HOKUETSU Spirits 2024 ~結果と経過~
高橋・高澤 奪還!
早川・髙橋も決勝進出!
いつまでも夏の暑さが終わらない、記録的な残暑の今年でしたが、いよいよ秋めいてきました。
10月19日、20日。上越にて新人戦が行われました。
北越からは5ペアが出場。2回戦を突破すれば県インドアへの出場権を得られるとあり、大会は序盤から緊迫した雰囲気を漂わせていました。
大会1週間前の練習中に怪我をした丸山との選手変更で急遽組むことになった久保田と齋藤。県インドアへの出場権を賭けた戦いは第3シードで春の県総体ベスト8、秋の上越地区大会を優勝したペアとの対戦です。
久保田は秋地区が終わってから、相手の打球力に負けないストローク力と、苦しくなると楽な選択肢に逃げる弱い心からの脱却を手に入れるため、練習を根本から見直してきました。齋藤も秋地区の敗退を機に、「最後の1年」への向き合い方を見つめてきました。
試合は序盤、リスクを減らした戦いをしてくる相手に対して、徹底抗戦。久保田は長いラリーのなかで相手のミスを誘い、チャンスとあらばミスを怖がらずに全力で打ち込みました。齋藤も積極的にネットプレーをしかけ得点を積み上げました。
中盤からはこちらの攻撃もなかなか決まらず膠着状態に陥りますが、それでも攻め続けてリードを奪うと、終盤には齋藤のボレーが相手の打球を完璧にとらえました。
まさかの大金星。まさに万馬券を当てたような勝利でした。
対して相澤・稲垣。2回戦は順当に勝ちましたが、続く3回戦ではまったく戦えませんでした。強引に打ったボールは前衛につかまり、ミスを怖がったロブはことごとくアウト。まったく戦いになりませんでした。
結果とは、その瞬間の努力だけでついてくるものではありません。授業をちゃんと聞いて、予習と復習を欠かさず、そしてしっかりテスト勉強をするから良い点数をとることができます。テスト直前の一夜漬けの努力では、それに見合う程度の結果しか得られません。ましてやテストのときだけ頑張ったところで何の結果も得られないでしょう。過去をどう過ごしたかで結果は決まるものです。そして、この結果から今後どのように行動し未来を変えていくか。
久保田・齋藤には、確かに運がありました。しかし、運だけで勝てる相手ではありません。自分自身の壁を越えるための努力を積み重ねてきたからこそつかみ取った結果だと思います。逆に相澤・稲垣にはおごりや甘え、妥協があったのでしょう。練習をさぼっていたとは思いませんが、「真の本気」ではなかったということだと思います。この敗戦から何を学び、何を得るか。そして「真の本気」になることができるか。相澤は2年前、北越でテニスがしたいと両親を説得し、自らの意思で北越の一員になりました。相澤の心の底に眠る情熱が再び燃え上がるきっかけとなってほしいと願います。
今回は1つ成長して、課題もたくさん見つかった大会だった。これからは団体戦も始まる。今までよりも練習時間が短くなるから工夫した練習が必要になる。練習時間を大切にして、1つ1つ集中して練習をして、団体メンバーに入りたい。個人戦でも今回の勝ちがたまたまにならないようにする。(齋藤暖太)
ダブルスに負けたあと、先生に今まで妥協している部分が多かったんじゃないかって言われた。振り返ってみると、練習中でも普段の生活でも、妥協しているところは多くあると思った。これからは県インドアに向けて妥協しているところを自分に厳しくして直していく。(稲垣尋斗)
自分の脆さが出た大会だった。大会前の練習では、練習してはいたが「これでいいだろ」や「これ出来るからやらなくていいや」で練習していることが多かった。練習は出来ないことを出来るように変えていくこと。自分は出来ないことを出来ないまま、出来たつもりでいた。それがそのまま試合に出てしまった。もうこのようなことは絶対にしない。この先、インドアシーズンに入れば、練習時間は限られてくる。1日1日の練習を無駄にしていては勝てない。団体メンバーとしての自覚も必要。久保田は結果を残し、自分を追い越そうとしてくるだろう。自分はこのままではいけない。1日1日をこだわって練習していく。2年生として、副部長として、団体メンバーの一員として、自覚と責任をもって頑張りたい。(相澤郁未)
