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2017年11月

2017年11月30日 (木)

DREAM FACTORY 2017 初冬(号外)

今年もまた 力強く
全国の空へ 巣立ち

新キャプテン前山 宮崎STEP4で2つのメダル!

H29 step4 02

週末に嬉しい知らせが南国から舞い込んできました。
宮崎市で開かれていた競技者育成プログラムSTEP4(次年度全日本代表最終選考合宿)、その中で行われた第12回ジュニアジャパンカップにおいて、新キャプテン前山愛がU-17シングルスで3位、ダブルスで2位に入賞し、二つのメダルを獲得しました。(宮崎県ソフトテニス連盟のHPに結果が載っています http://www.cmp-lab.net/users/MST/step4-2017/)これは新潟県としてはもちろん初の快挙ですし、一握りのトップ選手だけが達成できる高みに前山も近づいてきた、その大きな飛躍をうれしく思います。
今回、何よりも前山が変わったなと実感したのは、シングルスで3位になった後、宮崎から連絡をくれたのですが、嬉しさよりも悔しさを伝え、そしてこれまでにない謙虚さがあふれていたからです。
彼女が喜びとして伝えてきたことは、北越での練習の成果がしっかりと出せたこと、それに対しての感謝の気持ちでした。
前山は才能豊かな選手です。ですがこれまでは精神的に幼くて、エースと凡ミスを交互に繰り返すようなテニスから脱却できませんでした。とても全国のトーナメントを勝ち切れる「強さ」をコート上で表現できる選手ではなかったのです。
ただ、「変態」の兆しはありました。
まず、国体でシングルスを任せられ、いつも勝負のかかる第2対戦で、しかも勝ち負けのすべてを自分一人で背負わねばならないタフな戦いを続ける中で、彼女の中の子供がアスリートへと変貌していったこと。シングルスを本格的に初めて国体までの短期間で全国のトップ選手と互角で戦えるようになった背景には、渡辺コーチがつきっきりで彼女のフィジカルとフットワークを鍛え上げていった、そして前山が信じてついていったことが最大の要因だと思います。(DREAM FACTORY 2017秋 愛媛国体を参照 特に最後にコーチと二人でランを繰り返す写真にその信頼の一端が伺えます)
二つ目は、国体が終わって、もう逃げも隠れもできないキャプテンとして新チームに責任を持たなければならなくなった。けれども先に紹介した通り、今、新チームは泥沼の中をもがいている。問題が続出する。チームがまとまらない。キャプテンとしてもつらい時期です。キャプテン自身も準備不足、指示の不徹底などでチームが軌道に乗れません。でも前山は誠実に自分の甘さ、弱さと向き合おうとし始めていました。「反省」と「向き合う」ことの違いをよく考えなさい、僕からも何度も言われていました。最近の前山は時々とても悔しそうな顔をするようになっていました。
そんな中での「飛躍」のニュースでした。
でも、本当の戦いはこれからです。
これで「蝶」になったなどと勘違いしないように。
まだまだだよね。
まだまだ。
まだまだ…
チームもまだまだ。
おまえもまだまだ。
監督もまだまだ。
だから、頑張ろう!
今日も、これまでと変わらず、確かな一歩を進めよう!

H29 step4 01

このSTEP4には、北信越代表としてU=17に水澤、U=20に鈴木、保科も参加しました。
水澤はダブルスで予選突破してベスト8。
U-20は実業団選手も入ってくるナショナルチーム予備軍で勝ち上がるのが格段に難しくなるカテゴリーですが、鈴木がシングルスで予選を突破してベスト8。保科はダブルスで予選を抜けてベスト8。
全員が高いレベルに臆することなく立ち向かい、新たな課題を携えて帰ってきました。
アスリートとして、日本を代表する選手になれるよう、これからも日々「見ている人に感動を与えられる選手」を目指して努力を積み重ねていきましょう。

2017年11月26日 (日)

DREAM FACTORY 2017 晩秋

荷物満載でぬかるみを進む荷車
このすばらしき泥沼を共に進もう!

H29 新チーム03 H29 新チーム02 H29 新チーム01

季節は廻り、新チームのストーリーが始まりました。
本気で日本一を目指して戦ったこの1年のドラマから、新しいチームは何を継承し、そして何を創造し、どんなドラマを紡いでいくのでしょうか。
とても楽しみです。

