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2025年4月 8日 (火)

HOKUETSU Spirits 2025 ~超えなければならない壁〜

全国選抜1回戦突破!2回戦は第4シードに屈す

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1月の北信越選抜を突破し、2年連続でたどり着いた春の全国大会。今年は例年と会場が異なり、和歌山にて開催されました。

直前まで横浜で開催された全日本私学選抜大会に出場し、その後和歌山へ向かいました。大会前日の練習で、私学大会で出た課題に取り組みました。選手たちを見ると気負う様子はなく、むしろ大会を楽しみにしているような表情で練習に取り組んでくれました。「今持っている自分を全部出そう」と伝えてきました。不安よりもワクワクがチームを包んでいました。

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ついに大会当日。1回戦は九州代表の大分高校。北越の第1対戦は早川・髙橋。序盤はこちらの仕掛けが上手く決まり、相手のミスを誘うことができリードします。しかし、徐々に相手のプレーの精度が上がり、こちらの焦りからミスが増えていきます。消極的で中途半端なプレーは相手に勢いを与えてしまいました。ファイナルゲームの末になんとか勝利をものにすることができましたが、彼らの戦いは決して満足できるものではありませんでした。早川・髙橋はポテンシャルの高いペアですが、北信越選抜でも、私学大会でも、競った戦いを勝ち切ることができずにいました。その要因は、技術ではなく「心」。勝負には絶対がありません。失敗を恐れる選手では大きな成功をつかみ取ることはできません。「覚悟をもつこと」。これが2人が超えなければならない壁なのかもしれません。

第2対戦は高橋・高澤。昨年のこの大会を経験した彼らは、相手を寄せ付けない試合運びでG4-0で勝利してくれました。2年連続の1回戦突破。全国から36校しか出場することができない、選ばれたチームとの戦いで2年連続で1回戦を突破してくれた彼らを誇らしく思います。

第3対戦は加藤・伊藤。北信越選抜で躍進した2人は、この日もノビノビと戦い相手を圧倒してくれました。すでに勝敗が決していたこともあり、アグレッシブな攻撃を魅せてくれました。

この日は1回戦のみを消化して、その日の夜のミーティング。2回戦の相手である第4シードの東北高校との対戦について選手と話をしました。そこで高橋と高澤から「相手のエースとやらせてほしい」と申し出がありました。東北高校のエースペアとは、昨年のインターハイで対戦しており、ファイナルゲームの末敗れています。直前の私学大会でも個人戦で優勝しているペアで、この世代ナンバーワンと言えるペアだと思います。高橋と高澤は、この大きな壁に挑むことを心に決めていたようです。私としても、北越は高橋・高澤あってのチームだと思っていますので、彼らの思いを尊重して、真っ向勝負を選択しました。

第1対戦の早川・髙橋は序盤に気負ってしまいガタガタと崩れてG0-3。ベンチに戻ってきたとき、私はこの試合が2人のターニングポイントになるかもしれないと思いました。ここであっさり負けるようなら、この2人に先はない。逆にここを踏ん張れるようなら、さらなる成長が見込めるかもしれない。そんな気がしていました。

2人の「勝ちたい」をひしひしと感じました。苦しみながらも逃げずに勝負をしました。何度も相手のマッチポイントを凌ぎました。

G2-4。彼らの今の精一杯だったでしょう。G0-3からの盛り返しは2人の意地とプライドを感じました。この大会は、2人にとってたくさんの宿題が見つかったようです。次の戦いには、この宿題をしっかり仕上げて臨んでもらいたいと思います。

東北戦では、相手前衛に先手を取られることが多くて、前衛から逃げるような戦い方になってしまった。だからG0-3まですぐにいってしまったと思う。G0-3になってから、やっと寛康が前衛を気にせずにしっかり打ちこめるようになったし、自分も冷静になれて相手をみて仕掛けることができ始めた。それじゃ遅かった。1ゲーム目からできていたら結果は変わった。冷静に試合ができるのはすごく強みだと感じた。(髙橋 奈々輝)

