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2015年7月

2015年7月 2日 (木)

DREAM FACTORY 2015 初夏

NEXT STAGEへシフトアップを!
北信越総体 ベスト8で敗退

H27.6.19~6.21  石川県 能都健民テニスコート

<団体戦>
1回戦 北越 ②-1 金沢商業(石川)
2回戦 北越 1-② 高岡商業(富山)
ベスト8

個人戦は 1年鈴木・保科が健闘!
<個人戦>
【松浦・大原】
 1回戦 シード
 2回戦 3-④ 高岡商業(富山)
【和田・田辺】
 1回戦 シード
 2回戦 ④‐2 野沢南(長野)
 3回戦 1-④ 武生(福井)
【鈴木・保科】
 1回戦 シード
 2回戦 ④-1 七尾(石川)
 3回戦 ④-2 松商学園(長野)
 4回戦 3-④ 高岡西(富山)

1,2年生主体のチームであり、今、全国レベルの北信越で「実り」としてあげられる成果は残念ながらないのですが、あえて言うなら、1年生の鈴木・保科が、3回戦で長野県の個人優勝ペアを堂々と破り、さらに4回戦でも全国選抜準優勝の高岡西高校のレギュラーに接戦を演じたことでしょう。試合を重ねるごとに、このペアは学んでいきます。強くなっていきます。今、第1期の「伸び期」だと思います。このペアは珍しく1年生の段階でかなり自立しており、その分、心技体知、様々な角度からの指導をよく吸収します。インターハイに向けて、貪欲に、最終目標をブレさせずに、アスリートへの道を歩み続けてほしいと思います。

一方で、この大会を通して、2年松浦明彩加・大原未来の「弱さ」を、これでもか、というくらい突きつけられました。「弱さ」とは戦う者としての弱点です。
このペアは、去年の冬から県内では敵なしでした。入学時は二人とも後衛でしたが致命的に足が遅く、1年の秋までは守備的平行陣で戦っていました。ですが、空中感覚が悪くないので、思い切ってダブルフォワードを基本とする攻撃的平行陣にして鍛えてみたところ、思ったよりもよく吸収して、県インドアを制し、春先のハイスクールジャパンカップの県予選も優勝しました。
ですが、徐々に研究され、県内においても弱点を突かれて思うように勝てなくなってきました。そして県総体の個人戦の準々決勝で自滅してからは自信も失い、その後も精彩を欠いた不甲斐ない試合を続けています。
二人とも、ソフトテニスが大好きで、一生懸命練習するいい選手です。中学生時は、都道府県対抗や全中で仲間が日本一になる瞬間をベンチや応援席で見ていた。その仲間たちが全員、地元を離れて全国へ散っていった中、地元新潟で頑張っています。こういう選手たちを何とかして全国でも勝ち抜いていける選手にしてあげたいと強く思います。
ただ、大原はなかなか精神的にも行動的にも自立できず、「自己修養」の確立に苦労しています。松浦は、頭の固さ、身体の固さ、そして真面目さと裏腹のハートの弱さを抱えています。

試行錯誤する中で、ハイスクールジャパンカップに行ってきました。

ハイスクールジャパンカップ2015
【ダブルス】
 予選リーグ
 松浦・大原 ④-3 相生(兵庫)
 松浦・大原 2-④ とわの森三愛(北海道)
 予選リーグ敗退

北海道でも、二人の「弱さ」は、ちゃんと現れました。
自己修養ができない大原。チャンスに攻めず、ガマンするところでガマンできない松浦。
またゼロからスタートします。
1年後、見ていてください。この二人の最終形を楽しみにしていてください。


HJS02 HJS01



さて、県総体が終わって約1か月が過ぎました。
今年の県総体で、どうしても書き留めておきたいエピソードがあります。
遅ればせながら、「拾遺」として追加させてください。

