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2016年5月

2016年5月13日 (金)

HOKUETSU Spirits ~2016 課程~

春の戦い 始まる!


 4月23日、24日にハイスクールジャパンカップ新潟県予選会(通称ハイジャパ予選)が行われました。この予選会は優勝した選手が6月に札幌で行われる全国大会に出場することができる大会です。まずは23日、ダブルス競技が行われ、チーム北越からは樋口(3年)・田辺(2年)、石黒(3年)・中野(2年)、高木(3年)・近藤(3年)、山本(1年)・秋葉(2年)の4ペアが出場しました。
 どんな大会でも選手たちは緊張しますが、この緊張が味方となるか、敵となるかは選手次第です。良い緊張感をもって戦うことができる選手と、過度な緊張によって身体の動きが悪くなる選手とに分かれます。まずは3年生ペアである高木・近藤ペア。この2人はかなりの技術を持っています。その力を発揮しきれれば十分にインターハイを狙えるレベルにいると確信しています。しかし、この2人は緊張を味方にするのが極めて苦手だと言えます。この日は高木の調子は悪くなかったのですが、近藤の足がまったく動きません。相手の打球を目だけで追ってしまい、ミスを連発してしまいました。悔いの残る1回戦敗退。この悔しさを最後の戦いで喜びに変えられるよう、強い想いを持って練習してもらいたいと思います。
 次に山本・秋葉ペア。1年生の山本(巻東中出身)は中学時代に出場した県大会で小千谷中の選手に敗退し、中学テニスを引退しました。とても悔しそうな表情で最後のアドバイスを受けていたことをよく覚えています。そしてこの春、北越高校への入学を決め、チーム北越に加わりました。また、秋葉は昨年は後衛でしたが、冬に前衛にコンバートした選手です。経験は少ない選手ですが、高い運動能力と持ち前の勝負強さで頭角を表してきました。このハイジャパ予選では山本にとって因縁の相手である、小千谷中出身のペア(現在は長岡商業に進学)と2回戦で戦うことになっていました。山本は中学時代のリベンジに燃えていました。この試合では山本のストロークが相手の攻撃を完璧に封じ、4-0で勝利。北越高校への入学を決めた頃から徹底してストローク力を上げて、このシーズンに臨んだ山本は1年生とは思えない打球で秋葉とともにトーナメントを戦いベスト16まで進出しました。
 樋口・田辺ペアと石黒・中野ペアは冬の県インドアで上位に入賞し、他チームからも注目、研究されています。その中でも自分たちの目指すテニスを貫き、戦いました。苦しい試合も多くありましたが、この2ペアでの決勝を実現し、ファイナルゲームの末、樋口・田辺ペアが優勝を決めました。
 24日にはシングルス競技が行われました。ここでは田辺が他を圧倒し優勝。北越高校としてシングルス3連覇を達成しました。

               山本秋葉タッチ

 GWが明け、5月6日、7日には春季地区大会が行われました。6日の個人戦は、多くの1年生たちにとってのデビュー戦であり、3年生にとっては負ければ終わりの大事な大会でした。高校から始めた佐藤(3年)・阿部(3年)ペアは1回戦、大接戦の末に勝利。2回戦はシード選手を相手に残念ながら敗退しましたが、最後まで北越魂を見せ、戦ってくれました。小林(1年)・加藤(3年)ペアは加藤がよく小林をフォローし、1回戦を勝利しました。やはり2回戦はシード選手に負けてしまいましたが、加藤は最後まで3年の意地を見せてくれ、小林を引っ張りました。小林にとっては非常にいい経験になったはずです。今後の成長にも期待したいと思います。
 新潟地区は激戦区です。ハイジャパ予選は上位のほとんどを新潟地区の選手が占めており、地区大会を勝ち上がることは非常に難しいと思います。その中で阿部(1年)・玉木(1年)ペアが大健闘をしてくれました。GWに行った遠征期間中にどんどん成長し、北信越の上位チーム相手に互角に近い戦いまでできるようになりました。その経験をこの地区大会で発揮してくれました。1回戦から難しい相手でしたが徹底して粘り、チャンスではどんどん仕掛けていきました。結果、決定戦を勝ち抜き県総体への切符を獲得しました。まだまだ荒削りな選手たちです。これからどんどん成長していってくれるでしょう。
 ハイジャパ予選に出場した4ペアは揃って県総体への出場権を獲得しました。高木・近藤ペアは競った試合が多かったですが、なんとかベスト16に進出。しかし、もっと高みを目指せるペアです。県総体での更なる奮起に期待しています。また山本・秋葉ペア、石黒・中野ペアはベスト8。石黒・中野ペアは巻高校のエースペアに徹底して対策され、無念の敗退を喫しました。しかし、こんなことでつぶれてしまうペアではありません。県総体では必ず大きく成長した姿を見せてくれるはずです。そして樋口・田辺ペア。この日は樋口の出来がすべてでした。相手の打球に対して、受身になることなく攻め続けました。6試合を戦って失ゲーム4。決勝でも燕中等のエースペアに4-1と圧倒し優勝。秋春連覇を達成しました。

     佐藤サーブ 加藤・小林タッチ

 7日は団体戦が行われました。準決勝の新潟工業戦では石黒・中野ペアが工業のエースペアになんとかファイナルで勝利。樋口・田辺ペアが安定した戦いで勝利し決勝に進出しました。そして決勝戦の相手は燕中等。準決勝から石黒の調子が思わしくなく、非常に苦しい戦いを強いられます。対戦成績1-1で3番手に回りました。相手はエースの後衛を3番に残していました。対する北越は高木・近藤ペア。打球力では引けを取りませんが、戦術面では大きな差がありました。要所を締められ敗退。悔しい準優勝で地区大会を終えました。

 3月末からこのチームは様々な経験をしてきました。県外遠征を通じ、インターハイ常連校との練習試合を重ね、着実に成長しています。その過程の中で、技術以外の成長が著しい者と、そうでない者に分かれていきます。遠征では寝食を共にします。一人の時間はほとんどなく、すべてが集団行動です。その集団の一員として、自分にはどんな役割があるのか、チームのために何をすべきなのかを常に考えられる人間と、どうしても自分のことを優先してしまう人間とでは、行動に明らかな差が生まれます。声を出す、球を拾う、スコアを書く、などはすべて仲間のために行うことです。「忘れていました」や「自分の試合の反省をしていました」というのは、ただの言い訳。自分のことより仲間のことを優先することができる人間には、このような言い訳はあり得ません。
 県総体まではあとわずかです。技術の大きな進歩は見込めません。しかし人間として、チームとして、まだまだ成長できる可能性があります。この成長こそがチーム北越をGOALへ導く鍵になると思います。彼らの様子を見ていると、少しずつではありますが、確かな成長が見られます。そして成長していきたいという意欲も見られるようになってきました。彼らならきっとやってくれると信じています。これからも一層の応援をよろしくお願いいたします。

            団体戦決勝前円陣