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2020年1月22日 (水)

Dream Factory 2020 新春

北信越選抜大会 2年ぶりの優勝

3年連続で全国選抜へ

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ONE TEAMで戦い切った。

今でも信じられない思いだ。こんな弱小チームが北信越優勝なんて。

1年の星野、高橋、鷲尾、高野。本当にやってくれた。

福井商業に敗れて崖っぷちに立たされた後の高岡西戦。1年ペアの星野・高橋が追いつかれそうになりながらも勝ち切って、私たち2年生に回してくれた。そこでの3番勝負。なぜか北越の声しか聞こえてこない。先生、チーム、家族の思いを信じて戦い切った。

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そして最終戦の能登高校戦。3番勝負で、敵のエースと戦うことになった鷲尾・高野。一進一退の序盤~中盤、そしてファイナルゲームでの1本1本。そのすべてが攻めの姿勢で貫かれていた。その1球1球すべてに私は心を持っていかれた。攻めの思考回路が完璧だった。ありがとう、高野、鷲尾。

福井商業戦で自分のクソが出てチームを崖っぷちに追い込んでしまったけど、それを1年生が救ってくれた。一つひとつの戦いをチーム一丸で戦うことができた。このチームで全国を戦えること。このチームが3月末まで続くこと。それが何より嬉しい。(2年キャプテン 鈴木唯香)

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勝ちに不思議な勝ちあり 負けに不思議な負けなし

知将 野村監督の名言ですが、今回の北信越選抜優勝はまさにこの言葉通りの勝利で、ちょっと説明できないのです。04

北信越5県の1位校がリーグ戦で戦う形で、初戦は長野県代表の長野俊英高校。第1対戦で敗れ第2対戦も敵のマッチポイントが3回ほどあったでしょうか。初戦から薄氷の勝利でした。続く第2戦の福井商業戦は1年生星野と2年生佐藤のペアでエースを倒したのですが、他の2ペアは途中で萎れたような負けで1-2敗退。

第3戦はそこまで全勝の富山県高岡西高校。負ければ1勝2敗となり全国は限りなく遠くなります。しかし北越はここから驚異的な執念を見せるのです。12_2

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敵のエースにはこちらの高野・鷲尾の1年生ペアが瞬殺されますが、星野・高橋の1年生ペアが後がない状況を逆に力にするかのような勢いでG3-0リード。そこから巻き返しを図る高岡西に2-3と迫られますが、そこを振り切って勝利。3番勝負、2年生ペアの鈴木・佐藤に託します。

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今年の夏まで全く戦えなかった鈴木・佐藤でしたが、自分と向き合うことを通じてこのような場面で強さを表現できるようになっていました。緊迫したラリーの応酬が最後まで続きましたが、ファイナルの末、競り勝って、全国への命をつなぎました。

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最終戦の相手はそこまで2勝1敗で、負けても3位以上を確定させている石川県能登高校。北越も2勝1敗ですが星取の関係で、負ければ4位で全国大会への夢は途切れます。しかし勝利すれば優勝というまさに「天国と地獄」の戦いです。この北信越選抜のリーグ、そして毎年のブロック国体でも同じ形式でリーグを戦いますが、「勝てば優勝、負ければ4位」という状況で最終戦を戦うのは初めての経験でした。

それなら開き直れたからだろう、と普通は思いますし、確かにそういう部分はあったでしょう。しかし、能登の選手たちはジュニアから鍛えられて「有名」な選手たちで、しかもオーダーは敵が3番手に石川県の個人準優勝のペアを置く布陣。こちらの3番手はここまで全敗で中学時代の実績もない1年生ペア。3番に回れば石川絶対有利の状況です。そして3番勝負になったのですから、いくら開き直ったと言っても、これは奇跡でも起こらない限り勝利はないと、普通は思います。

その勝負を高野・鷲尾は互角に渡り合い、マッチゲームを握られても取り返してファイナルに追いつき、ファイナルも弛むことなくすべて攻め続けて歓喜の瞬間をチームにもたらしたのです。

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二人は自己ベストどころか、150%の戦いです。練習でも練習試合でも見たことがありません。広い小松ドームで唯一戦いが続いているこのコートは、光に照らされたステージのようでした。そのステージ上で、ファイナルゲームの序盤の競り合いから抜け出し、1本1本、頂点に向かって力強く歩んでいく二人は自分の力で戦っているというより、チームの魂が乗り移っているかのようでした。

