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2020年4月

2020年4月 6日 (月)

HOKUETSU Spirits 2020 ~春を迎えて~

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4月6日。北越高校は新学期を迎えました。

新型コロナウイルス感染防止のため、3月より休校となっていた本校ですが、本日より再スタートを切ることとなりました。ただし、このウイルスの脅威はまだまだ終息が見えず不安な日々は続きます。私たちも子どもたちも、自覚をもち国民の一人であるということに責任感をもって、この戦いに耐えなければなりません。

 

さて、休校となっていた間、当然部活動は自粛していました。それぞれが感染予防に努めながら「心」「体」「知」を鍛えてきました。今回はその中の活動について一部、ご紹介させていただきます。

チーム北越には月に1冊、読書をするという課題があります。その内容の要約や感想などをノートにまとめて提出することになっています。この休校でじっくり読書する時間がとれましたので、その取り組みについて少しですが紹介させていただきます。

 

「野球ノートに書いた甲子園」を読んで

 この本は、競技は違うけれど、いままで書いている部活ノートの「存在」を考えさせられるような本だった。書き方に正解はないと思うし、量がすべてでもないし、見返したときに自分にとってプラスであればいいと感じた。練習したことを1人でノートを書くときに思い返して、その瞬間に戻れるというメリットはすごく大きいと感じたし、それが次の日、その次の日へとつながっていくから自分自身の向上、それが技術だけじゃなくて内面的なものも変われると思った。

 今までの書き方が悪いとは思わないけど、もっとノートに感情だったり意思を書いていいと思う。やっぱり自分の中でもいいメンタル状況でいられるのがいつもではないし、大会でいいメンタル状況でいられることなんてほとんどないと思う。そう考えると今までのノートは自分の考え、やったことについてが客観的に書かれすぎていて平坦な気がした。最後に自分がやってきたことの証にするために、読み返して緊張を和らげるためにも、もっと毎日の気持ちの中でどう取り組んだのかが必要だと思わされた。

 今、自分に足りていないのは自分の意思だと思う。やりたいことばかり優先してもいけない。でもまわりばかり優先して自分を後回しにしてもいけないと思う。自分がどうありたいのか、どう終わりたいのかがまだ薄いと思わされた。(山崎 隼人)

 

「スポーツに学ぶボトムアップ理論」を読んで

 この本を読み終わってまず感じたことは、自分が目指しているもの、理想とするもの、それを実現するために行動したこと、チームに発信したことがぴったり重なるような内容が多くて、すごくびっくりしたし、自分がやってきたことに自信もついた。自分の理想とこの本を書いた人の求めていたものが重なっていたのもあるし、この本を読んでみて、寺尾先生が、この本から吸収してボトムアップというスタイルを追求しているのを感じて、その寺尾先生の教えに自分は影響を受けたからこそ、この本を読んで共感をもつことができている部分も確実にあると思う。この本は監督向けの本だと思うけど、自分の今の立場からして、自分が今一番求めていた視点だったと思う。特に自分がこの本を読んで改めて大事だと思ったことは自主自立の育成、つまり人間力の育成。自分がこのチームを発足させる上で理想としたチーム像は「自主自律」というスタイルで、寺尾先生の一人一人に役割、リーダーを与える提案だったり、コミュニケーションの改善、チームに対する意識を変える働きを発信してきて、少しずつやってきたものが「自主自律」につながってきていると思う。だけど、まだ足りないと感じるのが正直なところではあって、もっとそのためにいろいろ考えて実践していきたいと思う。(八木澤 爽空)

 

「THE TEAM」を読んで

 この本を読んで自分の心に響いたことは「目標を確実に達成するのが良いチーム」なのではなく「目標を適切に設定するのが良いチーム」だということだ。どうすれば目標を達成できるのか、ではなく「どのような目標を設定するのか?」がとても大切になってくるという文だ。逆に達成しやすい目標ではなく、自分の限界を超えないと達成できないような目標をいかに立てられるかが大切になってくると思う。

 そこで大切なのは意義目標・成果目標・行動目標だ。今の意義目標は「打ち破る」。去年の壁を越えるという目標だが、今はこれといった成果目標はない。成果目標は「打ち破る」に一歩近づくためは、という具体的な目標を決めることだ。だから部活が始まったら月の目標を立てようと思う。4月なら4月、5月なら5月の目標を立てるようにする。そうすると目標に向かってみんなのモチベーションを上がるし、チーム力も上がるからだ。もう一つはリーダーの決断で決定するタイミングだ。なんでもみんなで話し合って決めるのはいいことだと思うが、そうすると時間がかかるというリスクがある。だからリーダーは時間と判断を最小限にするために、このタイミングをしっかり考えなければいけない。自分は決めごとがあるときに、「みんなどう思いますか?」と聞いてしまうことが多かった。でもそれで時間がかかるしメンバーへの信頼もなくなってくるので、そこのタイミング、メリハリをしっかり出来るようにしたい。(渡辺 龍摩)

 

「だから僕は練習する」を読んで

 この本を読んで感じたことは、プロで戦っている人、上のレベルで成績を出している人に大事なのは安定感だということだ。結果が求められるのがスポーツの世界だと思う。波があるような選手じゃ通用しない。センスでやっているプレーは安定感に欠けると書いてあった。

 安定感に欠けるなら、そのセンスではなくて、ちゃんとした技術として自分のものにする。

 著者が最初のほうに書いていたけど、ズバ抜けているようなものがなく平凡な選手と言っていた。自分も体格がいいわけじゃないし、力があるわけでもないし、何もないからこそ他の人がやらなそうなことを見つけて今まで工夫してやってきた。それが結果として出ることも出ないこともあった。

 それを結果として出せるように極めて自分のものにすることができれば、自信にもなると思うから、これからは今までよりも意味のある練習をして、自分のプレーを見つけて練習していく。(加藤 洸太郎)

 

「弱さをさらけだす勇気」を読んで

 自分は今まで強くなることしか考えられていなかった。でもこの本を読んで「弱さ」と向き合うというのを知れた。自分はいつも他の人を気にしていて他の人が良いプレーをすれば、それを観るたびに自信を失っていた。「上手くなったね」と言われるのが信じられない。その部分では自分は「弱さ」を知れていたのかもしれない。自分は「弱さ」を今まで認められていなかった。ずっと嫌なことから逃げてきた。だからいつも中途半端で終わってしまう。もっとそこに向き合えば違う自分が出てくると思う。「弱い」のにわかっているのに、やらないというのは、ただの逃げと一緒。そこから抜け出したい。強くなるためには弱さを潰すしかない。だからそれを逆にチャンスにする。この本を読んで思考が少し変わった。捉え方が変わった。他の人とはもう比べない。自分の弱さと向き合う。向き合えばその先に何かが待っていて答えがあるかもしれない。これからは、それを探しに行きたい。「弱さ」と向き合ってチャンスを必ず掴む。(久保田 貢巧)

 

 

 コロナウイルスの影響は、どこまで拡大するのかわかりません。今年の3年生にとっては非常に苦しい現実が待ち受けているかもしれません。しかし、私たちはソフトテニスから多くのことを学びました。ソフトテニスを通じて多くの人と出会いました。これらは決して無かったことにはなりません。私たちの大切な財産となってこれからも私たちを助けてくれるでしょう。

 世界中を巻き込む重大な出来事ですが、春の日差しを浴びていつものように美しく咲く桜のように、いつの日か「いつものように」を取り戻すことができると信じましょう。