H27 県総体 拾遺
Episode 3  初心者:斉藤の自己ベスト

北越女子ソフトテニス部に、一人だけ初心者の子がいます。
斎藤友恵という3年生です。
技術的にも性格的にも不器用な子ですが、とても誠実で、責任感があり、後輩の面倒見もよくて、チーム北越にはなくてはならない存在です。
僕が北越に来た1年目の部長が斎藤友恵の姉で斎藤叶恵と言います。
このDream Factoryの第1ページ目、「扉をこじあけた!」という見出しのノートが載せてあります。それが叶恵のノートです。
心が柔軟で、しかも本質をきちんと捕まえることのできるすばらしい生徒でした。彼女が部長をやっていたからこそ、たった2か月でチームはまとまり、奇跡的に優勝できたのだと思っています。
その妹です。
ただ、誠実な子にありがちな、本番に弱いというメンタルの弱さを抱えていて、それが3年生の地区大会ではっきり出てしまいます。
去年の秋に、県選抜に出場し県選抜でも勝利をあげた選手が、春の地区大会で初戦敗退するのです。敵に負けたのではありません。自分に負けたのです。
皮肉なもので、一生懸命に地道に努力してきた子が、3年生の最後の試合で、その誠実さにより自分にプレッシャーをかけてつぶれてしまうという例があります。
こういう子に、気楽にやれ、と言っても無意味です。
誠実な人間に、不誠実になれと言っているようなものだからです。
僕は、自分の弱さから逃げずに3年間この北越Dream Factoryで努力してきた子は、必ず最後に自己ベストを出すんだ、と全員に言い聞かせてきました。実際にその通りだからでもあります。
ところが、斉藤は全く逆の春地区の結果になってしまいました。
しかし、その運命を1年生ペアが救います。
僕は宗教を信じない人間ですが、こういう世界にいると、本当に時々「神様って本当はいるんじゃないか」と思う時があります。
「斎藤先輩のために」はっきりそう宣言して戦った二人の試合は神がかっていました。まるで、斎藤のストーリーがこんな結末で終わるなんて現実の方が誤っている、とでも言いたいかのように、二人は必死で戦い抜きます。
逆に言えば、それだけ斎藤の人柄が1年生との絆をつくりあげていたのでしょう。日頃からの斉藤に感謝の気持ちがなければ、1年生があのような思いで最初の公式戦を戦えるはずもないのですから。

この斎藤が、最悪の地区大会から、県総体で自己ベストを出すまでの心の軌跡をどうしても記しておきたいのです。
全国の初心者プレーヤーのために。全国で春季地区大会の1,2回戦にすべてをかける選手たちのために。

5月6日
春地区 個人戦
1回戦
斎藤・田中 3-④ 吉田高校
1回戦敗退

高校最後の試合で、ラケットが振れなくなった。自分に勝てなかった。
フォアが突然振れなくなって、先生からもいろいろアドバイスもらったけどダメだった。
「命(卒業生)みたいに、信じて戦ってみ!」と言われ、「よし! やってやる!」と思ったけど、身体がついてこない。自分の身体ではないみたいだった。
最後はWFでゲームセット。
これが3年間の集大成・・・
これで引退・・・
こんなはずない。こんなバカなことがあっていいわけない。
何が残ったか?
空しさと悔しさしかない。
そして、申し訳ない・・・。あんなにたくさんの人が応援してくれた。姉も東京から仕事を休んで応援に来てくれた。それなのに、エネルギーを与えるどころか、自分に負けて戦いにすらならない・・・
何やってるんだ・・・
本当ならこれで引退だ。
でも、1年生の琴音と佳矢乃が代表決定戦で、「先輩のために」って誓って戦ってくれた。そして本当に決めてくれた。
自分より、ずっと大人だ。
あの迷いのないラケットスイング。
眩しかった・・・
うらやましかった・・・
輝いていた・・・
自己ベスト出し切って攻めきる姿。あれは見ている人にエネルギーを与える姿。あれが北越の姿だ。
県大会、先生からは「ただ、県大会に出たい、というだけなら意味はない。思い出づくりのために出る大会ではない。」と言われた。
そして「県大会で初日にあんな試合をしてしまったら、最終日の団体戦まで響く。それなら、きっぱり『支える花』としてチームのためにサポートしてもいい」と言われた。
自分は、県大会で、あんな試合をしないと約束できるだろうか。
でも、琴音と佳矢乃は自分のために、必死で権利をとってくれた。
自分はどうすべきだ。
自分、チーム、どう考えたらいい?
答えが出ないから、学校に戻って玲稀に打ってもらった。
練習ではいつも通りに打てる。何の問題もない。
そのことに、もどかしさを感じた。
家に帰ってから、姉が真剣に話し合ってくれた。
「絶対に気持ちの持ちようだ」って言ってくれた。
確かにそうだ。練習と試合のモチベーションの違い。
試合で弱気になっている自分がいる。
特にセカンドレシーブ、こんな簡単なプレーで雑念が入る。
マイナス思考も関連しているね、姉はそう言う。
そして撮ってくれていたビデオを見た。
下半身が全く使えていない。変に手操作をして打っている。
姉といくつか約束をした。
自分を超えるために。
自分に自信を持つために。
だから、先生、私、県大会に出させてください。
必ずリベンジしてみせます。
そのために、この20日間を全力で生き抜きます。