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高野・鷲尾は今までのDream Factoryで紹介しているような「乗り越えた」選手ではありません。まだまだ幼く、自分の弱さと向き合うことすら怪しい成長の入り口にいる「ひよっ子」です。ですから、結果として凄いことをやってくれたのですが、成長の結果としてのドラマではない。無心無欲の勝利でしょうか。それとも「恩送り」をしてくれている3年生も含めたチームの魂が二人を変貌させたのでしょうか。

「勝ちに不思議な勝ちあり」ではありますが、そこには何かが託されているのだと思いたい。全国で戦うチャンスをもらったのですから、この二人も含めて、今年も北越らしく、自分と向き合いながら、人間的な成長を伴って、確かな道を歩んでいくチームを目指していきます。この次に高野・鷲尾の記事を書く時には「不思議な勝ち」ではなく、これまでの北越のような「確かな勝ち」として紹介できるよう、選手も監督もチームも毎日を一歩一歩踏みしめるように進んでいきます。

この最終戦は、地元石川の人たち、さらに優勝を決めている能登高校の男子チームも加わっての大応援団の中で完全なアゥエー状態でしたが、新潟県で一番元気のある小千谷高校の選手たちが最後まで残って応援してくれました。ベンチの選手は「こんなに応援の声大きかったっけと思って後ろを見たら小千谷の人たちが一緒になって応援してくれていた、本当に嬉しかった」とノートに書いています。小千谷高校の皆さん、ありがとうございました。

県選抜大会 第4シードから優勝

3年生のために! ONE TEAMとしての勝利

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やっと私たちは言えるんだ。

「ありがとうございました!」

ただ嬉しさと感謝で一杯だ。

この1週間、本当にいろいろありすぎた。まず大会1週間前、海外研修旅行のオーストラリアから帰ってきての「ぶっ壊れ」。感覚が全く戻らない。このままじゃ佐藤莉穏が夢を終わらせる…

すがる思いで冨樫先輩にお願いして朝早くからボールを出してもらった。冨樫先輩は胎内市からの電車通学。本当にあり得ないお願いだけど、先輩は私のわがままに精一杯付き合ってくださった。それなのに校内試合でさえ現れるビビリー。またかよ…。こんなに真剣に乗り越えようとしているのに、それでも出る自分の弱さが嫌で嫌でどうしようもなかった。その時に先生にかけてもらった言葉が私の世界観を変えた。

「ビビリの自分を受け入れろ」

ビビることがダメなんじゃなくて、そいつと一緒に戦うということ。そして全体ミーティングでもレクチャーしてもらった「男脳・女脳」の話。自分という人間をより深く考えることができた。こうして自分を客観的に見ることで、自分の頭がとてもスッキリした。

大会が迫るにつれて、私は「誰かを信じて戦いたい」という思いが日増しに強くなっていった。最悪の1週間前から、少しずつ変わってきている自分を感じていた。冨樫先輩から毎朝出してもらった数多くのボール。それをただ「この人のために」と思ってやりきる自信のようなものがついた気がした。

勝負の巻高校戦、3番勝負を託された私と星野、マッチポイントで上がった深いロビング。追った。迷いがなかった。私の後ろには日々の積み重ねがある。3年生への感謝がある。もうやれる自信しかなかった。

巻に競り勝った後は、村上、そして最後は全勝対決で長岡商業。もうここは1年生の成長パレードだった。1年生…、毎日のように現れる幼さ、チームの停滞。でも戦う心はもう北越魂だ。毎日伝えられてばかりだっただろうけど、泥臭く逃げずにやりきってくれてありがとう。苦しい場面もあっただろうけど、向き合い続けてくれてありがとう。1年生、本当にありがとう。

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柳先生から「前衛らしくなってきたね」と言ってもらった。ようやくイメージする前衛に少し近づけたような気がします。津野先生、私を北越に呼んでくださり本当にありがとうございます。

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私はずっと憧れていた。コートで、選手として、後ろの応援を背に、すべてを信じて戦うこと。やり切って後ろを振り返ってチームや応援してくれる人たちにガッツポーズをすること。それに応えてガッツポーズを返してくれる先輩たち仲間たち…こんなにも幸せなんですね。だからこそ、私もっと頑張ります。もっともっと強くなります!(2年 佐藤莉穏)

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