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2020年5月 6日 (水)

Dream Factory 2020 希望の春(応援メッセージ⑤)

いつ、いかなる時も、太陽でいること

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今回の応援メッセージは、平成25年卒業の小林すみれさんと山本千紘さんです。

二人は、僕が北越に来た平成22年に北越高校に入学しました。実は他の公立高校志望だったのを、一緒に北越で日本一を狙えるチームを作ろう!という呼びかけに応じてくれたのです。今考えてみても、よく決心してくれたと思います。「信じる」だけが北越入学の根拠ですから。

その3年目、新潟インターハイの団体はあと2ポイントでベスト8というところから逆転され、夢は叶いませんでしたが、ペアとしてハイスクールジャパンカップでダブルス3位に入賞し、北越初の全国入賞を果たしました。

まずは、小林すみれさん。

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すみれさんは、実業団の太平洋工業のキャプテンを務めています。2年前に引退を決意したのですが、その年に日本リーグから実業団リーグへ(サッカーで言えばJ1からJ2へ)降格してしまいました。普通はそれでも「残念だった」と言って引退するのですが、すみれさんは決意します。ここでやめたら無責任すぎる…引退を撤回して、あと2年、キャプテンとしてこのチームを日本リーグで戦えるチームにしたい、と。

凄いことだと思います。一旦引退を決意した人間が、責任感から「あと1年」ではなくさらに「あと2年」現役アスリートを続けるということは…。

その決意を送ってくれた、すみれさんの長いメールを僕は大切に保存してあります。

今読み返してみても、熱いものがこみあげてくる、覚悟と責任感にあふれた言葉です。人間の深い尊厳を感じずにはいられません。

みんなにも是非読んでほしいので、全文載せたいと思います。

もうご存知かと思いますが、入替戦、負けてしまって実業団リーグに降格になりました。
いろいろ考えることがあって、ご連絡遅くなってしまいました。
結論、負けてよかったなと今は思っています。
たぶん、今のチームの状況で日本リーグに残留しちゃいけなかったんだなって。

今のチームで実業団リーグ経験者は私しかいなくて、他は日本リーグに昇格するぞっていうずーっと昔からの先輩たちの想いを知らない子たちなんです。あの頃、仕事も今よりもずっとしんどかった。テニスも応援なんてしてもらえなかった。今は、日本リーグにいること、応援してもらうこと、仕事を最大限に配慮してもらってることが当たり前で、甘えてばかりなんです。
勝負の厳しさというか、経験も責任もあまり感じたことがないから、いろんなことの重さが分からないんです。わたしもそんな偉そうなことは言えませんが。。。
誰もチームのことを考えられない。見ていない。他人に興味がなくて、かといって自分のことにこだわるわけでもない。だからいつもうちの選手の負けは自分に負けるんですよね。周りも状況も見えなくなって自分を失って負けるんです。

だから、今回実業団リーグに降格して良かったなって。結局残留してたら、みんなの気持ちは何も変わらずにいたと思います。中途半端やりながら日本リーグで戦う、何の進歩もありません。

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今回の負けを、ちゃんとチームの全員が個人でそれぞれ受け止めて、再スタートをして、自分たちの力で這い上がれっていうことなんです。


今回の入替戦での負けから、やっと、変わりたいって思ってくれる子が出てくれたんです。
キャプテンとしてのこの一年は、なかなか想いが伝わらず、勝ちにも繋がらず、次から次へと問題ばかり起きて、正直苦しかった。だけど、私なりに精一杯チャレンジした年でした。そこは自分を認めてあげたいと思います。この1年で後輩に伝えた種が今年、来年で少しずつでいいから伸びていって、最後に花になればいいなって思います。

それと、「今年で最後の年にします。」と年始の初打ちの時に宣言しましたが、2020年まであと2年、やることにしました。今年で最後にしたら、日本リーグの舞台でもう戦えないのかって、すごく悩みました。私にとって、日本リーグはとてもとても特別な舞台なので。
日本リーグに昇格して終わるんじゃなくて、それだけじゃ、なんか悔しすぎる、絶対後悔するって思って、先輩たちと残した日本リーグ3位の記録を超えてやるって決めました。先輩に引っ張り上げてもらって取った記録しか、個人も団体も私は持ってないので。
自分の力で、自分でこのチームを引っ張りあげて、昔の大嫌いだった自分を超えて、自分を好きになってからソフトテニス人生を終えたいと思っています。
今年入ってくる神戸松蔭大の2人は学生トップのペアです。塚川、地中っていうペアです。この間大会で一緒に団体戦したんですが、とってもいい子達で、強い子達でした。この子たちのお陰で、もう一年頑張ろうと思えたのも事実です。

