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2016年12月

2016年12月20日 (火)

HOKUETSU Spirits~2016 CHALLENGER~

北越男子、3年ぶりの優勝!
個人は山本・田辺が制す!!


団体メンバー表彰

【団体戦結果】
優 勝  北越高校
2 位  長岡商業高校
3 位  新潟産業大学附属高校、新発田中央高校
【個人戦結果】
優 勝  山本涼翔・田辺達也ペア
準優勝  飯島啓太・中野健弥ペア
ベスト8 田中 友・杉戸 旭ペア

前々日、中野のノートから
今回の大会に対しての不満
1 達也がいなかった場合、去年と同じで1番の自分は絶対に勝たないといけない。気持ちに余裕がない。
2 最近のプレーがうまくいっていない。
なんでそのようなことになってしまったのか?
1は、試合に出るメンバーを完全に信じることができていないから。今の自分のレベルで勝てると思えていない。自分すら信じられないから。
2は、切り替えようと思っていてもなかなか大会モードに切り替えられていなかった。グアムから帰ってきてからの自分のプレーに不満を持つのが遅すぎた。
この不満をプラスに変えるにはどう考えるべきか?
1 この大会を優勝したいと思っているのは「自分」だけではない。きっとチームメイト全員が優勝したいと思っているはず。だったら信じてられないとか考える必要はない。みんな勝ちたいから、ピンチだって必死になってプレーしてくれるはず。自分のプレーに自信がなくても後に2,3番がいるから、難しいことは考えない。勝つためにどういうプレーをすべきか考える。
2 そもそもここまできたら技術じゃない。「勝ちたい」と思う気持ちが強いほうが、技術より勝るに決まっている。気持ちの問題。
 去年も出て、負けた悔しさを自分はすでに知っている。だからこそ、この大会に懸ける思いは去年以上。気持ちで負けるわけないじゃん。だったら心配する必要なんてない。
 今年はチャレンジャー。自分より強いプレイヤーなんて山ほどいる。気持ちで相手を上回る。県の壁を超えなきゃ上にはいけない。
 達也、涼翔、飯島、秋葉、阿部、琉唯、翔也、田中、杉戸、風雅、健司、全員で勝ちに行く。目指せチーム北越優勝!


 昨年12月、私たちチーム北越は選抜の県予選会の準決勝で長岡商業に破れ、北信越選抜への出場を逃しました。あの涙から1年、ついにこの日を迎えました。1週間前まで2年生が海外研修、さらには主将である田辺が直前に体調不良を訴え、出場が危ぶまれるという状態でこの大会を迎えることになりました。なんとか田辺は回復し、出場することができましたが、チームが万全とは言いがたく、大きな不安を抱えながらの大会となりました。しかし2年の中野がチームを牽引し、ほかの部員もそれに引っ張られるように気持ちを上げて、大会に臨みました。
 1回戦の相手は上越総合技術高校。1番に出場した山本・中野ペアは危なげなく勝利し次につなぎます。2番は阿部・秋葉ペアが出場。序盤は相手後衛と秋葉のテンポが合わずミスが重なります。しかし何とか堪えて4-2で勝利し2回戦に進出しました。
 2回戦の相手は中越高校。非常に能力の高い選手が多いチームでした。1番は飯島・田辺ペア。序盤はいくつかミスもありましたが、尻上がりに調子を上げ4-1で勝利。2番の阿部・秋葉ペアは1回戦の反省から丁寧かつダイナミックなプレーを見せ4-0で勝利。準決勝進出を決めました。
 北信越へ出場するために絶対に超えなければならない準決勝。相手は新潟産業大学附属高校でした。強打が持ち味の後衛が揃うチームでしたが、1番の飯島・田辺ペア、2番の山本・中野ペアとも真っ向から立ち向かいました。逃げることなく攻め続け念願の決勝進出。ここで念願の北信越への出場を決めることができました。
 そしてむかえた決勝戦。相手は長岡商業高校でした。昨年はまったく戦うことができずに負けた相手です。この舞台を戦うために、秋の新チーム発足からすべてを見直してきました。テニスに取り組む姿勢はもちろん、普段の生活でも「一流の人間」を目指してきました。応援されるチーム、応援したくなるチームを目指して一日一日を過ごしてきました。
 この大会におけるチーム北越の合言葉は「チャレンジャーになる」です。誰が相手でも全員でチャレンジしよう、という目標を立てました。ミスが続いたときも、相手の好プレーがでたときも、どんな苦しい場面でも決して下を向かず、仲間の顔を見ました。どんなときも守らず、攻める気持ちをもって戦い続けました。1ポイント1ポイントを全員で戦い抜きました。飯島・田辺、山本・中野の両ペアが見事に戦い抜き悲願の優勝を勝ち取りました。

