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2015年6月

2015年6月23日 (火)

HOKUETSU Spirits ~2015 加速~

阿部・星野ペア快挙!16年ぶりに個人戦制す!!



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阿部将大・星野雄慈ペアが北信越選手権大会個人戦でチャンピオンに輝きました。

 迎えた決勝戦。1G目は相手のミスが重なり取ることができましたが、その後は相手の打球力、スピードに押されG1-3。万事休すかと思われました。しかし、ここから2人に流れが訪れます。4Gの間に相手の動き、ボールスピードを掴むと阿部が次々とオープンスペースにボールを配球し、相手の攻撃を止めていきます。そして星野は積極的にポジションを取り、ボレー、スマッシュを叩き込みます。相手のミスも呼び込み、ファイナルゲームに突入します。ファイナルゲームは一進一退の攻防が続きますが、カウント5-5から星野のストレートポーチボレーで勝負あり。最後は相手のボールがネットし、ゲームセット。初の栄冠を手にしました。決勝戦の相手は石川県能登高校のエースペア。彼らはU-17日本代表に選出されている選手で1月に行われた北信越インドア大会では圧倒的な強さで優勝したペアです。それに対して阿部・星野ペアは北信越インドア大会2回戦負け。この時点では間違ってもこの舞台に上がれる選手ではないと誰もが感じていたと思います。そこから這い上がってきたこの2人の努力は並々ならぬものがありました。苦しいトレーニングにも耐え、自らのプレーを一から見直しました。4月に奈良県で行われた研修大会では結果が出ず、さらに2人はもがきます。県内大会でも満足いく結果を得られたわけではありませんでした。それでも2人は前を向き続け、間違いなくチームで1番努力をしてきました。だからこそ得られた栄冠であり、今回の優勝は決して偶然ではなかったのかもしれません。
 決勝戦にたどり着くまでも苦しい戦いが続きました。準々決勝は第4シードで福井県のチャンピオンでした。G3-1のリードから疲労からか阿部のフットワークが悪くなります。そこからミスが多くなり、G3-3に追いつかれます。最後は阿部の気力と、苦しい阿部を助け続けた星野のチームワークで勝利しました。続く準決勝は冬の北信越インドアで負けた金沢学院東高校のエースペア。練習試合でも何度も対戦しており、競った試合になることは間違いありませんでした。お互いにやりづらさを感じながらのゲームとなりましたが、相手の攻撃から逃げることなく攻撃をし続けG4-2で冬の雪辱を果たしました。
 さて、今大会は実は私は阿部・星野ペアのベンチには入っていません。すべて小柳コーチに任せました。ベンチ入り指導者というのは、チェンジサイズ時に選手たちに次のゲームの戦術を指示したり、プレーの改善点をアドバイスするのが主な役割です。しかし、阿部と星野は2人で会話をし、自分達で『次』を具体的に決めることができます。あとはベンチ入り指導者に必要なことは相手の心理を話したり、広い視野でコートを観察することです。現在も現役選手としてプレーしている小柳コーチが適任だと思いました。毎晩遅くまで阿部、星野の練習相手もしてくれており、信頼関係も盤石です。3人でこの北信越大会を戦い抜いてくれました。
 この大会を通して、阿部・星野ペアの成長を実感しました。苦しい場面が多かったのですが、2人はうつむくことがありませんでした。どんなときでも『次の1点』を考え続けたのだと思います。本当におめでとう!2人が目標としてきたインターハイまで、あと1ヶ月あまりです。さらに大きな挑戦をしてほしいと願っています。
 この北信越大会には他に3ペアが出場しましたが、相手や環境からのプレッシャーもあり、ベストパフォーマンスとは言いがたいプレーが多かったように感じます。県外大会となると、始めて見る選手がほとんどです。対戦のたびに相手のプレースタイルや戦術などを考えて戦わなければなりません。さらに今大会は雷雨に見舞われ、何度も中断を挟みました。そんな環境の中、観察する力、状況を把握する力、戦術を考える力などが求められます。技術の向上はもちろんですが、その他にも戦いには必要な力があり、その力の向上が必須なのだと感じています。まだまだ大きな山が目の前にはそびえ立っています。この北信越大会を機に加速していけるかが、この山を登り切る鍵になるでしょう。

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2015年6月16日 (火)

HOKUETSU Spirits ~2015 前へ~

6月5日から7日まで、上越総合運動公園にて新潟県総合体育大会が行われました。県総体というのは、3年生の思いが会場全体を包み込み、その思いを1,2年生が受け継いでいく特別な大会です。他のどんな大会とも異なる独特な空気が会場中に漂っています。