5月11日
朝、緑は20周ギャラリーを走ってきた、と言って部室に来た。
緑は体力がないという自分の課題に取り組んでいる。
決めた。私も緑と一緒に毎朝走ろう。
その中で、あの自分の弱い部分、あの地区大会を思い出しながら、振り切れなくなったあの情けない自分を思い出しながら走ってやる。
もうあんな試合二度としない。自分を超えろ! そう言い聞かせながら毎日走る。
プロフェッショナル(NHKの番組)で白鵬も言っていた。
「最大の敵は自分」
あの無敵に見える白鵬だって、そうやって自分と闘っているんだ。
自分にとっては、完全にそうだ。
自分は、相手と戦う前に、自分と戦って、そしてその自分に負けた。
試合になると・・・
①コートが小さく見える
②フォアに来るな、と思ってしまう
この現象が起きる。
バックは無心でできる。サービスも問題ない。
そして、練習では何の問題もない。
だとすれば、雑念だ。
今日、試しに、練習の中で那菜と打ち合いながら、わざと「フォアに来るな」と言いながらやってみた。
そしたら、やっぱりフォアが少しおかしくなった。身体が弱気になる。あの時と同じだ。
やっぱりメンタルなんだ。
ということは、心を乗り越えれば自分に勝てるということだ。
そういう自分を日々作るしかない。
自分に打ち勝つ。そして本番で力が出せる自分を創る。
県総体まで、あと18日。


こうして、斎藤は1年の田中と二人で心をつくっていきます。
この選択はとても正しかったと思います。
ソフトテニスはダブルスが基本ですから、心を一つにできなければ苦境を乗り越えることができないからです。
毎朝、二人で走りながら、徐々にペア力がついていったに違いありません。
そして、県総体が目の前に近づいてきます。

5月26日
朝、緑と約束していた散歩に行ってきた。
学校の後ろ側の道をぐるっと歩き、公園のある所まで行ってきた。
朝の散歩は気持ちが落ち着いていい。緑も「心が落ち着きます」って言っていた。
二人で、落ちているゴミから逃げずに4パック分も拾った。
放課後は、医科学センターでトレーニング。
みんな、また進化してるなって思った。
30周ランニングの時、みんなより遅くスタートしたのもあるけど、みんな全力に近いくらいで走っていて、追い越すのが大変だった。
そのあと、緑と組んで県総体までの最後のペアトレーニング。筋トレでは楓(2年 岡崎)からの指摘に「はい!」って元気に答えて自分で改善していた。
おっ! 変わってきたな、って思って嬉しかった。この前の練習でもボールかごを1番に置きにいったりしていたし、緑、積極的に自分を変えようと努力している姿が見られるようになって嬉しい。
最後の追い込みダッシュ。苦しいときに葵(1年 保科)が「笑顔!」って声掛けしていた。1年生は積極的だ。
自分は2セット目に未来(大原)を、3セット目に那菜(渡部)を気力で追い越した。
朋恵先生の「負けんな!」「自分自分になるな!」「団体でどこ目指してるんだ!」って声掛けがすごく力になった。
自分も、人に力になるように生きたい。
県総体まで、あと3日。