団体戦後、中野のノートから
 1、2回戦、自分たちを含めてストロークやボレーでのミスが多発していて、少し不安になったが、試合を続けるにつれて、全員のミスが減っていき、応援もひとつになっていくのを感じた。1人1人の勝ちたいと思う気持ちが今日の「優勝」という結果につながったと思う。
 目標の全国選抜まで、あと北信越を勝たないといけない。自分たちのプレーにはまだ荒さがあるので、残り1ヶ月で精度を上げていく。
 明日の個人戦は、飯島と戦い方を話し合った。その中で、どの局面でも「笑顔」を絶やさない。これを忘れずに明日1日を乗り切ろうと思う。目指せ優勝!おやすみなさい。


 翌日には個人戦が行われました。山本・田辺、飯島・中野、田中・杉戸、玉木・秋葉の4ペアが出場しました。
 玉木・秋葉ペアは2回戦で長岡商業の吉村・青柳ペアと対戦しました。格上との対戦でしたが、臆することなく攻め続けました。しかし勝負の懸かった大事な場面で先にミスがでてしまい、ゲームカウント2-4。あと一歩及ばず、悔しい敗戦となりました。続いて田中・杉戸ペア。新人戦でベスト16に進出した彼らはシードを勝ち取っての出場でしたが、「チャレンジする」という気持ちは忘れずに戦いました。田中が粘り強くラリーし、チャンスとあらば強打でポイント、杉戸も積極的に動き続け相手後衛を苦しめました。上位シードが敗退するという幸運もあり、奇跡のベスト8!北信越大会への切符を手にしました。
 飯島・中野ペアはチャレンジの対戦が続きました。準々決勝では新人戦で優勝した村上高校の網代・遠山ペアとの対戦でした。2ゲームを先行される苦しい立ち上がりでしたが、中盤以降は中野が積極的に攻めて4-2で勝利。続く準決勝は燕中等の小林・関根ペア。この試合では序盤から2人の攻撃がかみ合い優位に試合を続けます。4-1で勝利し決勝に進出しました。
 対して山本・田辺ペアは苦しい試合が続きました。ディフェンディングチャンピオンである田辺には大きなプレッシャーがあったのでしょう。ペアの山本も「勝ちたい」という思いが強すぎたのかもしれません。ファーストサービスの成功率は低く、自分たちのペースに持ち込めません。どんどん向かってくる相手に苦しい試合が続きました。しかし2人の心は折れませんでした。強い思いを前面に押し出し、声を張り上げ、戦い続けました。準々決勝の長岡商業、阿部・丸山ペア、準決勝も同じく長岡商業の菊池・服部ペアを苦しみながらも跳ね除け決勝進出。決勝戦での同校対決を実現しました。
 決勝戦ではお互い手の内を知り尽くした相手なだけに序盤からやりづらさがあったのでしょう。一進一退の攻防はファイナルゲームの末、山本・田辺ペアが制し優勝。田辺は2連覇を達成しました。