全てが上手く出来てるなぁって思います。
今回の負けも、今年から厳しい戦いでも食らいついていきそうな新戦力も…。

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心新たに、また何度も挑戦していきます。
私のソフトテニス人生もラストスパートです。絶対に後悔のないように、やり抜きます!!!
私は、気持ちが吹っ切れて、すごく前向きです!

自分でも怖いくらいのポジティブです。たまにブルーな気持ちになることもあるし、辛いことも苦しいこともあるけど、周りにはたくさんの支えてくれる人がいるんだなあって思えるようになりました。2018年、結果は悪かったけど、逆にいろいろなことを感じることができた年でした。

2019年、再スタートしてまだまだ頑張ります。
ふとした時にドリームファクトリー見てます。
わたしも、この頃があったから今の自分がいるなぁって、どこか懐かしく感じて、北越がんばれ!!!って応援してます。

長々とすみません。
まだまだたくさんいろいろあるのですが、とにかくがんばります。
後輩にも負けてられません!!
報告が遅くなりすみません。
おやすみなさい。

この決意が2年前、そして1年目の終わりに、太平洋工業は入れ替え戦のリーグを全勝で勝ち抜き、念願の日本リーグ復帰を果たしました。

さあ、いよいよ日本リーグの戦いだ、という年が今年なのです。

日本リーグは冬ですが、果たして感染は収まっているのか、次々とスポーツ大会が中止になる中、すみれさんも複雑な思いで日々を過ごしているはずです。

その小林すみれさんからのメッセージです。

こんにちは。

小林すみれです。
千紘から連絡もらいました。感じたこと、言葉にしたいと思います。何かが伝わって力になれれば嬉しいです。


まず、インターハイが中止になったと聞いて、1番に感じたことは「かわいそうに…」でした。
もちろん、できるような状態じゃないことは分かっていたし、難しいと思っていました。でもまさか、本当にそんなことになるなんて…とても悲しい気持ちになりました。

全小、全中、インターハイ、インカレ、オリンピック、年齢やレベルは違えどその大会に照準を合わせてたくさんのことを犠牲にしながら必死にがんばってきたのに、そのものがなくなってしまうなんて。情熱をどこにぶつけたらいいんですかね。

私も今年が最後と思っている日本リーグがなくなってしまったら、その時何を思うんでしょう。今の自分では想像できません。その現実を突きつけられてないから。


だけど、今の高校3年生は、それが現実になってしまったわけで…DREAM FACTORY を見て、この子たちは本当に強くてかっこ良くて素敵だなって思いました。
目標がなくなってもやるべきことを見失わず、後輩の子の面倒を見て、できたこと、足りないこと冷静に見て、もっとこうします。ってすごいポジティブ。
語彙力がないので、すごいわぁ...しか表す言葉が見つからないんですけど、自分が高校生の時、こんなに真っ直ぐにポジティブでいることできたかなって...
10歳も年上のはずなのに、心がじわーっとあったかくなって逆に元気をもらいました。ありがとうございます。

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私もまだ現役で実業団でキャプテンをやらせてもらっています。
大人になると難しいことが増えてきます。みんな、それぞれの学校でエースだった連中の集まりで、プライド、考え方、性格、人間性、本当に十人十色。「私の普通」は「あっちの普通」ではありません。人によっては「普通」が全く通用しないです。みんなが同じ価値観で同じ方向を向いていたら、どんなに楽だろう。
私たちも今回のコロナウイルスの影響でテニスができなくなりました。もう2週間以上経ちます。
「今日から自粛」って仕事中に急に言われて、私が1番に考えたことは、チームの心がバラバラになってしまうんじゃないかっていうことでした。

2月に入れ替え戦で勝利して、日本リーグ昇格が決まったことで、ちょうどチームの雰囲気やモチベーションは未だかつてないくらい良かったんです。でもそれは、「みんなで練習しているから」であって、その環境がなくなったら、何もせずに怠け倒すことが目に見えていました。今まで自律してこなかった人が自律できるわけがない。
だから、自粛期間中に、毎日やること、定期的にやること、みんなが守る約束を作りました。
みんなが自分に負けずに毎日やり切れているかは、正直分かりません。確認もしません。もう社会人ですから、そこまではすべきじゃないと思っています。