まず、5日には個人戦の準々決勝までが行われました。北越高校からは8ペアが出場。選手たちは非常によく頑張りました。
苦しい戦いから逃げることなく、最後の一球まで歯を食いしばりました。3年生たちが自己ベストで戦い切ったと思います。まずは帆苅健・高橋祐太ペア。組合せを見たときに「苦しいな。」と感じました。相手は1年生ながら中学時代に素晴らしい実績を誇る選手で、勝機を見いだすのは難しいかな、と思いました。いいプレーは随所にありましたが、決めきれずゲームカウント0-3。しかし、ベンチに戻ってきた選手2人の目は死んでいません。「このままでいいのか。1,2年生に何を残すんだ。」そこから2人は心のギアを1段階あげたようなプレーを見せ、2ゲームを挽回。あと一歩届きませんでしたが、『北越魂』を見せてくれました。
次は樋口義仁・水野宙ペア。この2人は地区大会でも素晴らしい戦いを見せ、自力で県総体への出場権を得たペアです。この大会の初戦は柏崎常盤高校でした。緊張からか動きが堅く、攻撃が単発になります。凡ミスも多くあり、競った試合になりました。しかし終盤には緊張、不安を振り切り戦い切り、ファイナルゲームで勝利しました。次は新潟南高校のエースペア。この試合はまさに2人のベストゲーム。樋口は相手後衛から逃げずに立ち向かい、ラケットを振り切りました。水野は積極的にポジションを取り、どんどんポーチボレーに出ました。あと一歩届かずファイナルゲームで敗退しましたが、2人の勇気あるプレーはきっと1,2年生に届いたはず。ナイスゲーム!!
4月に行われたHJS県予選で上位に入った河村昌輝・田沢優弥ペア、樋口誠也・近藤守ペアはそれぞれ燕中等教育学校の2ペアに敗退しベスト16。残念ながらインターハイへの権利を得ることはできませんでしたが、この悔しさをバネに次の目標に突き進んでほしいと望んでいます。

この1日を勝ちきったのは阿部将大・星野雄慈ペアと波塚寿稀亜・田辺達也ペアでした。波塚・田辺ペアは苦しい戦いが続きました。新潟工業高校のエースペアとのベスト8決めの試合では波塚が序盤に脚をつってしまい、思うようなプレーが出来ません。フットワークが遅れ、打点が遠くなります。最大の武器である強打がコントロールできず、相手に攻め込まれます。しかし波塚は逃げることなく長いラリーを耐え、なんとか勝利を掴みます。次の相手は新潟産大附属高校のエースペア。攻撃力のある相手で一進一退のシーソーゲームとなりました。昨年はここで敗退した波塚はインターハイ出場を逃し、とても悔しい思いをしました。この試合に懸けていたのでしょう。強い思いがありました。そして田辺はその思いに応えるかのように積極的なプレーで波塚を助けました。ゲームカウント4-2で勝利し、ベスト4。インターハイへの切符を手にしました。インターハイ出場おめでとう。
6日には個人戦の準決勝、決勝が行われました。準決勝は同校対決。阿部・星野ペアがHJS予選決勝の借りを返し波塚・田辺ペアに4-0で勝利。そして決勝では燕中等のエースペア。何度もこのペアとは戦い、勝率も五分五分。どちらに転んでもおかしくないと思っていました。冬の北信越で悔しい敗北を喫した阿部は自分のストロークを見直し、自分自身に厳しい課題を課してきました。この大会への思いがありました。この大会を通じて阿部のボールが相手の攻撃を押さえ込み、星野がポイントを取るという2人のスタイルで決勝戦も相手を圧倒し、なんと4-0で勝利。ついに2人が県で一番大きなタイトルを手にしました。

6日の午後からは団体戦が始まりました。昨年のこの大会の決勝戦で燕中等に敗れて以来、団体の優勝旗を獲ることを最大の目標とし、練習してきました。どうしても勝ちたいという思いは、ときに重圧となり普段のプレーができなくなります。今年の団体戦はその思いとの戦いだったのかもしれません。準決勝では第4シードを破って上がってきた勢いのある新発田中央高校。勢いのある相手との戦いは受け身になったら負けてしまいます。自分たちのプレーを徹底し、積極的に戦っていく必要があります。危ない場面は多々ありましたが、なんとか勝利。そして決勝戦。準決勝で第3シード燕中等を破った巻高校との対戦になりました。巻高校には勢いだけでなく、インターハイへの強い思いがありました。その思いに受け身になってしまったかな、と感じています。競った試合で1勝1敗。最終戦を阿部・星野ペアにたくしました。ゲーム内容は互角に近いのですが、大事なポイントを取ることができず、次第に押されていきます。最後は2人のミスがでてしまい、無念の敗戦。1年越しの思いは叶わず非常に悔しい幕切れとなりました。

大会期間中、応援に来てくださった保護者の皆様、卒業生のみなさん、どうもありがとうございました。結果は残念でしたが、夢を目指して努力した1年は決して無駄なものではないと思います。みなさんに支えられ、応援されていたからこそ、彼らは頑張ることが出来ました。諦めずに戦うことが出来ました。この悔し涙がいつか、彼らを成長させる肥料となることを願っています。