第6シード、第7シードにはそれぞれ早川・髙橋、加藤・伊藤が入りました。両ペアとも順当にベスト8まで勝ち上がりました。早川・髙橋の準々決勝は巻高校の2番手。序盤は相手を圧倒していきます。中盤に力が入りすぎて競った場面もありましたが、最後はしっかりと勝ち切りベスト4に進出。加藤・伊藤の準々決勝は中越のエースペアとの対戦。徹底して攻める加藤・伊藤と、じっくり勝負をうかがう中越ペアという戦いでしたが、勝負どころでのミスが響きました。あと一歩届かず準々決勝敗退となりました。伊藤は中学時代に目立った戦績のない選手ですが、長けた運動能力と愚直に基礎練習を積み重ねる性格で飛躍的に成長しています。まだまだ伸びます。これからの北越を担う選手になることは間違いありません。加藤も、もともと能力の高い選手ですが、そこに勝ちたいという欲求と、それを叶えるための努力が積みあがってきました。まだまだ長い道のりだとは思いますが、スケールの大きな選手になってくれることを期待しています。
1ゲーム目、レシーブゲームは積極的に攻め、ゲームをとることができた。2ゲーム目は相手のレシーブを攻めきろうという気持ちで入った。しかし、ラリーになると自分たちのミスでゲームをとられてしまった。3、4ゲーム目は気持ち的に守りになってしまった。自分が後衛のボールを取りにいけていれば試合はもっと変わっていた。1回のミスを恐れて、そこから全然勝負にいけなかった。もっと技術的なことも強化していかないといけないが、大事な場面、勝負どころでのメンタルを強化していかないといけないと感じた。(伊藤智悠)
今回はベスト8だった。今の自分に出せる実力は出し切れたんじゃないかなと思う。最後まで攻め続ける気持ちで向かっていくことを忘れずにできた。ダブル前衛やカットサーブからの展開やラリー中の仕掛けはできたけどまだまだ改善していかなければいけない。これから団体、チームとしての戦いになる。高橋・高澤、早川・髙橋に頼るのではなく、自分が勝つんだという気持ちを忘れない。(加藤玲音斗)
加藤・伊藤に勝った中越のエースと早川・髙橋の準決勝。互いにサービスゲームを奪いG2-2となりますが、5ゲーム目のレシーブゲームを攻め切ってリードし、最後は髙橋が相手のロブをベースラインまで追いかけ、渾身のスマッシュを叩き込みました。終始攻める姿勢を持ち続けた2人が1年生にして決勝進出を達成しました。
第1シードの高橋・高澤は、順当に勝ち進みました。大会前からコンディションは悪く、当日も調子は上がらず、やりたいことはほとんど出来なかったように感じますが、それでも負けないテニスをすることができるのがこの2人です。1プレー1プレーで意思疎通を図り最適解を探しながら戦いました。準決勝までの5試合で2ゲーム以上とられた試合はなく、終始ペースを握り続けて決勝までたどり着きました。
県大会の決勝を同校対決にできたのはおよそ3年半ぶり。久しぶりの光景でした。決勝戦は、またしても高橋・高澤が早川・髙橋をまったく寄せ付けない戦いをみせて圧勝。昨年はこの大会をベスト8で負けています。見事にリベンジを達成しました。
新潟の秋は短い。あっという間に冬がやってきます。選抜に向けた戦いはもうすぐです。きっと他校は打倒北越で向かってくるに違いありません。苦しい場面はたくさんあるでしょう。越えなければならない壁は何度もやってくるでしょう。
目を背けず、妥協せず。全国で戦えるチームをつくっていきます。
今大会も、多くの保護者の皆様に支えていただきました。ありがとうございました。これからも応援よろしくお願いいたします。また、私が国体で不在にしているなか、練習相手をしていただいた学校関係者の皆様にも、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。
北越では練習メニューは選手たちが決めていますが、現在はその都度練習を考察し、アップデートしています。決まりきった練習はほとんどなく、選手たちそれぞれが意見を言い合い、毎日新しい練習を考案しています。頻繁に全体ミーティングやポジションごとのミーティングが行われ、練習内容を決めています。考えていたようには出来ないこともありますが、たくさんのトライ&エラーを繰り返し、視野も広がり、思考力も少しずつですが高まってきたように感じます。
今大会でも多くの成果と、それよりも多くの課題ができました。課題とは言い換えれば弱点。チームとしての弱点を、これからの練習に反映させていけるか。よりよい練習をつくることができるか。彼らの更なる成長が求められます。