« 2016年6月 | メイン | 2016年11月 »

2016年9月

2016年9月12日 (月)

HOKUETSU Spirits ~2016 挫折の先に~

 チーム北越、部長をつとめたのは樋口誠也という男です。
 樋口の中学時代の最終成績は「県大会1回戦負け」、高校に入学後も最初の1年は地区大会を突破できないくらいの選手でした。
 しかし、誰よりも元気で、一生懸命で、優しかった彼は、多くの人から好かれる男でした。後輩である田辺もそんな樋口に惹かれ、ペアを組みたいと申し出てきました。
 優しい性格ゆえに、もしかしたらリーダーには向かなかったかもしれません。どのように部員に接していいか、もがき苦しみました。何度となく彼の涙を見ました。
 しかし、彼は逃げませんでした。壁にぶち当たるたびに、挫折するたびに、一生懸命に考え、乗り越えました。人として、アスリートとして成長していきました。

P1100203 P1100216

 8月1日から岡山県備前市で行われたインターハイには、樋口・田辺ペアと高木・近藤ペアが出場しました。どちらもあと一歩及ばず初戦敗退という残念な結果に終わってしまいました。
 誰よりも大きな声を出し、周りを盛り上げ、後輩にも優しかった樋口。何があっても泣き言を言わず、歯を食いしばって戦い切りました。あと一歩、届かなかったインターハイでの勝利。この悔しい思いは後輩がきっとはらしてくれるはずです。
 20、21日には北信越国体が長野県松本市で行われました。新潟県代表として、樋口・田辺ペアは全力で戦い、チームを鼓舞しましたが、残念ながら2年連続の通過とはなりませんでした。

 樋口はこの3年間、多くの経験をしてきました。全然勝てなかった1年目、やっと県内で戦えるようになった2年目、そして全国とのギャップを思い知った最後の1年。多くの挫折を味わい、それをひとつずつ乗り越えてきた樋口。彼の人生の戦いはまだまだこれからです。これからもきっと多くの壁にぶち当たるでしょう。挫折も経験するでしょう。でもきっと、樋口なら乗り越えられるはず、栄光を掴めるはずです。これからも彼の挑戦は続きます。

北信越集合写真.、看板前jpg 集合①

樋口からのメッセージです。
3年間を振り返って
 高校の部活を2年半やってきて振り返ると、楽しいと感じたことは少なく、とても苦しく、大変なことばかりだった。1年生の頃は県大会に出場できるかできないかくらいで、地区で勝って県大会に出場できれば良いと思いながら部活に取り組んでいた。試合では勝てないし、練習しても技術の向上は自分自身感じなかったから、楽しく遊びながらプレーする時期があった。Bチームの人たちとずっと一緒にいたりしていたので、同学年の選手たちとの技術や経験の差がけっこうついたと思う。その頃は先生、コーチ、先輩から何も期待されていなかった。それでも、練習終了後、残って練習するようにしていた。
2年生になって、同学年の選手たちにいくつか問題が起きた。なんの巡り合わせかわからないが、大会や遠征に行くメンバーに選ばれるようになった。そこからやっと勝っていけることも増えて、自信も少しずつついていった。県総体でベスト16になり、テニス人生初の北信越大会出場をすることができた。大きな大会が終わって、国体のシーズンが始まった。国体で帯同選手に選ばれて、とてもよい経験をすることができた。
先輩たちが引退して、自分たちの学年がチームを引っ張ることなった。やりたくなかったのだが、チームの部長になってしまった。このときの自分は、部長という「不安」「責任」、国体帯同選手という「プレッシャー」で、とても苦しかった。それと、ずっと成績を出してきた後輩と組むことになり、それもプレッシャーだった。
3年では、県内で標的にされ、不安、責任、プレッシャーで辞めたくてしょうがなかった。でもチームメイトと協力し、支え合いながら部活をしていくことができて、自分の引っ張ってきたチームは、北信越2位まで行けた。とても嬉しかった。たくさんの苦しみ、大変なことが報われた気がした。
最後までプレッシャーと向き合い、不安などから逃げずにこられて、本当によかったと思う。何事もあきらめずにやることが大切だと感じた。

             IMG_8226

後輩に向けて
 これから、大変なこと、苦しいこと、不安がたくさんくると思います。結果が出なくて逃げたいときがくる人もいると思います。でも、高木康士朗が言っていたように、諦めなければ必ず報われると自分も思います。しっかり、不安やプレッシャーと向き合ってほしいと思います。
 とくに達也は、県のトップ選手であり、北越の部長なのだから、今までよりも自分に厳しくして成長しないと!!あと、不安や緊張がすぐに顔に出るから、もっと笑顔でプレーして、ペアや仲間を不安にさせないこと。
 他にも、それぞれの学年にリーダーがいます。チームメイトと向き合って、新しいチームらしく、がんばってほしいと思います。
 良い結果の報告が聞けることを楽しみにしています。

             IMG_8477