歴史を創った3年生が中心から抜け、今チームは毎日ガタついています。気魄をエネルギーに突き進んだチームの中で目標だけを見ていたはずなのに、突然、砂利道をよたよた進む荷車の上で夢から覚めたような感じです。
毎年、秋の代替わりの時期は、チームがごたごたして、なかなか前へ進みません。
当然のことです。リーダーシップが育っていないので、毎日続出する問題を整理できない。問題を整理できないから課題を抽出できない。目の前の問題だけにとらわれるので全体が見えない。
問題渾沌、課題満載、視野狭窄、そして結束未完、推進力微弱。まさに乱雑に積まれた荷物満載の荷車状態ですね。
でも、それでいいのです。この時期はむしろそれがいい。
ただ、ストレスたまります。お互いです。新チームも指導者も、育てようとしてくれている3年生も。
でもでも、この時期は本当に大事だと思います。ここを逃れようとしたり、上辺だけ繕おうとしたり、誤魔化したり楽したりして、この泥沼をバイパスしてしまうと、必ず後ででっかいしっぺ返しを食らう。
人間の成長って、バイパスできません。
高校のテニスコートは「教室」・・というより「道場」をイメージしています。そして15歳~18歳の時期は、人間としての「変態」(生物用語ですよ)の時期だと思っています。レギュラーも初心者も、同じコートで日々自らを追い込みながら自分を超えていこうとする、その「変態」への意志がいろんな人のサポートを集め、チームとしての協働を生み、リーダーの自覚を芽生えさせ、内側から変化を促す(変態する)。それをサポートする作業はとてもストレスフルですが、指導者が高校のテニスコートに立つことの意味は、「いも虫」選手がどれだけ美しい羽根を持つ「蝶」に変わるのか、その「変態」を目にした時の喜びを何物にも代えがたいと思えるかどうかに尽きるのではないでしょうか。
今年も「すばらしい」泥沼の中でもがいております。意志は強いです。新チーム全員の意志ということでは今までで一番の結束かもしれません。一歩一歩、ぬかるみながら歩みを進めていきます。

さて、更新をさぼっているうちに初雪が降りました。
秋の諸大会の結果を載せます。

県新人選抜大会 10月21日 上越市総合運動公園テニスコート
ダブルス
優 勝  前山愛・冨樫春菜
2 位  庭野真李・木村美月
ベスト8  田中遥奈・阿部瑞希
(荒天のため、シングルスは中止)

H29 県新人01
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今年は秋の県新人大会が、全日本選手権(天皇杯皇后杯)と重なってしまい、監督不在の中の戦いでした。しかも新チームの柱の一人水澤も全日本に出場しており、新チームには試練の門出となりました。
第1シードの前山・冨樫は、不安定なところもありながらなんとか優勝。
でも、この大会のニュースは、なんと言っても庭野・木村の準優勝でしょう!
特に庭野は地区大会ではペアがドクターストップで棄権せざるを得なくなり不出場、県大会は水澤に代わっての出場でした。それが第2シードのインターハイ選手を倒し、続いて第3シードの高いスキルを持つ1年生ペアを退けての準優勝、しかも決勝もファイナルまで競る戦いを演じたわけで、彼女のアスリート魂に改めて感じ入りました。
中学時代の庭野は県では全く無名の選手でした。その無名の庭野に声をかけたのは、地区大会でたまたま見た彼女のハートに感動したからでした。
中学3年時の地区大会の団体戦、ベスト4決め=県大会出場決定戦で、ジュニアからの有名な選手をそろえる第1シードの中学校に庭野は必死に立ち向かっていました。圧倒的な技術力の差。さらにペアの前衛は大事なポイントでミスを重ねます。ほぼ1対3の戦い。それでも庭野は食らいつくのです。ガッツを前面に出してペアを励ましつつ笑顔で戦い続けます。第1対戦としてファイナルまで追いついた時、同時進行で戦っていた隣のコートで2試合が終了してしまいました。なんとか最後まで戦わせてやれないのか…そう強く思ったくらい、彼女の熱いハートは観ている人に感動を与えてくれました。
庭野は誠実な人です。(このページの一番下、地区大会に一人出場できなかった庭野が寂しさを抱えながらチームのためにスコアを付けている写真を見てほしいです)一途でひたむきな人です。新チームの部長を任せています。ただ誠実すぎて柔軟性がないのが欠点ですが、それは長所と短所は表裏一体ですから、誠実であるという素晴らしい長所を生かし伸ばしていくテニスをこれからも追究してほしいです。

