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2023年6月

2023年6月21日 (水)

HOKUETSU Spirits 2023 ~強さと弱さ~

第65回 北信越高等学校ソフトテニス選手権大会

高澤・高橋ペア優勝!松沢・長谷川ペア準優勝!

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 6月17日、福井県越前市武生中央公園。北越の歴史に新たな1ページが加わりました。

 北信越大会には、県総体1位の高澤・高橋ペア、8位の松沢・長谷川ペア、17位の水野・中濱ペアが出場しました。

 県総体で残り1枠を勝ち取った水野・中濱ペアは第一試合、福井県代表のペアを相手になんとか勝ちを拾いました。攻めていく姿勢はありましたが、単調な攻撃で「相手と戦う」ことが徹底できていなかったように感じますが相手のミスにも助けられG4-2でなんとか2回戦に進出しました。

 2回戦の相手は第1シード、石川県のチャンピオンとの対戦でした。序盤は相手に硬さもみられ競りながら進みましたが、中盤以降は一方的な試合となりG1-4で敗戦。このペアはリードしているとき、競っているときは相手に向かっていけるのですが、少し差が生まれるとあっという間に自滅します。ダブルフォルトやレシーブミスなど凡ミスを繰り返し、自分自身の首を締めてしまいます。強い相手にこそ無駄な失点は減らさなければならないのは当たり前ですが、それができなければ壁を超えることはできません。水野は2年生ですが、今のままでは来年はこの舞台に立つことはできないでしょう。ここから成長できるか、苦しいときに踏ん張れるか。この1年の大きな課題になるでしょう。

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 次は松沢・長谷川ペア。県総体では悔しい8位。インターハイ出場を逃し、この北信越大会が最後の個人戦です。初戦となった2回戦は序盤G2-0とリードしますが、そこから浮き足立ち3ゲームをあっという間に取られてしまいます。しかし、そこで崩れなかったのがこの2人の強さでした。ファーストサーブをしっかりと成功させて6ゲーム目を奪取するとファイナルゲームは最後まで攻撃の手を緩めませんでした。

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 続いて3回戦は危なげなくG4-1で勝利して4回戦。富山工業との対戦。なかなかペースをつかめない難しい戦いになりました。しかしG1-2からプレーの精度を上げていき、長谷川のネットプレーで締めるという2人らしい戦いで逆転しました。

 次は5回戦。相手は4回戦で石川県の能登高校を大接戦の末に破って上がってきた上伊那農業(長野)のペアでした。後衛の打力が素晴らしいペアでしたが、松沢の打力が相手のそれを上回り、主導権を握ります。G3-0から2ゲーム挽回されてしまいましたが、6ゲーム目を落ち着いて戦いG4-2で勝利。


 そして準決勝。北陸高校(福井)との試合は、一進一退の攻防が続きます。互いの攻撃力が守備力の上をいくような展開でした。ファイナルゲームにもつれ込んだ激闘は、最後に松沢のカウンターが突き刺さりゲームセット。県総体の悔しさを乗り越え、笑顔の決勝進出となりました。

 高澤・高橋ペアは県総体のチャンピオンとして、この大会に臨みました。なかなかこちらのサーブで崩れてくれず、ペースをつかみきれない試合ばかりでしたが、常に落ち着いてプレーを続けていきました。サービスゲームが取れないのならレシーブゲームをしっかり取り切れば負けることはありません。当たり前のことを当たり前にやる、言うのは簡単なことですが戦いの中で、それを実行するのは簡単ではありません。しかし2人は、「当たり前」を積み重ね続けました。

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 順当に勝ち進み、準決勝。水野・中濱ペアを圧倒した石川県のチャンピオンとの戦いになりました。やはりサーブは対応されて主導権がとれません。さらにレシーブゲームでも先に崩されてしまい、G0-2。ここまでくれば簡単な相手などいないのは当たり前ですが、ここまで勝てるビジョンがイメージしにくいのは初めてです。3ゲーム目も相手に崩されながら進んでいきましたが、攻めることはできなくても失点はしない、2人の気迫のこもった戦いでなんとか1ゲームを挽回します。少しずつ相手の攻撃に対応していき、ゲームを取り合ってなんとかファイナルゲームに持ち込みます。ファイナルでも相手にリードされる展開でしたが、何度も耐えてデュース。マッチポイントも何度か凌がれましたが、最後は高澤が腹をくくって前に出てハイボレーを叩き込み決勝に進出。このとき北越として初めて、北信越という場での同校決勝を実現しました。

 夕暮れの中始まった決勝戦。序盤は高澤・高橋ペアの攻撃が上手く決まり、松沢・長谷川ペアはポイントを取れません。あっという間にG2-0となります。しかし、ここから松沢のリスクを負った攻撃が成功、長谷川も積極的に攻めていきます。高澤・高橋ペアのミスも多くなり、流れが変わります。G2-3、逆転。しかしここで高澤・高橋ペアはギアをあげて攻めに転じます。ファイナルに追いつき、流れがまた変わります。松沢、長谷川に焦りがみられ、差が開きます。P6-3、高澤・高橋ペアがマッチポイントを迎えます。しかし、3年生の意地が簡単に戦いを終わらせません。なんと、ここから4ポイント連続でとって逆マッチ。

 さすがに勝負あったかと思いましたが、高澤・高橋ペアの心は折れません。このマッチを凌ぎます。さらに次のポイントを松沢たちがとりますが、それでも気持ちを切らさず、ついに逆転。ファイナル10-8という大接戦をものにしたのは北越の新エース、高澤・高橋ペアでした。

 すばらしい戦いでした。4人の意地がぶつかり合う、まさに鬼気迫る戦いでした。中学時代から実績を積み上げ、北越で新たな歴史を作るという決心とともに入学してきた高澤と高橋。また、どんなに苦しいときもチームの柱として北越を支えてきた松沢と長谷川。この4人の戦いが、まさか北信越の決勝で観られるとは夢にも思いませんでした。

 おめでとう、高澤・高橋。ありがとう、松沢・長谷川。

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 翌18日。この日は団体戦が行われました。

 個人戦の1位と2位を擁し、第2シードとして挑んだ北信越団体はまさかの1回戦敗退となりました。

 相手の羽咋工業(石川)にどんどん攻められ、ペースをつかめません。なんとか第1対戦は勝利しましたが、第2対戦、第3対戦は相手の勢いに完全に萎縮してしまいました。とくに前衛陣が狙われて失点を重ね、焦った後衛にもミスが出るという悪循環で、まったく戦えずに終戦となりました。

北信越初戦敗退。自分のせいで負けた。

3番勝負にまわってきて責任をもって戦えなかった。

正直、北信越をなめてた。たかが県総体優勝したからって調子にのってしまってた。

やっぱり覚悟が足りない。

県総体のときは常に焦りがあったし、負けたら次がないことを知っていたから本気になれた。

このチームでできるのも1ヶ月ちょっとしかない。

このチームの終わりは勝って終わりたい。

残りの自主練などを自分のために、そしてチームで勝つために取り組む。

同じ過ちをしない。(2年 小坂井天詩)

 インターハイまで、残された時間はあとわずか。このチームがどんなゴールを迎えるのか。この北信越大会では、それぞれの選手の強さと、チームとしての弱さを露呈しました。この壁を乗り越えることができるか。苫小牧で最高の戦いができるか。

 ここからはチームが『魂』をもった集団になれるかの勝負です。

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