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2021年11月 8日 (月)

Dream Factory 2021 秋

北越の秋

・・また来る春に向けて・・

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秋季新潟地区大会

〇ダブルス

1位 入澤瑛麻・本間友里那

3位 高橋寧々・須貝若菜

〇シングルス

2位 本間友里那

3位 入澤瑛麻、三浦瑞姫

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新潟県新人選抜大会

〇ダブルス

1位 入澤瑛麻・本間友里那

〇シングルス

2位 本間友里那

3位 入澤瑛麻

秋の大会が終わりました。

8月にチームを引き継いで3ヵ月、ダブルスで部長とキャプテンとしてチームを率いる本間入澤が、決勝戦マッチポイントを握られながらもなんとか勝ちきって優勝した以外は、ベスト8の壁を破れませんでした。シングルスは1年生の時は全く相手にならなかった巻高校の石山さんに、本間がファイナルを戦うまでに成長しましたが、ファイナルで突き放されました。

今年も「もがきの秋」です。

練習が「習ったこと」の「練り上げ」にならない。

これから団体センバツにシフトしていくのですが、これほどone for all の意識が低くて、どうやって団体戦を勝ち抜いていくのか。

ほぼ毎日、伝え続けていますが、なかなか浸透しません。

苦しい秋の道です。

新チームの部長を託された本間友里那のノートから

For theチーム

この思いがわかる人が、今どれだけいるんだろう。

県新人選抜大会を前にして、これほどチームに気魄がないってこと、今までの北越じゃないってこと、わからせてもらって良かったのかもしれない。

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もちろん、本当はよくないよ。

チーム北越。

数々の奇蹟を作り上げてきたこのチーム。

ねえ、北越らしさって何?

勝てば良いってのは違うよね、瑛麻。

試合中だけ元気出せばいいっていうのも違うよね、麻央、優芽。

何を目標にここに来たの?

私は、ここに入ったのなら、全力で自分の限界超えたいし、中学以上の結果を、日本一を獲りたいって思った。

その思いは、入学以来、ブレることはない。苦しい時も、自分は今のままでいいのかって悩む時も、ここで日本一になりたいっていう夢は変わらない。

実際はまだまだだし、今のスキルやタクティクス、そしてフィジカルでは全国トップにはなれないことはよく分かっている。けど、だからこそ、こだわり続けたいんだ。

瑛麻(入澤)には伝えたことが全て。

瑛麻が今のままでいいなら、チームは私が作る。

でも、そうじゃないはずなんだ。

キャプテンを任されたなら、キャプテンがチームのことをど真ん中に据えて考えないなんてありえない。誰よりもチームが力をつけることにこだわるべきだよね。

麻央、優芽。

自分のスキルが整わないからっていうのもわかるけど、北越の上級生ってそうじゃないよね。

チームのことは、役職関係なく、新3年がやるんだよ。

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今日届いたマガジンで林田・島津ペアの特集があった。

インカレが2年連続で中止になった。全日本もない。頑張ってきた自分を表現する場がなくなった。そこで林田選手が口にした言葉。

私はずっとこれが最後のつもりで準備してきたので、本当に悔いはありません。

いつも次はないと思ってやりました。

だから、最後だから頑張るというのはありません。最後は誰でも頑張るからです。

最後ではない、何でもない時にどれだけ頑張れるかが、他の人と差をつけられるコツだと気づきました。

本当にすごい。

これを読んだとき、チャンピオンってこういうことなんだな、本当のアスリートってこういうことなんだな、って思った。

こんなに自信を持って悔いはないですって言えるくらい、毎日毎日全力でテニスを生きてきたんだな、って思う。

私が今、ここでもう残りの試合はすべてありません、と言われたとしたら、悔いしかない。

日本一になる夢を叶えてもいないし、何より部長を任されてチームの心を一つにできていない。

私は、この林田さんの言葉を絶対に忘れない。

私もこの言葉を言えるようなアスリートになりたい!

(部長 2年 本間友里那)

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部長ゆえの苦しさ、リーダーが背負う重さ。

新部長は、逃げることなく、その困難性と向き合い続けています。

その新部長に、旧部長の斉藤がエールを送ります。


今日も、チームとしても個人としてもたくさん学ぶことがあった日だったと思う。

本気で、チームとして勝ちたいと思って戦っているか

ここがすごく大きいと思う。

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2年生は「自分たちのチームなんだ」という自覚をどれだけ持っているか。

部長の本間の苦しさは、先生も伝えてくれていたけど、本当によくわかる。

何で? どうして? の繰り返し。

何でわかってくれない?