個人戦後、杉戸のノートから
 今回の試合ではプレーについてもたくさん勉強できたけど、それ以上に試合中に声を出し、盛り上げ自分を燃やすこと、ペアでどんなときもしっかりコミュニケーションをとり、笑顔でプレーすること、それによってポジティブになれてミスを気にせずに切り替えることができました。もうひとつは自分たちは挑戦者なんだと割り切ったことによって過去にとらわれたり、未来のことを考えずに100%近く「今」に集中して戦えたからプレーにも迷いはほとんどでなかったからここまで勝ってこられたんだと思います。
県新人に続いて菊池・服部に負けてしまったから次戦ったときにどうやったら勝てるのか考えて練習していきます。自分たちも北信越大会に挑戦のチャンスを手に入れたので、チームで団体で勝つことはもちろん、個人戦でも戦えるように、これまで以上に気を引き締めて練習していきたいと思います。

 
 さて、今大会では飯島啓太という選手の躍進がすべてを物語っています。今まで出場した大会では、ミスを怖がり、勝負を避け、相手から逃げてしまう場面が多くありました。新人戦でも準々決勝で3-0までリードしたにもかかわらず、勝ちきれずに逆転負けを喫していました。何度も何度も悔しい思いをしてきたのでしょう。その思いが少しずつ彼を変えていきました。ノートの内容に変化が見られ、練習に取り組む姿勢も変わっていきました。何度も県外へ遠征し、全国レベルの選手たちとの戦いを通して徐々に自信が芽生えてきました。そして「勝ちたい」という思いを前面に出すようになってきました。それが団体戦での勝利につながっています。終始、飯島のペースで戦い続け、3試合戦って失ゲームはたったの2。素晴らしい戦いでした。また、個人戦の決勝では山本・田辺に敗退し、ペアの中野とともに涙を流していました。同校対決であっても負けたことが悔しかったのでしょう。まだまだ、これからの成長を期待させてくれる選手になりました。

団体戦後、飯島のノートから
 自分たちの目標にしていた県インドア優勝を達成することができた。選抜出場という最終目標に一歩近づくことができたので良かった。だけど、このままの実力では選抜に出場することは不可能だと思う。
 一つ一つの技術の制度をあと1ヶ月間でもっと上げ、全国に通用する実力を身に付けられるように努力する。自分のことだけでなくチームで戦わなければならないので、他の人と共に自分たちを高め合っていけるようにします。
 今日優勝できて、他のチームの人に、北越はすごいと思わせることができたと思う。さらに良いチームを目指して頑張ろうと思う。 

個人戦後、同じく飯島のノートから
 網代・遠山(村上)と小林・関根(燕中等)に勝つことができた。どれも危ない試合で簡単ではなかった。今まで頑張ったのが今回の結果につながったと思う。でも、まだまだ頑張りが足りず、決勝では勝つことが出来ず、負けてしまった。今まで個人戦で決勝へいったのは初めてで、実力が上がってきていると感じた。でも決勝までいけたのなら勝ちたかった。
 練習ではいつも勝つことが出来るのに、本番では勝つことが出来なかった。これが本当の強さなんだと感じた。山本・田辺ペアを超えてさらなる高みを目指す。だから、そのための努力をしっかりし、次の目標へ向かって頑張ろうと思う。
 次の目標は北信越3位以上で選抜へ出場することです。だから今の技術をレベルアップさせ、もっと精度を高くしていこうと思う。


 団体戦優勝。個人戦でも1位2位を独占というこの上ない結果を得ることができましたが、本当の戦いはこれからです。選抜への出場権を懸け、そして夏のインターハイで輝くチームを目指して、これから更に努力していきたいと思います。
 最後に、選手たちは少しずつ成長しているようには思いますが、まだまだ「一流の人間」とは程遠いと感じています。「コートの外でこそ一流」を目指して、そしてチーム北越の一員であるという自覚と誇りをもって、これからも努力を積み重ねていきたいと思います。みなさんに応援していただけるチームを目指して、そしてそれを力に変えられるように、一歩ずつ前進していきます。


個人戦表彰