HOKUETSU Spirits 2025 ~最後の戦い~
3年生の最後の戦い この思いは決して忘れない
チーム高澤の最後の戦い、山口インターハイ。
7月25日から始まった個人戦は高橋・高澤、早川・髙橋奈、髙橋泰・山澤の3ペアが出場しました。
まずは県総体を5位で通過した髙橋・山澤。1回戦を突破し、ハイスクールジャパンカップで3位に入賞したペアと対戦しました。事前にどういうペアかを調べ、強みを出させないことを徹底した戦略をとりました。終始北越のペースで戦い続けて4-0。続く3回戦は超強豪、東北高校のレギュラー。この試合も先に攻めていくことを徹底しましたが、相手の守備力をこじ開けることができませんでした。残念ながら3回戦敗退となりましたが、1年生ペアでここまで来られたのは大きな収穫。次のシーズンに大きく期待できる結果となりました。
続いて早川・髙橋。県総体では2位。6月に行われた北信越大会の個人戦でも準優勝し、いよいよ北越の新エースとして期待したいペアですが、7月から調子を上げていくことができず、不安な中でインターハイを迎えました。初戦となった2回戦ではリードしたところから追いつかれファイナルへ。なんとか粘ってこの試合を勝利しますが、そのような状態で戦うのは、この2回戦が限界でした。続く3回戦では力み、焦り、凡ミスからの自滅で勝利をつかみ取ることはできませんでした。
そして高橋・高澤。春の全国選抜のあと、この2人とは明確に日本一を目指そうと話し合い、このインターハイに向けて準備していきました。ひとつひとつのプレーの精度をあげ、攻撃の手札を増やし、自分たちの得意な形に持ち込むための戦術を研究していきました。すべてが計画通りいったわけではありませんでしたが、日本一にチャレンジできるだけの力は持っていたと思っています。しかし、思いもよらないところに落とし穴がありました。5回戦、対戦相手は石川県の能登高校。冬の北信越大会で対戦し完勝。春の北信越では早川・髙橋が勝利していたペアで、十分に勝てると踏んで送り出しました。しかし、相手の攻める気持ちに受けてしまうテニスになってしまいました。なんとか対応していきながら戦いましたが後手後手になってしまい差を詰められません。最後まで相手から主導権を奪うことができず、敗退してしまいました。
敗戦の悔しさが消えることはありませんでしたが、いつまでも落ち込んでいられません。翌日は団体戦。このチームはインターハイでベスト8に入ることを目標に、この1年を戦ってきました。場所を移動し、最後の練習を行いました。
いよいよインターハイ最終日、団体戦。1回戦の相手は滋賀県代表綾羽高校。ここに勝てば、次は東北高校との対戦が決まっています。目標を達成するためには、越えなければならない相手です。組み合わせが出たときから、春の選抜で負けた東北高校にリベンジするチャンスだと話し合い、心を燃やしながらこの日を目指してきました。
しかし、チーム高澤は、東北高校にたどり着くことなく最後を迎えました。
第1対戦に出た加藤・山澤ペア。加藤の攻撃力に懸け、このペアの準備をしてきました。この起用はばっちりハマりました。2人のアグレッシブな攻撃が相手をよせつけず4-0。第2対戦につなぎます。
そしてエース高橋・高澤。絶対の信頼をもって送り出したペアでしたが、3-1からまさかの逆転負け。昨日の敗戦を引きずったのか、本調子とは言い難いプレーでした。
第3対戦は早川・髙橋奈。この2人も続く不調を乗り越えることができずに2-4で敗退。最後はまたしても自滅で勝負から降りてしまいました。
ベスト8を目標にしていた私たちにとって、あまりにも早い敗戦。気持ちを整理するのに時間がかかりました。何が間違っていたのか、どこでボタンを掛け違えたのか。
応援してくださった多くの皆様、本当に申し訳ございません。皆様の応援を力に替えることができませんでした。宇部の地で満開の花を咲かせることはできませんでした。
敗戦後、最後のチームミーティングを終えてから、上位の試合を観戦しました。この場で躍動するチームの姿をみて、どうすればこの場に立てるだろう、何が足りないのだろう、と考えました。まだ答えは出ませんが、その答えを探して、次のシーズンを戦いたいと思います。
最後のチームミーティングで、外部コーチを務めてもらっている中井氏より次のようなコメントをもらいました。
「高橋、高澤が北越に入った当初の新潟は弱かった。インターハイ個人戦で初戦を勝ったのは高橋・高澤のみ。それ以外は出場しただけ。それが今年は4ペアが初戦を突破し、何ペアが2日目に残るんだ?という状況になった。団体でもベスト8を目指して、だけど1回戦で負けて。負けたことにこんなに悔しがれるようになった。この2人が新潟のレベルを間違いなく上げた。そしてもう2人の3年生、相澤と齋藤が高橋と高澤を支えた。この4人だったから、新潟のレベルはここまでになった。そして、その思いを受け継ぐ1、2年生が、北越にはこれだけいる。」
高橋と高澤が中学3年生のころ。この2人を含めた新潟県選抜は全国でベスト4。夏の全中にも、もちろん出場し、高橋はベスト16、高澤もベスト32。県外強豪校からいくつも誘いがくるような全国的に有名な選手でした。一緒に切磋琢磨した仲間たちが県外の学校に進学を決めるなか、この2人は悩みに悩んで北越への進学を決めてくれました。「新潟を強くしたい」という信念、覚悟をもって北越に来てくれました。
最初の年に県総体を団体、個人とも優勝。北信越でも優勝。7年ぶりに全国選抜にも導いてくれました。2年目にはハイジャパで3位、インターハイでベスト16。2年連続で全国選抜にも連れてきてくれました。新潟の歴史を次々と塗り替えてくれました。3年目は県総体3連覇という偉業を達成し、苦しみながらもインターハイベスト32。
個人日本一。団体ベスト8。無謀とも思える目標だったかもしれませんが、彼らがいたからこそ無謀ではありませんでした。本気でそこを目指しました。この3年生たちがいたからこそ、今の1、2年生たちは北越に集まりました。このインターハイの地に立った1、2年生は全部で5人。高橋、高澤、相澤、斎藤の思いを継ぐ後輩たちが次のインターハイで、雪辱を果たします。
高橋憐依、高澤颯、相澤郁未、斎藤暖太。君たちは本当に多くの、かけがえのない宝物を北越に、そして新潟に残してくれた。悔しい思いで最後のインターハイを終わらせてしまって申し訳ない。残された後輩たちが君たちの成績を超えることで、君たちへの恩返しとさせてもらいたい。北越高校男子ソフトテニス部の歴史の中に、君たちの功績はいつまでも輝き残るでしょう。
北越に来てくれて、本当にありがとう。一緒にテニスができたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。