どうすれば心を一つにさせられる?

どうしたらもっと本気になってくれる?

もちろん、一人で悩む苦しさは理解できる。だけど、それじゃあ前へ進まない。

どうして? ばかりじゃ変わらない。

リーダーは苦しいが、そこで進むべき方向を示すのがリーダーだ。

こうやったら意識が変わるかもしれない。

こう伝え方を変えてみたら分かってくれるかもしれない。

こういう取り組みを提案したらチームの心は育つのかもしれない。

地道に考えて、悩んで、提案する。

本当に少しずつの積み重ねで前へ進むしかないのだと思う。

そうする中で、なかなか思うような成果が出ないと、自分がやっていることは本当に正しいのか、チームへの伝え方が間違っているんじゃないか、とか、疑って悩むこともあるだろう。

だけど、絶対正解なんてないし、リーダーがどんなチームとして戦いたいか、その意志が明確なら、その方向に向けて間違ってるかもしれないけど、やってみるしかない。

先生に、組織を改革するのに志を同じくする者が3人いたら成功する、って伝えてもらって、その同じ日に、本間以外に提案や行動を誰もしないのを見て、私も悔しかった。

本間はもっと悔しいだろう。

けど、これが現状。受け止めるしかない。

先生が言ったから、次の瞬間からチームが変革できる、そんなわけはない。

今日、須貝が失敗してそれでも決意を伝えに戻ってきた。

仲間がどんな失敗をしようと決して見捨てない、それが北越の良さだ。

そのことを梨果が全員に伝えてくれた。

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先生は、本間も受け入れようという心がないと伝えていた。

本間の気持ちは痛いほどわかる。本当によくわかるよ。

私も部長をやっていて、そういう場面は何度もあった。

チームの皆も、がっかりしてる。またか…って思っている。それは空気として感じる。

だけど、私までもが受け入れなかったら、誰が鍵を開けてその子を受け入れるの、って思って私が言葉をかけてきた。

もちろん、それは苦しいことだ。

そして、また失敗した仲間を受けとめ、最初に言葉をかけて受け入れたからには、私に責任があると思っていた。次に同じ失敗をしたら、私の責任でもあるんだなって思った。

だから、リーダーなんだ。

リーダーとして試される苦しさってここなんだな、そう自分にも言い聞かせた。

先生も伝えてくれたけど、調子の良い時なんて、誰がリーダーでも変わりはしない。流れに乗ればいいだけだから。

だけど、リーダーが必要なのは苦しい時だ。苦しい時にチームを思って逃げずにその状況に立ち向かっていけるか。

自分が逃げずにチームをつくるんだって思って、行動しつづけていれば、必ず仲間も本気になってくれる。それを信じて、一人でも自分で悩んでもがいて、前へ進むしかない。

苦しいって思うだけじゃ、何にも変わらない。

その時、何を提案できるか、何を行動できるか。

今も、それが試されている。

頑張れ、本間!

(前部長 3年 斎藤菜月)

一方、部長・キャプテン以外の2年生、特に佐藤麻央の奮起を3年の近藤は促しています。

上手くいかないことが続くと、ネガティブ思考になる。

そんな空気がチームに広がってる。

先生の話を受けて、私の2年前のノート、1年生の秋のノートを開いてみた。

私もずっと下手だったから、上手くなれるのかって疑ったこと何百回もある。

ある日のノート。

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Aチームのコート、もしくは全体練習に入りたいけど、今の私が入れるレベルじゃない、そう自覚はしていて、最後のミーティングで奈央先輩が「チームに食らいつきがない」って伝えてくださった。

でも、その時の私が思ったのは、私が入ることでAチームに迷惑がかかるんじゃないか、っていうこと。

それを奈央先輩に相談したことが書かれてあった。

その時、奈央先輩から贈られた言葉、今でもアリアリと覚えている。

北越は、上手いか下手かの基準じゃなくて、やる気があるかどうかが重要

この時、私は視野がすーっと広がった感じがした。

よし、じゃあ、いつか、近藤と打ちたいって仲間や後輩が思ってくれるように、気持ちを前に出して頑張ろうって思えた。

そして、3年間を終えた今、奈央先輩の言うとおりだったと納得する。

その1年後、2年生の秋。一つ上の先輩で秋に「恩送り」でコーチできたのは二人だけだったから、私に担当コーチなんてつくわけもなく、一人で毎日悩み、必死に言語化して、食らいついていた。菜月も同じだったはずだ。