全日本選手権 鈴木・保科 4回戦(ベスト32) 
10月20~22日 前橋市総合運動公園テニスコート

H29 全日本05 H29 全日本04 H29 全日本03
H29 全日本01 H29 全日本02 H29 全日本06

全日本選手権、3回目の出場となる鈴木・保科は、初めて初日を突破し、2日目には高い実力を有する実業団(ワタキュー)ペアを攻撃的平行陣を駆使して倒し、ベスト32まで駒を進めました。
4回戦の相手は、西日本選手権2位の関西大学:西岡・古田ペアでした。どちらも高校日本一の経験者で西日本のトップアスリートです。
小雨が降り続く悪コンディションでしたが、二人は、相手にも全日本という独特の雰囲気にも悪コンディションにもひるむことなく、全力で勝ちに行きました。
ファイナルまで互角の戦いでしたが、最終的に敵前衛の古田選手の駆け引きが勝りました。ただ、今までの鈴木は、あれだけ動かれるとロブで逃げることが多かったのですが、今回はあの雨の中でも打ち切って戦う道をあえて選択し続けました。西岡選手がほぼ深いロブで続けてくる状況で、保科は何度もスマッシュを決めましたし、鈴木は完全に打ち勝っていました。
鈴木・保科が、個人戦として最後に「北越高校」のユニフォームを着て戦う全国大会。最後は「こう戦いたい」というイメージ通りに戦いぬいたのだと思います。
「守って勝つくらいなら攻めて負けた方がいい」二人の戦う姿からは、そんな思いが伝わってくるようでした。清々しさに満ちた「有終の美」でした。
この大会、鈴木・保科が常に目標としてきた林田・宮下ペアが初の高校生チャンピオンに輝きました。本当に素晴らしい戦いでした。心から祝福させてください。
その上で、4回戦まで駒を進めた高校生ペアは、優勝ペア以外では鈴木・保科だけでした。実際、チャンピオンペアを除けば、今年の全日本で一番戦った高校生ペアではなかったか、ひいき目も当然ありますが、そう確信しています。
もう一つの代表ペア:水澤・田辺は「どんぐり北広島」の高橋・半谷ペアのパックに入りました。高橋・半谷ペアは昨年末からの全国レベルのインドア大会タイトルを総なめした日本屈指の実力ペアです。力ははるかに格上ですが、二人は超高速テンポのテニスに食らいつき、2ゲームを取りました。しかしながら、レシーブゲームを一つブレイクされそのまま2-⑤で敗れました。この二人も北越でペアを組み、日を重ねるごとに強くなっていきました。鈴木・保科の後塵を踏むことが多く全国的には目立ちませんでしたが、インターハイの団体では全勝。個人戦も含めた3日間の戦いでも、個人戦で準優勝した中村学園のエースに競り負けただけ。国体でも優勝した東京に第2ダブルスとして互角の戦い。もう少しこの二人で戦うチャンスがあれば、間違いなく全国上位に名を残せたことと思います。この北越の「畑」で成長し自立した田辺が水澤を精神的に強くリードし、短期間でたくましいペアになりました。この経験はお互いのこれからの競技歴に、その先の人生に必ずつながるよ。ナイスファイトでした!

さて、今回の全日本で感じたこと。
本当にあり得ないと思います。これほど水捌けの悪い砂入り人工芝コートでの全国大会は見たことがありません。晩秋の天気が安定しない時期ですから、降雨は十分想定されたはずです。初日の女子のコートは悲惨でした。「水が浮く」とはよく言いますが、「水が滞っている」のです。雨が上がっても引いていかない。湿地です。下地の排水システムが機能していないのか、そもそも正式な工事をしていないのか、表面は「ぬるぬる」という状態です。今年のプロ野球セリーグのクライマックスシリーズ、阪神対横浜の泥沼試合、あんな感じです。高校生の大会であれば100%実施しません。入れるだけのアンダーサーブが着地しただけで倍速化しノータッチエース。振り回されれば後衛は足元が気になって全力で追うこともできない。実際うちの選手は振り回されて滑り、身体が空中に浮いて尾てい骨からコートに落下しました。痛みが引かず急遽病院へ行くことになりました。これが「真の日本一を決める大会」ですか。大会運営の皆さんを批判しているのではありません。4日間も雨が降りしきる中、コートキーパーの皆さんは献身的に働いてくださいました。夜遅くまで、カッパギやスポンジで水取りをしてくれた地元の中学生高校生の皆さんには本当に頭が下がります。一人ひとりに熱いココアとほかほかの肉まんを配ってあげたくなりました。だからこそ、物申したい。「真の日本一」を決める「日本最高峰の戦い」と銘打つのであれば、日連の責任部署は安全面と運営面を考慮して基準を設定した上で水捌けのチェックをし、その会場での開催の可否について責任を持つべきです。将来日の丸を背負う中学生や高校生も参加している大会です。心ある日連のトップの方、どなたか耳をお貸しくださいませんか。

秋季新潟地区大会 9月13~14日 新潟市庭球場
ダブルス
優 勝  前山愛・冨樫春菜
2 位  水澤奈央・木村美月
ベスト8  田中遥奈・阿部瑞希
シングルス
優 勝  水澤奈央
2 位  前山愛
3 位  冨樫春菜
ベスト8  木村美月、阿部瑞希、庭野真李、清野美穂

H29 秋地区06 H29 秋地区04 H29 秋地区05
H29 秋地区01 H29 秋地区03 H29 秋地区07

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