ここ最近、試合でいいイメージが作れていなかった。最初の3ゲーム、狭いところを狙いすぎてリズムが作れなかった。後半になり後衛勝負をするようにしてからゲームがとれた。

今回の選抜を通して、まだまだ上のレベルで戦えると思った。なにが足りないのか、どこが違うのか、明日香遠征で学んでいきたい。(早川 寛康)

エース対決。1ゲーム目のサービスゲームで力が入りすぎました。攻めたプレーにミスが出てしまい取られてしまいます。逆に相手のサービスは非常に精度が高く崩すことができません。結局1ゲーム目を落としたことが響いて逆転することはできませんでした。

私学大会の個人戦では、三重高校のエースを相手にファイナルゲームの末に敗れました。このときもゲームの序盤にミスを連発したことで劣勢になってしまったことが敗因です。私学の団体戦でも尽誠学園のエースに力んで本来の力を発揮することができずに負けていました。この2人が超えるべき壁は、ここにあります。どんな場面でも、どんな相手でも、熱くなりすぎず、冷静に自分たちのプレーを積み重ねていくこと。簡単ではありませんが、きっとこの2人なら超えてくれるはずだと信じたいと思います。

この試合では、サービスゲームの重要さを感じた。ダブル前衛をするにあたって、1ゲーム目にサービスをとるということは入りからミスなくしっかりと攻め切り、1ゲーム目を取り切らなければならない。ここが甘かった。

また、カットサーブの精度も上げていく必要があると思ったし、外でもそういう相手に対して上からのサーブで押し込むプレーもできるようにしていきたい。(高澤 颯)

最後は加藤・伊藤。この試合も競ったゲームになりましたが、攻めてリードしても凡ミスで追いつかれ、最後はミスが先行してしまいました。

結局、結果は0-3。競った内容ではありましたが、足りないものは明確でしたし、まだまだ未熟だったと実感しています。試合後のミーティングで、私は素直に伝えました。「悔しい」と。このチームが全国でも上位にいけるだけの可能性は十分にあると思っています。しかし、北信越選抜での敗戦と同様で、大勝負を勝ち切るだけの技術と精神力はまだ持ち合わせていません。「本物」になるにはまだ足りないものがたくさんあることもはっきりしました。

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全国選抜を終えて、今度は奈良県へ移動。新入生も合流して明日香大会に参加しました。それぞれが自分自身の課題と向き合う3日間だったように思います。全国各地の強豪校と戦ったなかで、またいろいろなことが見えてきました。超えなければならない壁をはっきりと感じる3日間でした。

全国選抜の2日間を通して、自分は全国とやってあんまり差がないのではないかと思った。大分戦では2-0でまわってきたがちゃんと勝ち切ることができたし、東北戦は負けてしまったけどカットサーブからの展開はとてもはまったし、ラリー中のストロークもとてもうまくいった。これにもっと磨きをかけラリー中に決め切ることができるようにしたいし、ダブル前衛の得点パターンも増やしていけたらいいと思う。

明日香の3日間、自分は思うようにプレーができなかった。それはなぜかペアに頼り切りだったからだ。自分がただ打っていれば、前衛が決めてくれる、そう思ってたから大事な局面でミスがでて、自分のテニスができない。そんなことしてたら、いつまでも全国に通用する選手にはなれない。頼るんじゃなくて、頼られるような選手になりたいし、人間でありたい。メンタル面でも、技術面でもたくさん課題がでた。1つ1つ克服していきたい。(加藤 玲音斗)

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いよいよ春のシーズンが開幕します。ハイジャパ予選、地区大会を経て、あっという間に県総体もやってきます。夏の全国に挑戦するための戦いが、始まろうとしています。

最後に、今まで約3年にわたりトレーナーを務めてくれていた平氏が、新天地へ旅立ちました。選手に寄り添い、一人ひとりに親身になって身体と心のケアをしてくれました。インターハイや全国選抜を戦うことができたのも彼の力あってこそです。今までありがとうございました。

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