自分から動かないと何も得られないし、2年にもなって成果を出せないなんて相手にしてもらえないと思って、必死だった。

今の麻央は、ほぼ私がつきっきりで面倒を見ている。

麻央から食らいついてくることはほとんどなく、圧倒的に私の方から指摘している。

麻央は自分もチームを引っ張りたいと言うけど、仲間も後輩もすべて3年生が恩送りで見ている。それは正直、怖くもある。

2年生の秋、仲間や後輩のことで悩むこともなく、人任せにして自分のことに専念できる。それは一見幸せだけど、3年になった時に「強さ」が身についているか。苦境になった場面で、後輩に頼られる場面で、責任とともに強さを表現できるか、私の「怖さ」とはそこだ。

麻央が言葉だけじゃなく、本当にこのチームに欠かせない人として、本間や入澤と一緒にチームを率いてほしい。リーダーの名札はなくとも、リーダー学年としての自覚を持って行動してほしい。

(3年 近藤梨果)

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その佐藤。

受け身で甘ったれですが、近藤から伝えられていることはよくわかっています。

明らかにノートは変わってきました。思いの強さは育まれています。

春までに固い殻を破って、ドラマを創ってほしいです。

今日、合同練習会で久しぶりに去年の3年生のDream Factory(卒業記念につくるフォトムービー)を見た。

3月の卒業祝賀会で見た時と同じ映像なのに、想いが全く違うことに驚いた。時の経過をすごく感じた。

3月に見た時は、「私もこのDream Facoryの一員なんだ!」って思ってとても嬉しく誇らしい気持ちになった。

でも、今日はまるで違う。

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3年生が(卒業生)何度も何度も壁に跳ね返され、それでも「責任感・自覚・妥協しない毎日」を力に換えて成長していく姿、それを自分に問いかけるように見ていた。

3人しかいない卒業生だったけど、それぞれが自覚を持ち、チームを任された2年の秋からはチームの為に本気で生きて、責任感と自覚を深めたからこそ、県の新人選抜から、二人は戦えるようになった。そこから、不利な状況下で県選抜を勝ちきり、北信越選抜での奇蹟の優勝、そして全国選抜出場の夢を叶えた3人。

私はどうだ。

今までどれだけのターニングポイントがあったことか…。

未だに自己ベストで戦えたことがない。

先輩たちと何が違うのか。

新3年生としてチームの核になって、仲間や下級生を導かなければならないのに、その責任感がないから、ここぞという場面で自分の強さがないんだ。

私はいつまで同じ場所に留まっているのか。

私は、自分のスキルよりも何よりも、チームに関わっていくことが大事なんだと思う。

県新人選抜の時、決勝を金網の後ろで見ていて思ったことがある。

あの試合、本間と入澤は追い詰められた。

入澤のミスが続き、ベンチに戻ってきて、また(県大会個人戦と同じように)泣いていた。

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でも、本間はブレずに戦い続けた。そして苦境を乗り越えて優勝した。

私はあの試合で、本間の底力を見た気がした。常にチームに対して本気で向き合ってきたからこそ、あのような場面で自分の中に閉じこもることはないんだ。ペアが落ちてもブレない強さがある。それは日々の生き方なんだ。

団体メンバーで戦うということは、後ろで応援する人が必ずいるということ。その時、その後ろの仲間たちとチームとしてどう生きてきたか、そこが力になる。

責任感が逆境で力に換わるんだ。

(2年 佐藤麻央)

毎年恒例の、秋のもがき、停滞、挫折…

でも、新チームの秋というのは、これが健全なんだな、と思うようになりました。

優秀な選手だけが集まっている「特殊な」チームではありません。夏に咲いた花の後は、1年後の満開を目指して、また土壌づくりから始まるのです。「作物」とて、昨年とは違うものですから、こちらの土壌改良も必要ですね。

この「北越畑」に興味を持って根を下ろしてくれた未熟な苗たちを育て、鍛え、花を咲かせること、それが私の営為です。

今、早朝、合宿先の外のベンチでこの文章を打っています。

近くに仰ぐ妙高山は白く冠雪しています。そこに朝焼けの光が輝いて、息を飲む美しさです。

コナラ、ミズナラの木々が晩秋の風に吹かれて、カサカサと葉を落としています。

間もなく、ここにも雪が降りてくるのでしょう。

その落葉の下で、1年生が息を白くはきながらダッシュしたりラケットを振ったりしています。

木々もこの子たちも、来年の芽吹きと命の輝きを誓って、冬を迎えようとしています。

秋の挫折と向き合い、幼い自分をそぎ落とし、雪の下で新たな心をはぐくみ、春に備える。

命の輝き、青春のど真ん中。

ガンバ!

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