団体でのインターハイは逃してしまいましたが、今後も大きな大会が続きます。まずは北信越大会。団体戦と個人戦4ペアが出場します。次はHJS本戦。ダブルスでは波塚・田辺ペアが、シングルスでは星野雄慈が出場します。そしてインターハイ。今年は7月28日から31日に奈良県明日香村にてインターハイが行われます。個人戦に出場する2ペアが自分たちの夢を追いかける一番大きな舞台です。今後とも応援をよろしくお願いいたします。

星野雄慈のノートから

大会前日
今日は上越に行って会場での練習となった。やっぱり風は強かった。でもわかっていた事だし、あとは本番で頑張るだけ!
冬場だって他に負けないくらいトレーニングをしてきたし、どこよりもみんなで努力してきたんだから信じて戦う!一番最後はそこの気持ちの部分が力になってくれる!
北越みんなで勝ちにいく!目指すは団体で一番を取る!絶対負けないんだ!
不安になったら今まで自分がやってきた事を信じて、チームの仲間を見る!
北越魂!

大会終了後
今回はまた3番勝負の末に負けてチームとしてIH出場は出来なかった。ただただ本当に悔しい。どれだけこの日のためにみんなで頑張ってきたのかなんて思い出せないくらい悔しい。この場面で勝てない自分にまだまだ力が無いと思ったし、最後の最後で頼もしいキャプテンになる事はできなかった。
チームとしては北信越があるから、そこでは新潟一番の成績を残す!いや、北信越で一位のチームになる!
個人としてはペアとしてもまだまだな所もあるから2人で話をしてインハイまでにはもう1つ上のレベルのテニスをできるようにする!
まずは自分の課題をハッキリさせて、これからどうしていくのかと言うシナリオをしっかりと立てる!そこからまた始めよう!


波塚寿稀亜のノートから

昨年と同じ結果になってしまった。今回の負けは技術ではなく、気持ちで負けたと思う。巻はみんなの気持ちが1つだと思った。しかし北越はバラバラだったと思う。選手、応援とみんな気持ちが1つではなかったから負けたと思う。団体の団は自分は団結の団だと思っている。みんなの気持ちが団結しなければ、勝てるはずがない。2年前の北越は団結していたから勝てたし、みんな同じ思いだから勝てた。今回で1,2年みんなが悔しい思いをしたから、来年は必ず優勝してほしい。そのために自分がやれることはしっかりと残していきたい。


阿部将大のノートから

個人戦1日目は曇っていたけど雨は降らずほぼ風は無かった。ファーストサーブの確率が良く、そこからすぐに自分達の攻めの形をつくることができたのが良かった。レシーブでも落ち着いて先手をとっていくことで常に主導権を握ったまま試合をすることができた。課題としていたリードしている時の凡ミスについてはほとんどせずに試合を進めていくことができたので5試合中4試合をきちんと0で勝つことができた。落としてしまった1ゲームはやはり凡ミスが続いてしまった。まだまだちゃんと意識していかないといけないところだと思う。2日目は雨が降っている中での準決、決勝だった。サーブは遅くてもファーストを入れるようにし、レシーブもコースをついてコートにおさめることを意識した。雨の中で吹くのは当たり前でみんなはそこを意識するから、自分は吹かないように意識するけど吹いたら仕方ないから、それでも後衛と絶対にラリーをつなげるという意識でやっていった。おかげでミスが出ても気にならなかったし、ほとんど相手のミスが先に出てあとは星野が少し動いて決めるという感じで勝つことができた。でも奈良で見た試合はちゃんと打ってラリーしていたし、雨が降っていないんじゃないかっていうくらいだったから全国でやるにはもっとちゃんと打てないといけない。星野は他の前衛と比べても劣ってないから、あとは自分がどれだけ全国レベルと戦えるかだと思う。今回の大会には全然自分の理想としてるストロークの形を作るのが間に合わなかったので、これからインターハイに向けて頑張っていきたい。
団体戦は決勝で巻とあたり、3番勝負で回ってきて2-4で負けてしまった。結局決勝の3番というプレッシャーに負けてしまい本当に情けないなと思った。明らかに星野も緊張してて調子が思うように上がってなかったのにうまく声をかけてやることができなかったし、プレーでも全然助けてやることができなかった。星野は今まで自分がミスしてたときも打てるようになるまで諦めずにプレーして点とってくれて助けてくれたのに自分にはそれができなかった。かといって自分から指示を出して楽にプレーをさせることもできなかった。やっぱりそういうところがまだ自分には足りてないところだと思う。少しは自分でできてる気になっていたけどやっぱり星野に頼るのが大きいなと思った。いつもの調子ならまかせていいけどこういうときは自分の展開を伝えてやっていけるようにしたい。そこで遠慮するのは自信がないからだと思うから自信が持てるくらい練習し、星野にも信じてもらえるようにしたい。



インターハイ出場を決めた3年生3人は悔しい思いを胸に、前進していこうとしています。それこそが北越魂。チームの伝統はこうして重くなっていくのだと感じます。さぁ、インターハイに向けてもっともっと挑戦していこう!!

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