生活を管理し、敢えてチームに厳しいことを言い続けてきた山崎、逆に己の未熟さからチームに迷惑をかけたことで、客観的に自分自身を見つめることができるようになった小林も冬の期間に大きく成長しました。
きっかけはなんでもいいのです。どんな出来事であっても自分の甘さや弱さに気づき、行動の変革が起これば、それは「成長」であり、大きな価値があると思っています。
心の成長にはいくつも壁が立ちはだかります。苦しいときは何度も訪れます。一人で乗り越えられない壁もあるかもしれません。そのときに支えてくれるのも「仲間」なのだと思います。
みんなで乗り越えたからこそ、最高の笑顔で最後を迎えられたのだと思います。君たちの意思を受け継ぎ、後輩たちは今日も戦います。