連絡取ったり、会社で会話をしても、嫌な感じはしないので、少なくとも、約束守ってくれていると信じたいです。

私がこのチームのためにできること、やるべきことは、いついかなる時も「このチームの太陽でいること」です。
どんな時もみんなを明るく照らすこと。
進むべき道を照らすこと。
自分が生きているフィールド全てで太陽でいること。
集まってテニスができなくても、みんなの気持ちを前向きに、みんなが弱い自分に負けないように、みんなの陰からでも、弱さを明るく照らさないとなって思ってます!
先生、私ネガティブ人間だったんだけど、ポジティブ人間になれました。
そんな自分をつくってくれたのは、心の土台を作ってくれた北越、ソフトテニスを通して関わってきた全ての方々。

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2020年度が私のテニス人生最後の1年になります。もしこの先の大会全てがなくなったとしても、太平洋工業のキャプテンとして、このチームとメンバー、会社のためにやれることを全てやり尽くして結果以上の「何か」をこのチームに残せたら、後悔は絶対しない。完全燃焼で引退できる。
実を言うと最近少し弱ってしまって、でももう一度こうやって強い気持ちを持たせてくれたのは、DREAM FACTORY の現役生の言葉です。ありがとうございます。

人生の主役は自分だし、自分を輝かすのも、自分だし、そのために、わたしも最後までたくさんの花に水やりをし続けたいと思います

......とーっても長くなってしまいすみません。
なんか言葉は溢れてくるんですけど、いつもながらまとまらなくて。笑


言葉の力ってすごいですよね。
だれかの力になりますように。
先生にいただいた言葉や、高校生時代の経験は今の自分が太陽でいるための源泉です。
先生も、お体に気をつけてくださいね🥺
ともえ先生にもよろしくお伝えください。

山本千紘さんからもメッセージが届いています。

千紘さんは、実業団を退社してから新潟に戻ってきて、今は地元の巻ジュニアのコーチを務めています。千紘さんは、いつも笑顔。どんな時も笑顔。顔の筋肉は笑うためだけにしか使ったことがないのではないか、とさえ思える人です。テニスをするのも教えるのも楽しくて仕方ないという感じです。実際はいろいろ悩みもあるのでしょうが、そう思わせないのが千紘さんのすばらしさだと思います。全国小学生大会も開催が危ぶまれ、頑張ってきた子供たちのことを心配する日々だそうです。

先生、こんにちは。

連絡いただきました。
私自身、Dreamfactoryからいつも力をもらっているので、少しでも力になれたら嬉しいです。
 

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『インターハイ中止』のニュースをみて、自分が出るわけではないのにとても悔しく悲しく、よくわからない気持ちになりました。現役のみんなはもっともっと悔しいですよね。
それでも、Dreamfactoryからは、3年生キャプテン、部長の前に向かっている気持ちが伝わってきました。
 
現段階ではまだ連絡はありませんが、全小も中止になるのを覚悟しています。
いつも通りに子供たちと練習ができて、いつも通りに大会があって、、、『いつも通り』がどれだけありがたいことか実感しています。
今は、私自身の腕が鈍らないように、家の前でボレーボレー、球出しの練習をやっています。あとは硬式やトレーニングなどの動画を見て勉強中です。練習が再開できたときには、子供たちに負けないくらいの元気で、少しでもパワーアップした自分でいれたらなと思います。
 

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北越高校の後輩たちは、今は苦しいかもしれませんが、津野先生たちのメッセージを信じ、自分の気持ちを強くもって乗り越えてください。
すでにキャプテン、部長は前に向いているのでチームとしては大丈夫です。
私たち卒業生も、チーム北越の一員として、みんなにエネルギーを送れたらと思います。
現役のみんなの頑張っている姿が私たちのエネルギーになっているんですよ。
 
『あらゆることから力を集めて、光を放て』
必ず光を放つ時はきます。一緒に頑張りましょう。
 
先生、東高校の卒業生さんのメッセージも載せて下さってありがとうございました。
なんだかグッときました。ワンチームですね。
このような素晴らしい方が「先輩」でとても誇りに思います。

 

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