5月28日
いよいよ明日だ。
今日の校内試合、1年生ペアに1-④負け。自分のクソミスだらけだ。
タイミングが合わなかった。不安でミーティングの時から涙があふれた。
不安で不安で、玲稀にも津野先生にもアドバイスをもらった。
津野先生には駐車場でアドバイスをもらった。
やるしかないんだって。
命先輩も、前日ダメダメでも「大丈夫! 明日は合わせるから!」こう言って自己ベストを出したんだ。
自分信じて。今までやってきたこと信じて。
試合直前は、技術チェックじゃないって。強気チェックだって。
先生は、最後のミーティングで言ってくれた。
「県総体の3年生は『重い』。重さを感じながら戦うものだ。」
「でも、その『重い』は『想い』だ。」
「3年生は『想い』こそが1,2年にはない最大の武器だ。」
最後だというプレッシャーはある。確かに「重さ」は感じる。
でもそれにつぶされてたまるものか。
井岡先輩の去年の今頃はこんな感じだったのか。
そして、3年生の最後のインターハイ前の気持ちもこんな風なんだな。
今になってわかる。先輩たちの思いが。先輩たちの勇気が。
自分の命は一度死んでる。地区大会で。
それを蘇らせてくれた、琴音と佳矢乃が。
私を信じてくれた人、私を応援してくれた人、私を支えてくださったすべての人のために、自己ベストを出して戦います。
家への帰り道、自転車でゴミを拾いながら来た。
見つけると、戻ってでも拾った。
「絶対とりきる」「このポイント、絶対とりきる」って。



H27 県総体個人戦 第1日目
1回戦 斉藤・田中 ④-3(P⑦-5) 三条
2回戦 斉藤・田中 ④-1 柏崎(上越地区大会の第4シードペア)
3回戦 斉藤・田中 1-④ 長岡商業

斎藤04

斎藤は自己ベストで戦い抜きました。
初戦は田中のミスが多く、リードから追いつかれ流れが敵に行きかけましたが、斉藤の集中力がすばらしく、接戦を勝ちきりました。
2回戦は、上越のシード選手。この試合は、斉藤にミスが目立ち、苦しい序盤でしたが、今度は逆に田中が斎藤を助け、苦境を乗り切って勝ちきりました。二人で朝走りながら築き上げてきたペア力が発揮された試合だったと思います。
3回戦は、長岡商業の団体メンバー。10回やって10回勝てない相手ではありましたが、斉藤はのびのびと何球もラリーを続け、厳しいボールにも声を張り上げて粘り、スコア以上に充実した試合でした。
本当にすばらしい戦いでした。
「3年間、自分の弱さから目をそむけず、ここで頑張りぬいた選手は、最後の試合で必ず自己ベストを出す。」斎藤もまたその歴史を刻むことになりました。
おめでとう、友恵。

