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2023年5月

2023年5月29日 (月)

HOKUETSU Spirits 2023 〜苫小牧への道〜

全員主役で勝ちに行く

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令和5年度 新潟県総合体育大会(5/26〜28 新潟市庭球場)

【個人戦結果】

 1位 高澤 颯・高橋 憐依(インターハイ・北信越大会出場)

 8位 松沢 将樹・長谷川 大輝(北信越大会出場)

 17位 水野 太陽・中濱 光(北信越大会出場)

【団体戦結果】

 優勝 北越高校(インターハイ・北信越大会出場)

春になり、新入生が加入しました。

この加入はチームに大きな変化をもたらしました。

まずは技術。中学時代に素晴らしい実績をあげた即戦力の選手が加入し、チーム内に競争意識が生まれました。

次に笑顔。とても明るく、前向きな選手が入ってくれたおかげで、常に元気で声の出るチームに成長していきました。

そしてメンタル。今シーズン、私は選手たちにずっと言い続けていることがあります。それはスポーツは「楽しい」ものだということ。部活動とは、時に苦しい場面や厳しい規則などもありますが、スポーツを「苦しい」と感じることには違和感があります。楽しいからこそ、もっと上達したいと思うでしょうし、上達することで更に楽しいと思えるようになるのではないかと思うのです。もちろんチームの中には上下関係もありますし、それぞれがもつ役割もあります。何でもかんでも「自由」なのではありませんが、チーム、仲間が楽しさ、喜びを共有できるような集団であってほしいと思っています。

今大会、個人戦では思うような結果を残せなかった選手が多かったのですが、皆が苦しい場面でも下を向かずに笑顔で戦っていましたし、ベンチの後ろからも大きな声援で仲間を支えていました。

団体戦は、当日まで起用する選手を決めていませんでした。個人戦の結果や内容から最終決定することにしていました。

今年はハイスクールジャパンカップと北信越大会の日程が重なっているため、ハイスクールジャパンカップに出場する1ペア分だけ枠が空きます。その17位決定トーナメントに野崎・小坂井ペアと水野・中濱ペアが出ることになりました。2ペアとも順当に勝ち上がっていき、巻高校や新潟産大附属高校の団体メンバーにも勝利しました。この2ペアで最終戦を戦うことになり、ファイナルゲームの末に水野・中濱ペアが権利を獲得しました。この時点で最後まで戦った中濱と小坂井を団体戦で起用することを決めました。

迎えた団体戦。個人戦で優勝した1年生ペアを崩し、高橋・長谷川、高澤・小坂井、松沢・中濱の3ペアで戦いました。

1つ目のヤマは関根学園との準々決勝。この試合は2面展開で行われましたが、全ての対戦で相手を圧倒する試合運びをしました。特に松沢・中濱ペアが個人戦準優勝のペアを相手に、終始主導権を握り続けた戦いはチームにとって大きな追い風となりました。

次は準決勝、中越高校戦。ここでは1番に出た高橋・長谷川ペアがなかなかペースを掴めず、相手におされる展開でした。しかし、3年生の長谷川が高橋を精神的に支えて、なんとか振り切り1勝。2番に出た松沢・中濱ペアは個人戦3位の大将ペアと一進一退の攻防でファイナルゲームに突入。先にリードを奪われますが、最後まで攻める姿勢を持ち続けた松沢と中濱が大金星をあげて決勝進出を決めました。

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そして決勝戦。相手は新潟産大附属高校。個人戦の結果を見ても明らかに格上の相手でしたので、『挑戦者』として向かっていこう、最後まで北越らしくテニスを楽しもう、と皆の気持ちだけ一つに合わせてコートに立ちました。

第一試合。こちらは高橋・長谷川ペア。この試合は準決勝と打って変わって先に攻めた高橋と、相手後衛との1対1を挑み続けた長谷川が相手を圧倒しG4-0で勝利。次に繋げます。

第二試合は高澤・小坂井ペア。相手はハイスクールジャパンカップに出場する新潟県を代表するペアです。第1ゲームはこちらのレシーブが上手く決まらず、不運な失点もあり落とします。第2ゲームをなんとか取り返しますが、第3、第4ゲームを立て続けに落としてG1−3。さらに続く第5ゲームもP0−2となり絶対絶命のピンチ。しかし、我々には何とも言えない期待感がありました。

県外遠征での戦い、地区大会の団体決勝、なぜか高澤は全く同じような試合展開から逆転勝ちをおさめていたので、おそらく本人にも「まだ大丈夫」という気持ちがあったと思いますし、ベンチにいる我々も全然諦めるような状況ではなかったのです。高澤、小坂井の積極的なレシーブで一気にこのゲームをひっくり返して、第6ゲーム。ここで高澤は賭けに出ます。悪天候のために使ってなかったカットサーブをここで解禁します。そのギャンブルが見事に成功、3球目攻撃を仕掛けて、相手のミスを誘いました。いよいよファイナルゲーム。お互いに攻め手を欠き、ミスも出ながら、それでもついにマッチポイント。ここで高澤がカットサーブを入れてチャンスボールが小坂井の後方に上がります。緊張するな、とは口が裂けても言えない場面。力が入りすぎてインパクトできずにスマッシュミスでデュース。次のポイントは高澤がレシーブで攻めて相手のミスを誘い、またしてもマッチポイント。そして小坂井のレシーブ。落ち着いてレシーブを深く入れると、またしても小坂井後方にスマッシュボールが上がりました。誰もが先ほどのスマッシュミスを思い出しました。

「ヤバい・・・」

しかし、小坂井は落ち着いていました。無理せず丁寧にスマッシュを深く返球し、次のボールを待ちます。そして、まさかのツイストで相手の意表をつくと、最後は全力でハイボレーを叩きこみ、この戦いに終止符を打ちました。

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今大会は、1年生2人の躍動が大きく取り上げられました。新聞にも大きく取り上げていただきました。実際に彼らはすごいプレーヤーですし、彼らがいなければ優勝はなかったでしょう。本当に素晴らしい戦いをしてくれましたが、やはりチームを支えたのは上級生たちでした。

苦しい準決勝でペアを支えた長谷川。最後の最後、不安を振り切って勝負した小坂井。そして、チームに勇気と勢いを与えた松沢と中濱。そして、出番はなかったけれど、チームを作ってきた石川、大杉、キャプテン谷澤。

このチームは何度もぶつかりました。葛藤もあったでしょう。心が折れてしまった選手もいたでしょう。だけど、そのたびに立ち上がりました。苦しいときもありましたが、前を向きました。笑顔を忘れませんでした。そして、テニスを楽しんでくれました。

たくさんの方々に支えていただきました。私の無理難題にも、最高の形で応えてくれた保護者の皆様!週末の練習のたびに相手をしてくれた Free Style のみんな!会場まで足を運んでくれて一緒に応援してくれた卒業生のみんな。大会前日にメッセージをくれた卒業生。そして卒業生の保護者の皆様。いつも応援してくれて、大会前に差し入れをしてくれる北越サポーターのみなさん。

本当にありがとうございました!!皆様と一緒に、この感動を分かち合えたことが何よりも嬉しいです。

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このチームのスローガンは『全員主役で勝ちに行く』。

苫小牧でも「主役」になるべく、これからも笑顔で、楽しく、北越は頑張ります。これからも応援よろしくお願いいたします。

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