斎藤03 斎藤01

5月29日
「引退した実感がない。」
人はよく、3年最後の試合を終えた後、そう言う。そして私もそう思うのかと思っていたけれど、実際は違う。
「引退したんだ、という実感がしっかりとある。」
でも、これは、私が最後の県総体を悔いなく自己ベストで戦えたからだと思う。
もちろん、まだまだテニスがしたい。だから、IH終わってからでも、チームのためにコートに駆けつけます。私はこのチームが大好きなんです。
この北越高校女子ソフトテニス部に入って、いろんな人に巡り合えました。初心者の私に力を与え、知恵を授け、たくさんのヒントをくれた津野先生、朋恵先生、そしてかかわってくれたたくさんの人たち、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に心の底から、ありがとうございました。
私の最後の試合をお父さんが見にきてくれた。お姉ちゃんも仕事を休んで東京から来てくれた。お母さん、お兄ちゃんも。そして津野先生、朋恵先生、竹内先生、チームのみんなに自己ベストの試合を見せられたこと、それが何より嬉しい。
でも、こんな幸せを経験できたのも、地区大会で琴音と佳矢乃が決定戦で勝利して、私に出場枠をプレゼントしてくれたおかげだ。この二人があの接戦を勝ちきってくれなかったら、今日の私はいない。地区大会のあの最悪の試合が私の最後の試合となっていた。本当に感謝しきれない。
そしてペアの緑(1年 田中緑)。本当にありがとう。シードとの戦いになった2回戦は本当に助けられた。1年生で、引退のかかった3年生と組むことになり、プレッシャーはすごかったと思う。それでも「先輩のために」って、精一杯戦ってくれた。
初戦のゲームカウント3-1から、私は少し守りに入ってしまった。またメンタルでつぶれるのか…。でもベンチワークで先生に「1年生はミスしてなんぼ。そんなことは想定内で、ペアとして強気でリードするのが3年生やろ。」そう伝えられて、「よっしゃ!」って気持ちにギアを入れられた。何球でも何球でもラリーしてやる!って。
「戦いなんだ。『ありがとう』だけじゃなくて、3年生としての姿見せろ」という言葉。「戦いの場は、技術じゃなくて、心だ」という言葉。どちらも、今日は「そうだ。よし!」と力になった。ゲームの後半、少し弱気が出始めたところだったので、その時に言ってもらい、エネルギーになった。
3回戦、長岡商業のレギュラーとの試合、何球も何球もラリーが続いた。その中で「フッ」と体幹で打ててる感覚があって、「ああ、これなんだ、こうやって体幹で打つこと…」ここでやっと実感できた。練習でなかなかできなかったことが、3年間の最後の試合でできた。わかった。
「テニスが楽しい!」 戦いながら心の底から実感した。
今まで、いつもチャンスをもらっていたのに、弱虫で力が出せなかった。でも、そういう苦しい日々があったからこそ、最後に自己ベストを出せて、テニスの本当の楽しさがわかったのだと思う。
お父さんが、私の試合を初めて見に来てくれてる、って気づいた時、本当に嬉しくて、絶対に自己ベストで戦うって誓った。いつも私の身体のことを気にかけてくれていたお父さん。今日もおいしいパンを買ってきてくれてた。お父さんに、「私は3年間、この北越でこんな風に頑張ってきたんだよ」そう見せたいって思って戦った。
そしてお姉ちゃん。地区大会であんな情けない試合見せちゃったのに、また駆けつけてくれた。忙しいのに。そんなに休みなんてとれるはずないのに。本当にありがとうございました。
最後に、津野先生、朋恵先生、先生たちの声掛けが私の背中を押してくれました。
本当にありがとうございました。
私は、幸せです。
(3年 斉藤友恵)


斎藤02

斎藤は、今、受験勉強に力を入れながらも、部活動にも毎日参加して、後輩を育ててくれています。
インターハイまでは、全力でサポートしたいと、本当に誠実に、献身的に、特に自分が育った畑=Bチームの選手を見てくれています。

6月9日
放課後、緑と佳矢乃(共に1年生)を連れて、セルシー(チームに体の使い方、有効なストレッチやトレーニングを教えてくれているフィットネスジム)に行ってきた。二人とも初めてだったので、村上先生に挨拶させた。自分は県大会で選手を引退したことを報告して、IHへ向けてサポートしていること、1年生を育てるためにセルシーにも来ることを話した。村上先生は「井岡先輩も引退してからもここへ来ていたぞ」と教えてもらった。
今日は最初でもあり、トレーニングというより、ストレッチで精一杯だった。私も含めて三人、それぞれ身体の特徴に合わせて違う種類のストレッチを効率よく教わった。緑と佳矢乃は身体が固くて苦戦していた。今年の1年生は全体的に身体が固いので、セルシーでのストレッチはすごく有効だと思った。緑も佳矢乃も「足が軽くなりました!」って驚いていた。次回は2時間くらいいれると思うので、それぞれの弱点を自分からコミュニケーションさせて、課題を明確にして取り組ませたい。
6月10日
【佳矢乃】
佳矢乃は自分のことをベラベラ話すのが大好きで、人に興味ないのかな、と思っていたけれど、今日は緑の前衛プレーを見てあげていて、玲稀(3年 鷲尾)がいない時には、積極的にアドバイスしていた。でも、この二人はまだまだ自分の世界に入りすぎる。もっと他者への興味・関心を持つこと。周りを見ることは継続課題だ。
技術課題のバックは、1回おかしくなって、回転がかかりすぎていた。身体の開きが早いので、逆手の使い方とキーワードを変えさせてみたら少し安定した。でもまだまだ、利き手だけで打ってしまう。体幹で打つこと、まだまだ感覚としてつかめていない。それをつかむことは、時間がかかる。だから、まず、今はポイント一つひとつを正しくやらせていきたい。
【くるみ、楓】
楓は久しぶりにコートに来た。
でも、周りをみないのは相変わらずだなと思う。遅れてきたのに、周りを見ずに、自分のことをまずやる。
ずっとレギュラーでいたから、チームのこと、周りのことを考えた上で、行動を選択する、ということ、大きな課題にするべきだ。
くるみにボール出ししてあげていたのはとてもよいことだと思う。ただ、もっと後輩に寄り添ってあげていい。厳しい練習の中での温かさ、それを北越は大事にしてきたし、私も先輩から受け継いできた。
課題に取り組み、うまくいかないことが多くても、たった1球だとしてもいいボールに対して「ナイスボール!!」という時の掛け声だったり、その時にコートの反対側にも届くとびっきりの笑顔だったり。
そして、必ず、練習に取り組ませながら、自ら学ぶ姿勢も身につけさせることだ。「Aチームの選手はどうやって打ってる?」「コミュニケーションとって、切り開いてる?」そうやって、取り組む姿勢を育てなくちゃ。
そういうところを、楓は大きく根本から改革しないとだ。
【緑】
緑は前衛のセンスやっぱりあるんだなあって感心する。
でも、やっぱり緑の1番の課題は周りを見ること、周りを見た上で自分が今すべきことを判断することだ。それは、前衛としてうまくなった時にとても大切なことだ。情報を集めて判断するのが前衛だから、今のままじゃ、たとえボレーやスマッシュがうまくなっても試合では全く勝てないだろう。玲稀から伝えられていたように、「誰が、今、何してる?」それを気づけない、考えられない。あの時は、皇子が一人でネットを片付けていたのに、自分の帰り支度だけを黙々とやっている。
「誰が、今、何してる?」「今、自分がまずすべきことは何?」 前衛に転向して、まず最初に取り組むのはここなんじゃないか。
【玲稀】
玲稀は変わった。3年になってから本当に変わった。北信越が近いのだから、Bチームとしてもまずそこを考えて行動すること、そう伝えてくれていた。その上で、ポンポン(ボレーボレー)の時には、ちゃんとAチームについてくれている。こういうところだな、玲稀が変わったところ。今、玲稀は本当にチームになくてはならない存在だ。いつも視野を広くして、全体を考えてくれる。そして優先順位のつけ方が的確だ。


斎藤は何度も言います。
「私は、このチームが心から好きなんです」
「勉強も、このチームと一緒にいてエネルギーをやりとりした方が、結局身が入ります」
僕も、斎藤から学びたいと思います。
誰に対しても偏ることなく誠実に接し、感謝の気持ちを忘れない。
そして、自分が信じたものを「大好き」でいることを。

県総体28

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